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上品なドルチェのような良い後味の映画

今日は仕事の帰りに銀座で映画を観てきた。
銀座のシネスィッチは金曜日がレディース・デイで女性は900円。
19:20からの最終回は流石に込んでいた。
19時に仕事が終って駆けつけたんじゃ上映には間に合っても席には座れず立ち見だった。
2時間も立ちっ放しは流石に疲れたよ(^_^;


観たのは、「イタリア的恋愛マニュアル(Manuale d’amore)」。
「お腹がよじれる程可笑しく、時にはホロリと切ない大人のラブコメディ」というコピーに釣られた(笑)
字幕に脚本家の大石静が参加しているのも魅力だったしね。

#ストーリー(公式HPより)

世代も立場も違う4組のカップルが、どこかで絶妙に絡み合う。地球上でもっとも恋愛に熟知しているはずの彼らが、一所懸命相手に立ち向かい、悩み、愛を獲得していく。
イタリア人も私たちと変わらない、いやもっと純粋に愛と格闘しているのです。

<トンマーゾ&ジュリア>
仕事もなく彼女もいない運に見放されたトンマーゾが、偶然出会ったジュリアに一目惚れし、猛烈アタック!捨て身の求愛は実るのか?
<バルバラ&マルコ>
倦怠期を迎え、すでに情熱の失せたバルバラとマルコの夫婦。妻のバルバラは2人の関係に焦りを感じ、ある日、羽目をはずして酔いつぶれてしまう。
<オルネッラ&ガブリエーレ>
婦人警官のオルネッラは、優しく真面目だと思っていた夫の浮気現場を目撃し、腹いせに交通違反の取締りに猛烈に精を出す。ある夜、同じマンションに住む憧れのニュースキャスターと一夜をともにするが…。
<ゴッフレード&リヴィア>
妻に逃げられた小児科医ゴッフレードは、まじめで気が小さい自分を変えようとするがうまくいかず、妻と復縁できそうにもない。自暴自棄になり、海辺で一晩明かした彼に新たな出会いが!?



1人の女性がCD本の「恋愛マニュアル」のナレーションを録音している場面から始まり、
  『第一章:めぐり逢って』・・・若い男女(トンマーゾ&ジュリア)の出会い
  『第二章:すれ違って』・・・・・倦怠期の夫婦(バルバラ&マルコ)
  『第三章:よそ見して』・・・・・浮気の発覚で大騒動になる夫婦(オルネッラ&ガブリエーレ)
  『第四章:棄てられて』・・・・・妻に見捨てられた男の苦悩(ゴッフレード&リヴィア)
と4つの章からならる「恋愛マニュアル」が展開される。
良くあるオムニバス映画の様に4つのストーリーが行ったり来たりするのではなく、前の章の最後に次の章の登場人物が出てきて人間関係は絡み合っているけど、ストーリーはそれぞれ独立した作りになっていて、解り易い。

「恋は盲目」という言葉があるけど、恋故に周りが見えなくなり、そのうち相手すらも見えなくなり、そして自分も見えなくなって、不器用な人間関係に悩む。
そんな姿が上手く描かれていて、人間の不器用さに思わず笑ってしまいながらも2人のハッピーエンドになる事を願う、そんな映画だった。
恋に積極的だといわれるイタリア人だって、恋に悩むし、結婚生活の維持に悩む。
そして、幸運は何処にあるのか解らないけど腐らず前向きに過ごす事で幸運を掴むことができる。
そんな当たり前の事を静かなトーンで淡々と表現したいい映画だった。
上品なドルチェのような良い後味の映画だと思う。


以下ネタバレあり。





失業中で何をやっても上手く行かないトンマーゾ(シルヴィオ・ムッチーノ)が偶然出逢ったジュリア(ジャスミン・トリンカ)に一目惚れ。
こんなキレイな子ならトンマーゾじゃなくても一目惚れするね(笑)
彼女を家の前で待ち伏せたり、携帯の電話番号を教えてもらうために仕事先へ追いかけたりとストーカーまがいの姿に呆れながらも、元彼とのデートの帰りに「元彼と会うなんて前進できない女性だ」と言われてトンマーゾをちょっと見直したジュリアは結局デートの約束をする。
翌日の初デートは食事をする事になって失業中のトンマーゾはお金がないので、お姉さんのレストランに案内する。
あれ?このお姉さん、見たことある と思ったら、冒頭に出てきたナレーションをしていた女性だった。
トンマーゾは彼女がお姉さんだとジュリアに知られたくなかったのだけど、あっさりバレてしまって、逆に何故ウソを付くのかとジュリアに責められる始末。
ホント、“トンマ”ってイタリア語でも“トンマ”という?と思えるほどのトンマと言うか間抜けぶり(笑)
それでも子供好きな“素”を見せてジュリアに惚れられるんだよね。
飾っちゃダメって事だね(笑)
で、ダメな時をなにをやっても上手く行かなかったけど、ジュリアと付き合い始めて本屋に就職も出来て人生が良い方向に回り始めたらしい。


そんな2人の新婚旅行先に旅行に来ていたのが倦怠期夫婦のバルバラ(マルゲリータ・ブイ)とマルコ(セルジョ・ルビーニ)。
倦怠期って結婚何年後ぐらいから始まるのかな?
この2人は年配の熟年夫婦に見えたのだけど、「子供を作る」なんて言っているし、友人達も子供が小さかったり赤ちゃんだったり。
本当は結婚して数年しかたっていない30代夫婦だったのかな?
それにしても友人夫婦の「出産時のビデオを他人に見せる」のは良い趣味だとは思えないな。

それにしても×2。
人に恋するのも1瞬なら、人を“嫌”と思うのも1瞬なのか?
勿論、“嫌”と思うまでに色々な積み重ねがあるのだろうけど、気が付いて“もう許せない”と思うのはホンの些細な事がきっかけだったりするんだろうね。
それでも2人は関係の修復を試みる。
でも、なかなか上手くいかないんだよね。。。
友人のパーティにも1人で出かける羽目になってしまうバルバラがちょっと可哀想だっり。
私も彼氏とは必ずしも趣味が合わないから、それぞれ1人で出かける事が多い。
一緒に出かけられたら楽しいとは思うものの、彼氏にとって楽しいと思えない事に引っ張り出すのも可哀想な気がするから我慢するけど(^_^;

パーティで日頃の鬱憤が噴出したのか、バルバラはお酒を飲みすぎてマルコに迎えにきてもらう。
その帰りに公園で今後について語り合う2人。
バルバラは修復を、マルコは別離を考えていたのに、マルコの車が駐車違反でレッカー移動されようとしている。
婦警のオルネッラ(ルチャーナ・リッティツェット)に泣きついて何とかレッカー移動だけは免れた。
バルバラとマルコは、オルネッラには仲の良い夫婦に見え、オルネッラの相棒の警官には不仲に見えたらしい。
さてこの2人はどうなるんでしょうね?


「イタリア人の夫の85%、妻の60%も浮気をする」とは言え、オルネッラは優しい夫ガブリエーレ(ディーノ・アッブレーシャ)に満足していた。
まぁ、同じアパートに住むニュース・キャスターに密かな憧れを持ってはいたけどね(笑)
ディーノ・アッブレーシャって、乱一世に似ている。
その顔を見るだけで、私は何故だか笑えた。
って、乱一世が笑える顔をしているというのではなく、日本人とイタリア人でもこんなに似ている人が居る事が可笑しく思えただけ。

で、この乱一世、じゃなくてガブリエーレがこんなにお人よしな風なのに、子供の幼稚園の先生と浮気。
浮気の現場を目撃したオルネッラは怒り心頭で家を出て行ってしまうだけでなく、鬱憤の捌け口を交通違反の摘発に向ける。
鬱憤を仕事で昇華するのはいい事だけど、オルネッラの場合は行き過ぎて職権乱用(笑)
小児科医のゴッフレード(カルロ・ヴェルドーネ)の検挙は伝説にすらなったらしいものね。
でも、ゴッフレードの駐車違反は許せなくても、例のニュース・キャスターの交通違反は許せるらしい。
元々が職権乱用に近い仕事振りなのだから、憧れの人なら多少の手加減があっても当たり前か(笑)

オルネッラはニュース・キャスターをアパートに送っていって、ついでに1夜を過ごてしまうけど、これでいっぺんに熱が冷めちゃった。
そりゃそうだ。
幾ら憧れていても、イヤ憧れているからこそ、実生活の“趣味が悪い”現実を知ってしまうと冷めるのは早い。
翌朝、階下のガブリエーレの元に戻って、メデタシメデタシ。


オルネッラとの喧嘩が訴訟騒ぎになってしまったゴッフレードは、調停中に弁護士から妻のマルゲリータに逃げられた事を公表されてしまう。
ガブリエーレと元の鞘に納まったオルネッラはゴッフレードに同情して訴訟を取り下げる。

此処からがクライマックス?
ゴッフレードは、最初に出てきたトンマーゾのお店で「恋愛マニュアル」を買って、マニュアルに従うも何をやっても(さらに)上手く行かない。
夜中にマルゲリータに電話して「amore(愛している)」を繰り返すも、それは全く他人の家。
看護婦に誘惑されるも、その晩にフライト中のハズの夫が帰って来てしまい、高層マンションの窓の外で1晩を過ごす羽目になる。
妻の実家に会いに行くも、義母に娘(=妻)の事は諦めるように言い含められる。
自棄になったのか、帰りに海によってスーツのまま海に入る。
一瞬自殺?とも思ったけど、そうではなかったらしい。
暫く海に漂って岸にあがって捨てられたボートの陰で寝ていると、翌朝幼い女の子に「お尋ね者?」と起こされる。

でも、人生悪いことばかりじゃないよね。
ここで新しい出会いがあるんだものね。
女の子に連れられて入ったのが、トンマーゾのお姉さんのリヴィア(アニタ・カブリオーリ)のレストラン。
彼女はリストランテと言っていたけど、そのお店はゴッフレードが言った「バール」の方が近い。
ゴッフレードがこのレストランで何時間過ごしたのか判らないけど、リヴィアがいつの間にか身の上話をしている。
ゴッフレードは、あんなに聞いていた「恋愛マニュアル」のナレーションの声がリヴィアだと気が付いたのかしら?
いずれにしても、恋が始まった予感。。。


イタリア映画って余り観ないから、俳優さんを殆どしらない。
それでも、ジャスミン・トリンカやルチャーナ・リッティツェットは魅力的。
アニタ・カブリオーリも美しい。
こんなに魅力的な女性がたくさんいるんじゃ、イタリアの男性は恋が多くなるね(笑)




イタリア的、恋愛マニュアル@映画生活

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