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寧ろ、報道が作為

朝のテレビで、派遣切りにあった派遣社員を救うために求人を出している会社は色々あるけど、家族と別れて生活したり、低賃金になったりするのを嫌って、派遣社員の応募がないと言っていた。
でも、ネットで見つけたこの記事を読むと、どうも違うようだ。

派遣切り「お助け」求人 どこも「応募は意外に少ない」 1月14日18時25分配信 J-CASTニュース

 製造業を中心にした大規模な「派遣切り」対し、慢性的な人材不足に悩む介護業界、タクシー会社、サービス業などでは、「失業救済」という名のもとに新規雇用を呼びかける動きが活発だ。しかし、各社とも「思ったほど応募が来ない」のが現状だ。情報が届いていないせいもあるが、「報じられているほど深刻なのか」と疑問視する声も上がっている。

■元派遣社員の応募は2~3人しかいない
 全国の労働局と公共職業安定所は、非正規労働者の雇い止めの状況に関して企業への聞き取り調査を2008年12月に行った。それを元に厚生労働省が試算したところ、10月から09年3月までに約8万5000人が失業する見通しであるとがわかった。08年11月の同調査では3万人と予測していたが、1か月間で3倍に急増した。
 失業者が増える一方で、厚生労働省が発表している一般職業紹介状況(08年11月)によると、相変わらず人手不足の業種もある。有効求人倍率(求人数/ 求職者数)は接客・給仕が3.1倍、介護などを含む家庭支援サービスが2.38倍、自動車運転の職業が1.22倍、建設躯体(骨組み)工事の職業が 4.10倍となっている。
 大分キヤノン、大分キヤノンマテリアル、東芝大分工場などの製造業で数百から数千人規模の「派遣切り」が行われている大分県。失業者を受け入れようと、同県にあるタクシー会社、大分第一交通(大分市)は、330人の運転手を正社員として新たに雇用すると2008年12月29日に発表した。
 多数の応募が来ており、年始から連日のように面接を行っているが、そのうち元派遣社員は2~3人しかいないそうだ。
 人事担当者は、こう語る。
  「もっと多く(元派遣社員の応募が)来ると思っていました。テレビで派遣社員が『明日から住むところがない』『所持金が数百円しかない』などと言っている割には、あれ?っという感じです」

■求人数は増えているが、紹介しても応募しない
 同社はハローワークにも求人を出しているが、応募は少ない。元派遣社員の7~8割が、前職と同じ業種を希望し、なおかつ「正社員ではなく派遣社員にこだわっている」と指摘する。
  「慣れた生活スタイルがいいのでしょうが、ハローワークの担当者からも、長く勤めようとしているのか、という疑問が出ているそうです。大分では派遣切りにあった人を救おうと、余裕のある企業が求人募集をかけている。求人数はむしろ増えているが、紹介しても応募しないと聞いています」
 タクシー運転手の給与は「水揚げ」(売上げ)により異なる。同社の場合、入社3か月間は月額18万円を保証している。一方、自動車製造業の派遣社員の給与は一般に月額30万円以上とも言われる。運転手になれば給与は下がるが、大分第一交通ではマンションを借り上げており、1人暮らしなら1ルーム、家族がいるなら2ルームというように、住む場所を提供している。
  「家族がいて何としても食いつながなければならないという人は、新しい職でもいい、とすぐに決めていく。それに比べて、テレビで報じられているような人は本当に多いのかな、と疑問に思ってしまいます」
 グループ全体で運転手1万人を新規雇用すると発表したのは、大手タクシー会社「エムケイ」(京都市)だ。08年12月12日から20日までの間に、問い合わせは160件あり、募集前の1.4倍に増えた。説明会には2倍多い150人が参加した。ところが経営企画部の担当者は、
  「説明会の参加者のうち、製造業などで派遣切りにあったという人はそんなにいませんでした」
と話し、ここも元派遣社員の応募は少ないようだ。

■介護業者「応募があったのは、今のところ1件です」
 全国143カ所で有料老人ホームを運営している介護事業会社「メデカジャパン」(さいたま市)。日産、マツダ、ソニー、日本IBMなど人員削減を表明した大企業30社(09年1月9日現在)に、元派遣社員や期間工らの受け入れを伝える案内状を送った。同社は慢性的な人員不足に悩んでおり、毎月200人程度を募集している。
 人事担当者は、
  「通知した企業から応募があったのは、今のところ1件です。それ以外での応募も特に増えていません」
と明かし、派遣先から受け入れの情報が伝わっていないのではないか、とみている。
 応募が少ないのには、給与の水準も影響していそうだ。同社の月額給与は、栃木県が18万円、九州が14万円から(残業代、手当を除く)。介護の仕事は「きつい」というイメージが定着しており、給与を下げてまでやりたくない、という人が多いらしい。
 農業や畜産業も、高齢化で人手が足りていない。1600の農家や養豚会社が所属する日本養豚生産者協議会(東京都渋谷区)は、全国の養豚経営各社で約 100人を雇用する、と08年12月25日に発表。仕事内容は養豚場での作業で、具体的には豚の繁殖・肥育育成に携わる。初任給は20万円前後。同協議会事務局長は、
  「今のところ全部で24、5人しか来ていないですね。中には派遣切りに遭い、応募してきた人もいますが、思っていたより少ないです」
 と困惑している。
 農業の場合、JAが一斉に求人募集をすることが多い。「JAおおいた」の人事担当者は、
  「大分キヤノンなどの製造業で働いていて解雇されたという元派遣社員の応募は、1件もありません」
と明かす。
 人手不足に悩んでいる業界では、「失業者が増えているのに、必要なところに人材が回ってこない」という不満の声も上がっている。
 製造業の元派遣社員や期間工がたくさん来ているというハローワーク大分。職業相談部の職員は、
  「ほとんどの人が再び、製造業で働きたいと望んでいます。その一方で、介護や接客業では以前から人手が足りていませんが、我々は『職業選択の自由』を大前提として紹介しているので、希望しない人には勧められません。うまくいきませんね」
と話しており、雇用のミスマッチをどう解決するかが今後の課題になりそうだ。
最終更新:1月15日1時5分


大分県で勤めていた人が大分県内で再就職するケースでは、朝のコメンテータ氏が言うように就職によって家族と離れなくても済む人が多いだろう。
にも関わらず応募がないというのは、就職先の場所だけが問題で求職者が少ない訳ではなさそうだ。
非正規社員という雇用形態に懲りて正規社員を希望する人も勿論多いだろうが、今後も非正規社員である派遣社員を希望する人もいるらしい。
でも、今後も派遣社員を希望するという事は、報道されるように派遣社員が悲惨なものではないという事。
朝のコメンテータ氏は、安い賃金の会社に入ったら、次に失業手当を貰うときに給付額が少なくなるから、賃金の安い職場には就職しないのだろうとも分析していたけど、働く前から次に辞める事を考えるくらいなら、現在職が無いことでもそう困ってはいないと言えるんじゃないかな。
もっとも、求人側だって“辞めるつもり”の社員を雇う気にはならないだろうしね。


> 「報じられているほど深刻なのか」
結局これが全てなのかもしれない。
人の感情に訴えるだけの報道が、事実を捻じ曲げたのではないだろうか。

報道が“悲惨”さを煽っていたに過ぎないのだろう。
“みんな困っている”と報道されているのに実際に困っていない人を見ると、報道そのものが“ウソ”かもしれないと思わされる。
でも、そうなると、本当に困っている人まで、“それほど深刻ではない”と思われてしまいかねない。


派遣「切り」の責任から逃げる、毎日新聞社の腐れ社説
こちらの記事は、本来、派遣会社側にある責任を、派遣先に転嫁するマスコミの報道意図が私のような盆六にも判りやすく解説されている。

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