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政府って、国益を考えなくていいのか?

年が押し迫ってきていて気ぜわしい中、気になるニュースが2つ。
とりあえず、クリップだけ。


全国学力テスト成績どう扱う? 文科省は情報管理徹底
12月16日8時5分配信 産経新聞

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の成績公表をめぐる問題で、文部科学省は15日、都道府県が市町村や学校名を明らかにした成績公表をしないとした実施要領を来年度も維持した上で、実施要領に基づく情報管理の徹底を関係者に求める方針を専門家検討会議で示し、了承された。
 平均正答率を市町村名とともに公表した大阪府や、情報公開条例の改正を目指す鳥取県など、一部の自治体の実施要領に反する動きを牽制(けんせい)する意味合いもあり、今後議論を呼びそうだ。
 文科省は同会議で示した実施要領の改善事項で、調査結果の取り扱いについて「平均正答率にこだわるのではなく」と点数の独り歩きに対する警戒感を示し、「序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮する」とした現要領の考え方を維持するとした。また、「各教委、学校は実施要領に基づく調査結果の適切な利用及び管理を徹底すること」と明記した。
 会議では「将来的には正答率を学校名とともに公表すべきだ」との意見も出たが、「下位の学校にレッテルが張られるおそれがある」とする見方が大勢だった。来年度の実施要領は年内に策定される。
最終更新:12月16日8時44分

テレビで文科相が「以前のような過当な詰込み教育を招いてはいけない」と、学力テストの正答率を公表しない理由を言っていた。
そうなの?
正答率を公表されるから過当な詰込み教育を招くのではなく、「ゆとり教育」を隠れ蓑にしていい加減な教育をしてきた結果を国民に知られるのが怖いだけでしょ?
学校間で正答率に差があったとして、それは教師の質に学校間の差があるって事でしょ?
子供に差がないとは言わないけど、対象が小中学生なら、勉強に興味を持たせられない“教える”側に問題が大きくあるのだと思うよ。





空自 イラク撤収開始 献身が生んだ「犠牲ゼロ」 12月16日8時1分配信 産経新聞

 イラクでの任務を終えた航空自衛隊が15日、撤収を始めた。3機のC130輸送機のうち最初の1機が、日本に向けてクウェートのアリアル・サレム飛行場を出発。情報収集で、バグダッドの多国籍軍司令部に派遣されていた隊員5人も帰国した。これまでの国際活動より格段に危険だったイラク派遣では、C130がロケット弾の標的になりかけたこともある。民主党のイラク特措法廃止法案は士気に影を落とし、有能なパイロットが自衛隊を去った。1人の犠牲者も出さずに5年の活動を完遂した裏側で何が起きていたのか。(半沢尚久)


 米中枢同時テロの発生日と同じ9月11日、町村信孝前官房長官は、唐突に空自撤収方針を表明した。
 実は前日の1本の公電がきっかけだった。
 《イラク政府は多国籍軍のうち(米英豪など)6カ国を残し、ほかの国は撤収させる意向だ》
 米政府は公電に記し、日本が6カ国に含まれていないことを公表するとも伝えてきた。主体的判断にこだわる日本政府は待ったをかけ、慌てて撤収方針を表明したのが真相で、出口戦略のなさを象徴している。

 ■間一髪
 空自のC130が攻撃を受け、被害が出たケースはない。だが、隊員が肝を冷やす場面はあった。
 C130がバグダッド空港を離陸後、15分遅れで離陸し、同じルートを飛行した米軍機が対空砲で攻撃されている。同空港の滑走路で要人を乗せて待機中、C130の上を4発のロケット弾が飛び越えていたことも弾道計算で判明した。
 「非戦闘地域」ではあったが、「治安が悪化した時期には、バグダッド空港への攻撃は月に30件ほどあった」(自衛隊幹部)。クウェートを拠点にイラクの南部アリ、中部バグダッド、北部アルビルに国連や多国籍軍の人員、物資を輸送した空自部隊にとって、最も危険度が高かったのは同空港だった。
 着陸直前、同空港へのロケット弾攻撃が起き、パイロットが着陸の判断を迷ったこともある。「隊員やC130が1発でも撃たれれば撤収論が巻き起こる」(同)。空自部隊は“完全試合”を求められていた。

 ■高評価
 真夏の気温は50度で、エンジン始動前のコックピットは70度にも達した。とりわけ過酷な任務は、クウェートのアリアル・サレム飛行場からバグダッドを経由し、アルビルを往復する7時間のフライトだった。その都度、パイロットは3キロやせたという。
 「軍法もないのに規律正しい」「C130の稼働率はほぼ100%で、信頼性は群を抜いている」
 空自の働きぶりは多国籍軍からの評価も高かった。飛行の技量や信頼性に加え、注目されたのが士気の高さ。米軍の輸送機は、9機のうち修理などの影響で稼働しているのは5機程度だが、空自は徹夜の整備も辞さず、常に全3機が飛行できる状態を維持したこともその一例といえる。
 こうした任務の陰には隊員の献身があった。機長クラスでは派遣回数が5回という隊員がざら。派遣されている間に親が亡くなり、最期に立ち会えなかった隊員も16人にのぼった。

 ■揺らぎ
 「隊員の士気にボディーブローのように効いた」。2度の派遣経験のある空自幹部がそう指摘するのは、昨年10月のイラク特措法廃止法案提出と、バグダッドへの空輸を違憲とした今年4月の名古屋高裁判決だ。その2つを機に、基地にデモ隊が押し寄せ、官舎に批判ビラがまかれた。「パパは悪いことをしているの?」。妻や子供は疑心暗鬼になり、隊員も揺れた。
 実際、廃止法案提出を受け、1人の輸送機パイロットが退職。「自衛隊の任務は正しくないのかもしれない」。退職願には動揺と戸惑いがつづられていた。
 「献身的に支えてくれたご家族に感謝します」。先月、ゲーツ米国防長官から浜田靖一防衛相に届いたメッセージの一文だが、任務終了決定を受けた麻生太郎首相談話では、家族へのねぎらいはなかった。「家族へのいたわりを怠り、自衛官の使命感に頼り切っていると国際任務は破綻(はたん)しかねない」。防衛省幹部はしみじみと5年を振り返った。

【用語解説】イラク空自派遣
 イラク復興支援特別措置法に基づき、空自は平成15年12月に先遣隊を派遣、翌16年3月から輸送活動を開始した。クウェートを拠点にイラクの首都バグダッドや北部アルビルに国連や多国籍軍の人員、物資を輸送。約210人の隊員がC130輸送機3機で任務にあたった。空輸実績は821回、輸送物資は約673トン。政府は撤収理由として国連安保理決議が年末で切れることや、イラクの安定化傾向を挙げた。
最終更新:12月16日8時38分

別のニュース記事ではこういうものがあった。

「国際活動で初心者卒業」 イラクの空自指揮・織田邦男空将に聞く 12月16日8時5分配信 産経新聞

 イラクからの航空自衛隊撤収を前に、航空支援集団司令官として約2年半、派遣部隊を指揮した織田邦男空将が産経新聞の取材に応じた。危険を伴うイラクでの任務を終え、「自衛隊から若葉マークが外れた」と指摘。今後の国際協力活動では、一層の「国民の理解と支持」が欠かせないとの認識も強調した。一問一答は次の通り。

 --5年間のイラク派遣を振り返って

 「カンボジアPKO(国連平和維持活動)派遣から16年。危険性のある地域で軍事組織にしかできない任務をこなし、多国籍軍の中で“実技試験”にも合格した。国際協力活動で自衛隊から若葉マークが外れた」

 --指揮官として心を砕いたことは

 「派遣隊員の高い士気と厳正な規律をいかに維持するかだ。平成18年7月からバグダッドなどに活動範囲を広げ、危険性は格段に増した。身の危険を感じてまで遂行すべき任務なのかと疑問がわくと、隊員の戸惑いにつながると危惧(きぐ)した」

 --士気と規律をどう維持したのか

 「イラク派遣の大義名分を明確に伝えた。身の危険を感じる任務に送り出す場合、大義名分と現場感覚を一致させる必要がある」

 --具体的には

 「大義名分は(1)イラク復興支援(2)国連加盟国としての義務(3)中東の安定は日本の国益(4)安定した原油調達への活用(5)日米同盟-が挙げられるが、現場感覚としては日米同盟だ。米軍と一緒に汗を流すことで連帯感を高め、日米同盟の強化につながっているという大義名分を浸透させた」

 --派遣での教訓は

 「情報の重要性を痛切に感じた。治安と掃討作戦に関する情報がなければ危険で、輸送は行えなかった。そもそも派遣準備の段階では、脅威情報や装備について米側からの情報は少なかった。日米首脳会談(15年5月)での自衛隊派遣方針の表明、イラク特措法成立(同年7月)で本気だと理解され、米側からの情報は質量ともに激変した」

 --今後の国際協力活動に向けて

 「隊員は喜んで赴いているわけではなく、嫌なら自衛隊を辞められる。非戦闘地域とはいえ、リスクもかなりあった。若葉マークが外れた自衛隊の国際任務は今後、いっそう難しいものになるだろう。大義名分を与え、危険のある任務だからこそ自衛隊に一肌脱いでほしいという国民の理解と支持が不可欠だ」

 軍事アナリスト、小川和久氏の話 「約5年にわたる自衛隊のイラク派遣で、国際平和協力への日本の取り組みを世界に示すことができた。ただ、政府がイラクの復興支援には自衛隊が不可欠と当初から明確に打ち出さなかったため、相変わらず米国の軍事行動に追随したと誤解されて語られることが多い。世界平和をうたった憲法前文の精神を具現化するには、迅速、効果的な国際平和協力の実施が望ましく、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法の整備が必要だ」

最終更新:12月16日8時39分


国際貢献を言いながら、「(自衛隊が)国際貢献に出向くのは違憲だ」と国を背負って国際貢献するその本人の背後から銃で撃つような国。
こんな国の為にダレが働きたいと思うのだろうか?
危険な紛争地域だからこそ武器をもって自らを守る力のある自衛隊がイラクに赴くべきだと考えていたけど、寧ろ名古屋高裁の判事や民主党議員こそがイラクに行くべきだったのかもしれない。
彼らなら武器を持たず、憲法に違反せずに(?)国際貢献できるらしいものね。

自衛官の“使命感”に頼り切って居るというのに、その気持ちに報いるどころか「違憲判決」とか「法案廃止」でしか報いることができない政府って、本当に国益を考えていると言えるのか?

Comments:2

まる 2009年2月11日 14:53

小川さんは、良い事言うなぁ〜♪特に下3行。

COO 2009年2月13日 01:43

>まるさん
 世に出ているジャーナリスト、コメンテータにはバランス感覚の無い人も多いですが、
 元自衛官だったという事を抜きにしても、
 小川氏はバランス感覚の優れた意見を言いますよね。

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