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20年経っても、政権政党が変わっても変わらない保育事情。。。

「保活」と言う言葉を知っていますか?
子供を保育園入れるのが難しい事は20年以上前から知っていたけど、「保活」という言葉までは知りませんでした。


「保活」勝った人負けた人
AERA3月 1日(月) 12時10分配信 / 国内 - 社会

──まさか自分が、あの人が、という落選が続出している。
就活よりも婚活よりも、いま最も難しいのは「保活」かも。
第1希望の保育園に入れた人は、何をしたのか。──

 出勤前、覚えたてのバイバイを子どもとやりあっている夫に、1枚の紙を差し出した。
「写すだけだから」
 区立保育園の入園申請の書類につける手紙の下書きだ。
「専門知識を持ち指導的立場にある妻が仕事を続けるため、ぜひ入園を......」
 しめて400字からなる、夫からの嘆願書。
 文京区に住む会社員のマリさん(34)は、手紙が審査にプラスになるという噂を妊娠中に知った。ところが、最近はみんなが添付するから差がつかないらしい。夫婦それぞれ1通ずつ手書きするべし、というのが最新情報。働く妻を応援する夫の手紙は効果大らしいが、夫に書けるはずもないから自作自演。昼休みにスタバで清書してもらう。
「印象が悪くなるかもしれないから、修正液は使わないでね」
 と念押しした。

■育児ノイローゼのふり
 文京区の入園審査はポイント制で、「両親がフルタイムなら20点」などと指数化されている。手紙は指数に関係ないとわかっているけど、0・01%の可能性にも賭けたい。いま通う事業所内託児所は保育料と交通費で月10万円を超える。区立だと月3万円台になるし、子連れ電車通勤ともサヨナラできる。
 厚生労働省によると、保育園に申し込んだのに入園できていない子どもは、昨年4月1日時点で2万5384人。不況で働く親が増えた影響などで前年より3割も増えた。ただ、これはあくまで国が定めた基準を満たす認可保育園の空きを待っている人数で、認可外の保育施設に預けている人は含まれない。働きたいので預けたい、という潜在的ニーズも合わせると、待機児童は85万人とも推計される。
 さらに今年は「昨年より厳しい」という声があちこちで聞かれる。2月下旬、4月入園不可の通知に落胆した親は少なくない。わずかな定員に滑り込むには、就活ならぬ「保活」で万全の準備をしなければ──。職場の上司の一筆、役所の保育課への日参はすでに常識。ペーパー離婚してシングルマザーになる人、育児ノイローゼのふりをする人までいる。
 選考基準を公表する自治体が増える一方で、自治体によって何が入りやすいかの基準が異なるから余計に混乱する。都内のある区は「居住期間の長さ」を考慮するが、高齢出産が優先される区もあれば、「区長が特に必要と認める場合」は指数に関係なく優先される区もある。

■ライバルの持ち点推計
 公表されている選考基準を冷静に分析して保活を制したのは、江東区に住むマキさん(32)。
「毛玉だらけのユニクロのフリースで保育課に通った」
 という先輩ママの武勇伝が通用したのはひと昔前まで。江東区は共働き世帯が増え、夫婦ともフルタイムでポイントが満点でも安心してはいられない。同点の場合、ひとり親や双子といった事情に応じてつく「調整指数」で順位が決まる。とにかく調整指数を稼がなければ。
 希望する園に兄姉が通っていれば調整指数が2点つく。1人目の子は不利だ。児童館に集まるママたちから、狙う園や兄姉の有無をさりげなく聞き出した。ブログやツイッターもチェックして、ライバルの「持ち点」を推計。第1希望の園には、兄姉がすでに通っている人が多く申し込みそうだと突き止めた。
 どうすれば勝てる?
 子どもを預けて復職していれば2点。これしかない。職場復帰を早め、半年だけ認可外の保育園に預けた。ギリギリ、第1希望の区立園に滑り込めた。
 園によってはマキさんより指数が高くても入れなかった人もいる。江東区は待機児童数が都内ワースト1になった2007年から、38園を新設して定員を約2000人増やした。それでも共働きや人口の増加に追いつかない。
"合否"発表直後、区役所には内定をもらえなかった親たちが詰めかけた。電話も鳴りっぱなし。速水俊成保育課長は、
「これからどうすればいいか、と尋ねられるが、解決法がない。生活が変わってしまうのは本当に申し訳ない」
 子どもを預けられなければ親は働けず、職場にもしわ寄せがいく。
 社内No.1営業マンとして表彰されたこともある、リクルートエージェントの森本千賀子さん(39)でさえ、保育園に入れないせいで職場に戻れなかった。
 次男が8カ月のとき復職しようと昨年12月、中央区の区立園に申請したら、すでに400人が待機中。入園がかなうまで会社には復職を待ってもらった。
 4月の入園でようやく内定を取れたのは、第6希望の私立園。復職のめどはついたが、自宅から遠いのが悩ましい。
「育休前は7時半に出社して仕事を消化してきたけど、これからどうなることか......」

■高い年収が不利に
 杉並区のサトミさん(40)も第3希望の区立園まですべてダメで、育休を延長せざるをえなくなった。会社の制度で育休は2歳まで取れる。次女が1歳半での復職を予定していたが、年収の高さが不利になった。
「働いて稼いだほど不利だなんて。税金も多く納めてるのに」
 子どもが2人いる同僚にこぼすと、叱られた。
「甘いわよ。時代が変わったんだから」
 彼女は第1希望の区立園に内定し、9月までのはずだった育休を切り上げるという。国や会社が制度を整えても使えないなんて矛盾してる、と思う。
 しかし、不況で企業にも余裕はない。昨年は「育休切り」も表面化。いつ戻るかわからない社員のポストを空けておくわけにはいかない。戻る職場がなければ保育園の内定も返上だ。もはや育休切り上げしか保活に勝つ方法はないのかもしれない。
 生活も職場も、保育園に振り回される。認可外の園をいくつも押さえて「保険」をかける人が多いから、内定を取れなかった人でも「繰り上げ当選」や「滑り込み」もありうる。そして保活は第2ステージに突入する。
〈保育園全滅!〉
 人材会社を経営するエツさん(41)が友人にメールすると、すぐ返信がきた。
〈区役所に電話して何番目で落ちたか確認を。希望した園に入れた人の最低指数も聞いて!〉
 自分の「偏差値」を探り、二次選考に向けてただちに保活せよ!との指令だった。
 住んでいる世田谷区では、入園を希望する0歳児が昨年より約100人も増えた。早めに認可外の園を押さえればよかったのだが、昨年から会社の経営が厳しくなり、妊娠中も仕事に追われた。「保育園やばいよ!」と友達に言われて見学したのが出産直前。4月に数人できる空きを100人近くが待っていた。めぼしい園は予約で溢れ、見学すらすぐにはできなかった。
 家で子どもを預かる保育ママも11人に断られ、残るは幼稚園教諭の免許を持つ知人に預かってもらうぐらい。仕事との両立だけで不安なのに、保活を続ける気力を保てるだろうか。

■出産嬉しいはずなのに
 2月に復職した弁護士のカナさん(33)の財布からは、千円札が瞬く間に消えていく。保育ママ宅まで長女を送迎するタクシー代は片道3500円。区立園に入れるまで2カ月間の投資だと割り切っていたが、内定を取れなかった。このままだと交通費だけで月15万円。長女を抱いてタクシーを降りるとき、領収書を必ずもらってオムツ入れの内ポケットにしまう。区役所に直談判するつもりだ。
 育休に入ってから保育園の見学を始めた港区のヨシオさん(37)は、出遅れた焦りから、引っ越すしかないと思い詰めた。港区がダメなら、入園しやすいのは? 6カ月の長男をあやしながらインターネットで200倍のUR賃貸住宅に申し込み、当選したときは夫婦で喜んだ。でもよく考えると、これで区立園に入れる保証はないし、2万円アップの家賃もキツい。結局、住宅はキャンセル。冷静さを失っていたと今ならわかるが、とにかく必死だった。
 第5希望の区立園の内定が取れ、ひと安心。自転車で20分かかるが、入れただけで御の字だ。でも、ふと思う。
「なぜ戦いなのか?」
 子どもが生まれて嬉しいはずなのに、この1年は不安と焦りでいっぱいだった。情報に踊らされ、心身ともに疲れ切った。
 保育園に入れない。そのことが生活や職場、人間性まで変える。ある区の入園相談窓口では、
「火をつけてやりたい」
 と吐き捨てた母親もいたという。(文中カタカナ名は仮名)
ライター 三宮千賀子 編集部 小林明子 写真 今村拓馬
(3月8日号)


出産に当たっての病院が無い上に、出産後の保育施設もない。
保育園に入りやすい地域を探して引越しをする人がいるとは聞いていたけど、この記事を読むと親御さんはそれほど切羽詰っているという事らしい。

社会が子供を"産むな"と言っているに等しい状況を作って、「子供手当て」をばら撒いて子供が増えるのか?
お金をかけるなら、「子供手当て」ではなく、こういう問題を解決することに使うべきなんじゃないのかなぁ。。。
保育園を増やせはそこで働く保育士さんだって必要になる。
雇用にだって貢献するのに、なぜそういう方面の施策がなくてお金をばら撒く事になるのか、意味が解らないよ。


それにしても。。。
20年前も子供を預ける保育園がない事を理由に子供を断念した夫婦がかなりいたけど、20年経っても状況が変わらないばかりかより酷くなっている。
これでは、社会が少子化問題に本気で取り組む気があるとは言えないんじゃないのかな。。。

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