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当事者意識の感じられない親。。。

ここ数日テレビのワイドーをにぎわしているニュース。

<小6女児自殺>遺書非公表の滝川市教委を批判 伊吹文科相

 北海道滝川市の小学校の教室で昨年9月、6年生女児(当時12歳)が首をつり、その後死亡した問題で、伊吹文明文部科学相は3日の閣議後会見で、「子供が訴えていたことを公表せずに握りつぶすことはあってはならない」と述べ、遺書の公表を遅らせた滝川市教育委員会の姿勢を批判した。
 また、いじめの有無については「いじめを受けたか、受けなかったかは子どもの受け止め方もあるし、客観的に見てどうかということもある」と判断を保留したうえで、「幼い子供の動揺を出来るだけ早く見抜いて、家庭あるいは学校現場がしっかりと対応してもらわないといけない。そのためにも、(遺書を)握りつぶすのはあってはならないことだ」と繰り返した。【高山純二】
(毎日新聞) - 10月3日11時52分更新


市教育委員会は当初、「"いじめ"なんて言葉書いてないでしょ。」と学校での“苛め”の存在を否定していた。
その事に対して、マスコミ、教育関係各方面からの批判が多い。


正直言って、私には教育委員会が公表しなかった事についての意見はない。


私自身、中学1年生の時はほぼ1年間クラスメートの殆どから無視されるに近かった。
私がそのいじめに近い環境を苦と思わなかったのは、1学年9クラスある学校の1クラスの中で「無視」があったとしても、他のクラスには友人が居た事と、私を「無視」する事をクラスメートに提案した級友は、もう一方で私は勉強を教える口実で彼女の自宅にも何度か呼ばれていたし彼女と交換日記すらしていたから。
そのうち彼女が私をクラスメイトから遠ざけたかった理由が判ったから、クラスの中でのその環境を自分自身それほど深刻には思っていなかったのだろう。

学年が変わって、彼女が私と交換日記をしたり私を自宅に呼んだりしたのを知った他の級友たちが今度は彼女を「村八分」にし始めた。
「苛め」の新しいターゲットが、これまで「苛め」を指図していた人に移ったのだった。

子供の“苛め”って、苛める方と苛められる方の立場は容易に逆転する。
何かのきっかけで一瞬に立場が替わってしまう。
昨日まで苛めの首謀者だった人が今日は苛められる被害者になりうる。
そういう意味で教育委員会が「苛め」を認める事には慎重にもなるのだと思い、彼らの「逃げ」をあながち「保身」とも言えないと理解する立場にある。


でも、このニュースを聞いていて腹が立つ事がある。
「ニュースを聞いて」というより、「今朝のワイドショーで」と言うほうが正しい。

今朝のワイドショーで、
「(自殺した女児は)修学旅行で一緒に行動してくれるクラスメートがいなくて、苛めにあっているのは明白だった」
と言った“クラスメートの親御さん”がいた。

自分の子供がいるクラスで苛めがある事を知っていて、何故自分の子供に“苛め”を止めさせるように指導できなかったの?
“苛め”を止めさせると、自分の子供が新たな「苛めの対象」になるのが怖かったのかしら?
でも、次に貴女の子供が苛めのターゲットにならない保証はないのよ。

取材に「自殺したのが自分の子供じゃなかったから良かった」とでも言いたげな応答をしたその“クラスメートの親”に腹が立った。


そもそも子供は「残酷」な事を「残酷」と解らずにするもの。
小学校の高学年や中学生なんて、子供が社会性を身につける重要な時期。
そんな時期に学校で「苛め」がある事を判っていて、もしかして自分の子供が苛めに加担しているかもしれないのに親が指導しないで誰が指導するのか?
学校の先生だけで指導が可能だと思うの?

そんな当事者意識の感じられない親御さんは、「苛められているのが我が子だったら」と考えないのだろうか。。。?
って、最近じゃ、苛めている(加害者)側の子の親が、苛められている(被害者)側の子供に「あなたがウチの子を苛めている」と訳の判らない謝罪させるケースもある。
謝らなければならないのはあなたの方よと言いたい。
そんなチグハグな親がいるぐらいだから、加害者側は、親子ともども“苛め”への感覚が鈍いのかもしれない。。。


Comments:10

tobby 2006年10月 4日 09:41

色々な 事件に共通して思うのは
想像力の欠如。
それをやれば、自分はどうなるのか。
周りはどうなってしまうのか。
友達、親・兄弟・子どもはどうなるのか。
また、相手の気持ちや立場にたって考えることが
出来ない人が多くなったような・・・。
事故の場合にもいえますね。
子どもの行動を想像できない親が子どもに怪我させて
地方自治体などに、賠償請求などをするケースなど・・・

そういう思考回路が足りないというか
出来てない人たちが多いように思います。

ウーロン 2006年10月 4日 15:38

記事はしりませんでしたが、イジメについて思うところがあったので..。

息子が中学の時、野球部に入りました。
そこは、市内の特定の少年野球チームと顧問の先生が仲が良く、
それ以外から入った生徒は、イジメの対象になりやすかったようです。

一度、試合後の親と先生の打ち上げ(飲み会)に参加したことがありますが、
自分の子供をレギュラーにして貰うためか、先生に対するアピールがあからさまでとても嫌な気分にさせられました。
当然、子供達も心得たもので、親の立場が強いと実力が無い子まで
苛める側でした。
息子は何人かの苛めれる方で、やり方は今、思い出してもムカムカするくらい陰湿なものでした。

2年生の後半まで続き、1ヶ月学校に行けなくなり、ストレスから吐き気やアレルギーを発症するに至り、
野球を続けたいという息子を「どうしても続けたいなら、草野球チームでもできるからそこに入れ。」
と説得して辞めさせました。

暴力事件などもあり、先生とは何度も話し合いましたが、
もともと教師の資質も無い人が先生になってたようなものなので解決には至りませんでした。
その先生が最後に言った言葉は「どうせ、イジメは無くなりませんから。」です。
今、先生はその学校の教育指導をしています。

息子は、野球部を辞めた後、地元の草野球チームに入り、5年経った現在も楽しく続けて居ます。
体調もすっかり良くなりました。

ですが、親子ともあの2年半の嫌な思いは残っています。
苛める側の子供、その親、教師。
学校という閉鎖された世界で、一歩間違えたら、という恐怖を何度も味わいました。
私たち親子は運良く乗り切れて絆が強くなりましたが、イジメ自殺のニュースを聞くたび、
嫌な記憶が蘇ります。

COO 2006年10月 5日 00:34

>tobbyさん
 私もそう思います<想像力の欠如
 想像する事ができないから、他人に対して思いやりのない事ができるのでしょうね。
 
 でも、
 想像力を養うというのは、知識とちがって教えれば身につくというものではなく
 ある程度の訓練が必要なので、即効薬がないのが残念です。


>ウーロンさん
 取り返しのつかない事になる事なく乗り切られて、本当に良かったです。

 子供社会は大人社会の縮図という側面があります。
 また学校というのは大人の少ないので、
 所謂大人の社会から隔離されている学校(教師)というのは一種偏った社会だったりします。
 そんな環境を考えると、学校や教師に子供の生活面を含めて多くを望むのは難しいことじゃないかと思います。

 でも大人が歪んでいるからと、子供にしわ寄せがいっているのは許せないですね。
 子供を守るべき大人が、子供を苛めるなんて。。。


 

BlogPetのQooQoo 2006年10月 5日 12:29

きょうQooQooが毎日新聞と村八分を保証した。

QUMRAN 2006年10月 5日 19:29

苛めや自殺・・・後を立ちませんね。 やるせない気持ちになります。
しかし、いつも思う事は、なぜ、安易に自殺を選んでしまうのかということ。
命の現場にいる者としては、正直、許せない気持ちでいっぱいです。
生きることの難しさ、生きることの大切さを引き継いで、それを教えるのが、
大人の役目だと思います。人は、ひとりでは生きられないのだから。

COO 2006年10月 6日 00:02

>QUMRANさん
 命の現場におられるQUMRANさんの立場では、
 自殺を選択する事を許せないと思われても当然でしょうね。
 ただ、本人にとってはその選択は、必ずしも「安易」ではなかったと思います(思いたい)。

 確かに、大人も子供も「命」を大事に思わなくなった風潮はあります。
 「生きる意味」を見失っている風潮もあります。
 それはなんとかしなければならない社会風潮だとは思いますが、
 お母さんに「先に死んでごめんなさい」という子が
 必ずしも命を軽く考えているとは思えないのですよ。。。
 幼い心では、死しか選択肢がなかったのじゃないかと。。。

 苛めの“復讐”といって人を殺す人には、ちょっと思うことはありますけどね。

QUMRAN 2006年10月 7日 23:36

自殺を選択する時って発作的にしてしまったり、あるいはじっくりと考えて実行したり、ふた通りあるのではないかと思います。子供の場合、私はじっくりと考えて実行したとは思えないのです。
自殺をする前に、なんらかのサインがあったと思うのですよね。しかし、そのサインを誰も感じてはくれなかった。一番身近にいる両親さえもわかってもらえなかったと思う気持ちが、もしかしたら、発作的に自殺を選択したのではないかと・・・。事件の本質が見えてこないので、何とも言えませんが。
もし、私の子供達が「死」を選択したとしたら、私は非常に後悔しますね。子供達に命の大切さを教えられなかったという事、子供達の心を受けとめて守ってあげれなかったという事、医療者としてではなく、親として、人間として、そう思います。 自分がいなくなれば事は終わる、あるいは自分が楽になる、っという気持ちで自殺を選択することは、やはり、私には安易な選択という表現しかできないですね。 冷たい言い方かもしれませんが・・・

COO 2006年10月 8日 00:11

>QUMRANさん
 子供を死なせてしまった親御さんはご自身を責められるのでしょうが、
 子供自身は親に知られまいとする事も多いと思いますよ。
 「親は関係ない」と思う子供も居るでしょうが、
 子供は子供なりに「親に心配をかけたくない」と思うものです。
 身体に痣があったり体調不良などの形で外からみてはっきり兆候がある場合を除いて、
 親御さんが、苛めに関して当事者である子供の悩みを知る事は難しいのじゃないでしょうか。。。

 今回の場合、自殺した女児は事前に友人には「死ぬしか今を逃れる方法はない」と相談していたようですが、
 いかんせん相手も小学生の子供です。
 その子が言っているように「まさか本気で死ぬとは思わなかった」と思って、誰にも言わなかったのも解ります。

 親には話したくない、友達では解決できない
 そんな状況に陥った子供が“死”で問題解決する事を、
 「弱い」とか「命の大切さをしらない」と責める事はできないような気がします。
 12歳の子供にとっての「“命があるから”逃げられない(=問題が起きている)」事に対しての
 解決策を教える事の難しさだとは思いますが。。。

 例えば彼女の死をきっかけとして家庭で話をすることで今後の予防にはなると思いますが。。。

 エントリーに書いた事とはまったく別件で、
 「このまま私が居なくなったら全てが丸く終わる」と考えた経験がある私には、
 死を選らんだ彼女を責める事はできないのです。
 私の場合は、私の大切な人が“悲しむ”事が抑止になって、
 あちらこちらに迷惑をかけながら“事態”を受け止める事にしたのです。
 それで迷惑をお掛けした方には、今でも私が「死んでくれれば丸く収まるのに」と思われているかもしれませんが。。。(^_^;
 でもこの程度の事は、公開されている“遺書”を読む限り亡くなった女児も解っていた事すよね。


 「命の大切さ」を教える事はもちろん大事ですが、
 こういう子供たちに先ず親がすべきは、 
 「親に心配をかけたくない」という優しい子供心を
 「親には心配をかけてもいい」と、解きほぐす事なのかもしれません。

QUMRAN 2006年10月 9日 01:42

安易と表現しましたれども、命の大切さをしらない・・・とは言ってはおりません。
また、亡くなられた彼女を責めたりもしておりません。今までの経験の中で、また、精神科の経験を経て、私自身が感じた事です。もちろん、私自身も苛めの経験もありましたが・・・。

彼女の死が無駄にならないように、今後こういう事が起きないように、「命」の大切さを
教えていきたいですね。

COO 2006年10月10日 23:01

>QUMRANさん
 精神科の経験もなさっいて、私に比べればずっと知識が豊富なのですから私が意見を述べるは僭越ですね。
 ただ、自殺する子供たちは、決して命を粗末にしている訳ではないと思うのですよね。

 先日、日光の自然観察センターで、
 落ち葉を持ち帰えってきた年配のご夫婦に係りの方が、
 「ここは国立公園なので本当はいけないのですが、
 せっかくですから押し花にして大事にしてください。
 本来あるべき場所以外の場所で朽ちさせてしまうのは、命を粗末にすることになりますから」
 と言っていました。
 そういう意味では、我々みんなが亡くなった方のことを忘れない事が、
 事件を風化させない事が、本当に「命を大事にする」事なのでしょうね。

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