- 2009年8月20日
- 01.時事寸評
常駐先の社員から「同僚チャンは、子供産まれた?」と聞かれた。
先週が予定日だった同僚チャン、実は予定より早い今月初めに出産した。
で、そんな話をしているうちに、彼の病気の話になった。
癌を患って手術をするに当たって、麻酔医の手当てが出来ない事を理由に手術の日程がなかなか決まらなかったらしい。
その病院での麻酔医は、言ってみれば“アルバイト”のようなもので、必要になったときにアサインするシステムになっていて、当然別の病院でもそういった契約を持っている麻酔医は、都合が付かなければ病院からのアサインを断るらしい。
そういえば、先日の前原民主党副代表の街頭演説の際にもアルバイト医師が増えていると言っていた。
過酷勤務が強いられる勤務医でいるより、自分の都合で勤務を決められる“アルバイト”医師でいる方が“幸せ”らしい。
外科医がいなくなる? 過酷な勤務状況で若手の外科離れが進行8月18日0時9分配信 産経新聞
産科や小児科の医師不足が叫ばれて久しいが、ここ数年、“花形”ともいえる外科医の減少が目立っている。長時間に及ぶ手術や当直など勤務状況が過酷であるにもかかわらず、報酬はそれに見合わないことなどを嫌い若い医師の外科離れが進んでいるという。こうした状況を懸念した医療関係者は、NPO法人「日本から外科医がいなくなることを憂い行動する会」を発足させた。外科医を増やすための情報発信や待遇の改善を国に訴えていくという。(長島雅子)
■じわじわ減少
厚生労働省の調査によると、平成18年までの10年で医師総数は約15%増え26万3540人。一方、外科系(外科、心血管外科、呼吸器外科、小児外科)は約8%減の2万6075人。これまで医師不足が指摘されてきた産婦人科(産科、婦人科を含む)の約6%減よりも減少幅が大きい。一方、小児科は約10%増えているものの医師不足は深刻だ。産科と小児科の「医療崩壊」の陰で外科医の減少が進行していたのだ。
外科医の中でも29歳以下の若手医師数をみると、16年の医師数は2184人で、8年の調査に比べて1000人以上も減少している。若手の「外科離れ」が目立っている。
外科医の大多数が加入する日本外科学会の新規会員数も昭和60年以降減少傾向にあるという。平成20年の新規会員は前年に比べ78人少ない832人だった。同学会は「このままでは近い将来、深刻な外科医不足が起こることは避けられない」と危機感を強める。■6割、当直明け手術
同学会が外科医1276人を対象に実施した18年の調査(複数回答)によると、外科医が考える志望者の減少理由として、「労働時間が長い」(71・9%)がトップ。これに「時間外勤務が多い」(71・8%)、「医療事故のリスクが高い」(68・2%)、「訴訟リスクが高い」(67・3%)、「賃金が少ない」(67・1%)が続く。
調査を行った大阪大学の門田守人(もんでん・もりと)副学長は「医学の進歩により手術が高度化し、医師一人にかかる負担は重くなっている」と指摘する。
同学会が18年に実施した調査(1355人回答)の結果は、過酷な勤務実態をあぶり出した。
「当直勤務明けに手術に参加しているか」との問いには、31%が「いつもある」と回答。「しばしばある」も28%にのぼり、約6割が当直明けに手術をこなしているのが現状だ。
門田副学長によると、病院に勤務する外科医の週平均労働時間は労働基準法が定める時間を大幅に上回る69時間。一方、診療所の医師は48時間。しかし、病院に勤務する医師の収入は診療所の医師に比べ約2分の1にとどまっている。
また、治療結果に不満を持った患者が訴訟を起こすケースが産科に次いで2番目に多く、リスクを伴う治療を避ける萎縮(いしゅく)医療を招いているという。■「崩壊前夜」
7月10日に開かれた「行動する会」の発足式では同会監事で東北大病院の里見進院長が「今は40代の医師が支えているが、外科医療は崩壊前夜だ」と現状を説明した。国は21年度から医学部の定員数を増やしている。しかし、門田副学長は「外科医が一人前になるには10年以上かかる。その間、外科医不足を解消するためにすべきことは多い」と指摘する。
門田副学長は解決策として、(1)勤務環境の整備(2)労働内容に見合った報酬の実現(3)医療事故が起きた場合、原因を究明する医療版事故調査委員会の早期設置-などを挙げている。最終更新:8月19日15時54分
彼と話をしていて、医者は人の命を助ける仕事をしているのだから、それなりの待遇を受けていいのでは?と思った。
医師不足は外科医に限ったことではなく、産婦人科医も同様だ。
少なくとも、“命”に関わる現場での人手不足が深刻になっている。
彼の方も同じような話をしていて、更に最初の同僚チャンの話に戻って彼は、「子供を育てるためにお金をやると言われても、産科の医師不足や保育園の不足を考えると子供を持てない。政治家も現実を見た政策を考えて欲しいよ」と言った。
確かに、同僚チャンもずいぶん前から(出産する)病院を予約していたけど、予約が難しいと言っていた。
産む前から産んだ後、保育園もともかく色々な局面で“命を預ける”医師が居ないのでは、安心して子供を産み育てる事はできない。
出産に二の足を踏む人が多く居るのも頷ける。
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