Home > 01.時事寸評 > 言葉は生き物だけど。。。

言葉は生き物だけど。。。

来月、23日の日記で書いた雑誌とは別にの雑誌でもこのブログが紹介されるらしい。
その雑誌では、紹介されるにあたって、その雑誌への「一言」を120ワード程度で欲しいと言って来た。
う~ん。
120ワードって???
正直、困った(^^;
実は今まで、“何文字以内”でという原稿は何度か書いた事があるけど、基準が“ワード”?
文字数の制限はなし?
ワードというか、単語の数で文章を書いた事はないからなぁ。。。

なんて思っていたら、昨日のニュースでこんな記事があった。


「日本語力」低下 4年制私大、国立さえ… 「留学生以下」お寒い大学生

「憂える」=「喜ぶ」!?/短大生35%中学生レベル
 大学生の「日本語力」が低下し、中学生レベルの国語力しかない学生が国立大で6%、四年制私立大で20%、短大では35%にのぼることが独立行政法人「メディア教育開発センター」(千葉市)の小野博教授(コミュニケーション科学)らの調査で分かった。「憂える」の意味を「喜ぶ」と思いこんでいる学生が多いなど、外国人留学生より劣る実態で、授業に支障が出るケースもあるという。同教授は「入学後の日本語のリメディアル(やり直し)教育が必要」と指摘する。

 調査は十六年度に入学した三十三大学・短大の学生約一万三千人を対象に、中一から高三相当の問題を盛り込んだテストを行い、十四年度に中高生に実施したテスト結果と照らし合わせてレベルを判定した。

 その結果、中学生レベルと判定された学生は、五年前に行われた調査と比較して、国立大が0・3%から6%、私立大が6・8%から20%、短大が18・7%から35%と、数年間で大きく増加していることが分かった。

 テストでは「憂える」の意味を問う設問で、「中学生レベル」と判定された学生の三人に二人が「うれしい」に音感が近いためか「喜ぶ」を選択。「大学生レベル」とされた学生の中でも正答率は50%にとどまり、文字通り“憂える”結果となった。
 「懐柔する」は「賄賂(わいろ)をもらう」を選ぶ学生が多く、「大学レベル」の学生でも正答率は46%にとどまった。

 このテストでは、外国人留学生でも大学院生はほぼ全員が「高校レベル」をクリアしており、「留学生より日本語ができない学生が、相当数いるのが実情」(小野教授)という。

 国語力が低下した原因として、小野教授は「少子化のため、自己推薦など試験が必要ない入学や全員入学・定員割れが増加したことが日本語力の低下を招いている」とし、「入学後の早い時期に授業が理解できる高校生レベルまで、日本語力を伸ばすことが必要」とし、リメディアル教育の必要性を提言。

 リメディアル教育では、今年行われたテストで千二百人中二百七十人が中学生レベルと判定された埼玉県の大学が三カ月間、週に一度、ひらがな文を漢字かな交じり文に直したり、四つの単文を並べかえて文章にする訓練を行った。その結果、一部のテストで平均点が65点から96点になるなど短期間の訓練で、理解力が大きく伸びることが確認された。

 小野教授は「学生はダメだといわれているが、実際に(対策を)やってみると案外、伸びるという結果」とし、大学側が積極的に学生の日本語訓練に乗り出す時期にきていると指摘している。
     ◇
 【問題の例】
 ■露骨に
(1)ためらいがちに     (0%)
(2)おおげさに    (83.3%)
〔3〕あらわに     (16.7%)
(4)下品に         (0%)
(5)ひそかに        (0%)
 ■憂える
(1)うとましく思う  (16.7%)
(2)たじろぐ        (0%)
(3)喜ぶ       (66.7%)
〔4〕心配する        (0%)
(5)進歩する     (16.7%)
 ■懐柔する
(1)賄賂をもらう   (50.0%)
(2)気持ちを落ち着ける(33.3%)
(3)優しくいたわる  (16.7%)
〔4〕手なずける       (0%)
(5)抱きしめる       (0%)
(カッコ内は中学生レベルと判定された学生が回答した割合、〔 〕数字が正解)
 *小数点計算で合計は必ずしも100にならない
(産経新聞) - 11月24日3時0分更新



はっきり言って、この記事の趣旨が解りません。。。
高校で教えろっていっているのかなぁ?
例が悪いから、趣旨が解らないのか?

露骨、憂える、懐柔。。。
この辺の言葉って、新聞にも良く出てくる言葉。
滅多に使わない特別な言葉という訳ではないのになぁ。。。
ここの例に出ているような言葉は特殊な言葉ではないから、中学生で充分意味を知っているべき言葉だと思う。
だからこそ、「中学生レベル」なんて表現があるんじゃないのかなぁ。
高校は義務教育ではない。
高校に入学してから国語力を高める訓練をするのではなく、中学生のうちに訓練するべきなんじゃないかなぁ。
逆に言うと、高校にしても大学にしても、その程度の国語力の生徒で良いから入学を許可したのでしょう。
国語力の高い学生が欲しい学校は、相応の難しさの篩いをかけているはず。

それに留学生と比べるのヘンだ。
留学生って日本語をよく勉強している。
まともな学校に留学してくる子たちは、日本語検定を受けてから留学してくる。
日本の学生だって外国に留学する時は、例えばTOEICが900点と言うように留学先の言語を勉強し、ある程度のレベルに達していないと留学しない。
そういった意味では、「日本語が母国語ではない=日本語をよく理解していない」という図式は成り立たない。
出来の悪い日本人の子供と日本語力を比較するなんて留学生に失礼だ。


言語というのは、学問以前にコミュニケーションの道具。
コミュニケーションの道具である以上、そのコミュニティでしか通用しない言葉があってもしかるべきだとは思う。
子供同士のコミュニケーションでは、子供同士で通用する言葉を遣えばよい。
でも、世代を超えたコミュニケーションや、別のコミュニティーとコミュニケーションを図ろうとすれば、それなりの“共通言語”が必要になる。
そういった“共通言語”を覚える一番の勉強の場は家庭でないのか。
家庭というのは、世代間交流の一番身近な場。
言葉とは、学校で教える以前に、日ごろの家庭での親子間のコミュニケーションの中で訓練されるものではないのかと思う。

昨今流行の友達親子などとと、親が子供におもねって、目上の人に対する言葉遣いですら家庭で教えない。
逆に、子供が使う言葉を知らないと、親の方を“遅れている”なんて評価する向きもある。
ヘンだよね。
そんなんだから子供が、子供の言葉しか知らなくなってしまうんじゃないかなぁ。。。

先日、と言ってもかなり前になるのだけど、皇太子の長女の敬宮の日常生活の一部が映像で公開されたけど、ちょっと違和感があったのが、敬宮が皇太子を「パパ」と呼んだ事。
こういう家庭でも、父親を「お父さん」と呼ばせる事はしないのだなと思ってしまった。。。
いい悪いではないけど、違和感があるなぁ。。。
今時なんだから、宮中言葉を使う必要はないと思うのだけど、こういった家庭であれば、子供であってもきちんとした“日本語”を使って欲しいなぁ。


言葉は生き物。
長い間に反対の意味に転じてしまった言葉もある。
憂えるなんてのも、「うれしい」が正解になる日がくるんだろうな。。。

Comments:4

mimipapa  2004年12月 8日 20:24

生き物ですか?

そうですね、知らず知らずに
本来の意味とは変っている事も
有るのも事実ですね!

でもね、
社会に出て日常生活を送りたいので
あれば強制的に勉強も必要ですね!

母国の語学力低下、嘆かわしいことです。

COO 2004年12月 8日 20:25

国語力

実は良く解らないのですよね。。。

「役不足」も「大根役者」も今は本来は違う意味で使われることが多いですし、
「一所懸命」も、学校で×を付けられたことがあります。
本来は、「一所懸命」一つの土地に命をかけることで、
「一生懸命」ではないはずなのに。。。

まる 2004年12月 8日 20:25

記者が盛り込みすぎ(笑)

単純に急速に学生の質が落ちていると警鐘を鳴らしたいだけじゃないでしょうか、多分。
それプラス読者に「え!?」と言わせ&日常会話のネタにする事も趣旨かもしれません。
だとしたら、私に関しては後者の趣旨は果たされたってところでしょうか(笑)
しかし、「中学生レベル」だの「大学生レベル」だの怪しげなレベルを出したり、留学生と比較したりして補強証拠を並べているけれど、、、、結論として「大学が頑張って教育しろ」って事になっているのかな?
話があっちこっちに行って、この記者の言わんとしている事がはっきりしない感じです。
もしかすると、この記者も単純に「え!?」と驚いて調べたら、こんな事も分かりましたら、あんな事も分かりましたって事だけなんですかね?

あと、子供の問題になるとCOOさんは家庭の責任と言う事を前面に出されますが(笑)、子持ちから言わせて頂きますと、密度は家庭かもしれませんが、時間は圧倒的に学校なんですわ。
私が言っているのは、小学校の事なのですが、子供がまともに集団生活の「いろは」を学び&影響を受けるのはやはり(小)学校生活ではないでしょうか?
言葉の使い方でも、基本的なことは家庭で学んでいく(躾けていく)訳ですが、それをベースに訓練、応用、発展させていくのに、先生、上級生、下級生と色々な階層がそろっている学校生活は非常に適していると思います。
そう言った意味で、家庭と学校生活は同じくらい重要だと思います。
まぁもちろん、ベースが出来て無いと話にならんが(苦笑)
因みに、この記事の内容だと、やっぱりこのレベルになると、家族と言うよりその個人の問題じゃないですか?
ここに挙がっている言葉を正確に理解できていなくても何不自由無く生活出来ていたと言うのは、やはりそのレベルの生活しかしていなかったとしか思えない。

大根役者が「私みたいなものには役不足で、、、」と謙遜していたら噴版ものですねぇ。でも、同意使われていることも多いですね。
一所懸命は、中学の歴史の時間に習いました。
鎌倉時代の武士が与えられた所領を命を掛けて守った土地を「一所懸命の地」と言い、そこから「一所懸命」と言う言葉が生まれたと習いました。一生懸命という言葉は、「いっしょけんめい」と言う音が、「いっしょうけんめい」と間違ったのが定着したとも教えてもらいました。
いま、ネットで調べたら「一生懸命」は昭和30年代から現れて昭和40年代に定着したと書いてありました。
色々諸説はあると思いますが、以外と新しい言葉ですね。

COO 2004年12月 8日 20:26

家庭教育

子供への接触の密度と言う観点で、家庭の存在が大きいと思うのですよね。。。

確かに、学校生活は社会生活を学ぶ上では重要な環境だとは思うのですが、
小学生はともかく、他の学校過程では世代の差と言うものは殆どないし、
小学校は最大6年の年齢差があっても、世代を超えた知識移転をするような場ではないと思うのです。
そういった意味で、世代間の知識移転は家庭がその最初の場でなはいかと。


この記事で紹介されている学生の知識レベルの程度が解らないですが、
かなり低いと考えられます。
本当は、学生でも「自分たちはそんなにバカじゃない」と思っているのかもしれません。


一生懸命に関しては、私たちが小中学生の頃は「間違い」でしたが、
高校生になって両方とも認められるようになりました。
今は、「認められる」ではなく、「正解」とされるようです。

そして、無知な教師には、「一所懸命」は“間違い”とされます。。。

Comment Form

Trackbacks:0

TrackBack URL for this entry
http://coo.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/2
Listed below are links to weblogs that reference
言葉は生き物だけど。。。 from 空のつぶやき

Home > 01.時事寸評 > 言葉は生き物だけど。。。

Search
Calendar
« 2004 11 »
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
Archives
Blog List

BlogPeopleに登録

ブログランキング・にほんブログ村へ

あわせて読みたいブログパーツ



Gallery


Counter
Feeds

Return to page top