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女性天皇・女系天皇の是非を問う ?

毎日配信されるメルマガに、「女性天皇・女系天皇の是非を問う」なんて記事があったので思わず読んだ。

女性・女系天皇容認で議論呼ぶY染色体論とミトコンドリア


皇室典範有識者会議の最終報告で、「女性天皇」ないし「女系天皇」を容認する方向がはっきり打ち出された。

世論調査の数字を見ると、国民の大半がそれに賛成しているようである。朝日新聞調査で女性天皇容認78%、女系天皇容認71%、男系維持すべし17%。しかし、一部に強く反対(ないし疑問視)する声があがっている。

反対者の主たる論拠は、「伝統」である。


女系容認は天皇制の根幹を変更することになるのか

天皇制は二千数百年にわたって男系相続によって維持されてきた。それをここにきて、女系容認に切りかえてしまうということは、天皇制の根幹を変更することを意味するが、それでよいのかという主張だ。

短兵急にそれほど大事なことを決めてしまう前に、もっとなすべきことがあるのではないか、ということで、いくつかの男系相続維持のための方策が提案がされている。

主な反対論者は、三笠宮寛仁、平沼赳夫前経産相、渡部昇一(上智大名誉教授)、小堀桂一郎(東大名誉教授)、八木秀次(高崎経済大学助教授)などの保守派論客たちだが、その見解は大同小異である。

要するに、ここまで男系がつづいてきた万世一系の天皇制を維持するために、男系の血の流れを拡大せよということなのだ。

具体的には、男系の血の流れを確保するために、歴史的に活用されてきたさまざまの方策を復活させたらどうかということで、その一つは側室制度を復活させること、もう一つは、戦後一挙に縮小(11宮家を廃絶)された皇族制度を復活させることだ。

前者は、社会的に拒否反応が強く出るにちがいないということで、最近、大声でとなえる人は少ないが、腹の中では、それを復活させるべきだと思っている人が少なくないはずだ。



Y染色体の話で言えば、現代日本人の殆どが天皇家のY染色体を持つという。
神武天皇のからのY染色体を引き合いに出すのだから男系を支持する人達は、日本人の殆どが神武天皇の“男系”の子孫に属するとの認識があるのだろう。
極論すれば、男系支持者にとっての“天皇”後継議論は、極論すれば天皇家を“産み”の道具とするか、或いは自分の子供を天皇にしたいと思っているのかのどちらかって事。
って、平たく言えば、自分も含めて誰が天皇になってもイイと言っているのよね(笑)

男系支持者がその拠り所にしている神武天皇は天照大御神(神話の世界では女性神で、最近の男系支持者は“男性神”だと言い始めている)の孫であることを理由に皇家の祖とあがめ、神武天皇が“権威ある女性”を皇后として迎えなければ“大王”として認められなかったという神話内の“事実”を無視する。
さらに、継体天皇の前後の“血”の断絶も無視。
都合の良いところだけチョイスして男系があたかも科学的な継承であるかのような理論を持ち出しても、その説得性は薄い。
逆に、男系をあくまでも言うならば、Y染色体を受け継いでいる日本の殆どの男性が天皇になりうると言う事を無視しているのは何故?

貴方が天皇になりたいのですか?
それとも、貴方のお子さんを天皇にしたいのですか?
いや、貴方のお子さんを天皇家に差し出す覚悟はありますか?


で、Y染色体は代が進むと共に薄まる。
逆にミトコンドリアは、ほぼ完全な形で娘に継承される。
“遺伝子”と言う議論を持ち出すのであれば、(立花隆氏が言うように)女系の方が資格者だよね。
って、此処まで、形而上で継ぎ接ぎだらけの男系が継承された現在は、女系であっても天照大御神のミトコンドリアを受け継いでいるとはいえないけどね。。。(笑)


Comments:8

まる 2005年12月 2日 00:09

万世一系男系の伝統を2600年間守り続けている清く正しい血筋の、、、、云々とは
思ってないので、なんだかアホらしい。

天皇が、本当の意味で天皇としての権力があったのは平安時代の初期まで、後は
その時の権力者にいいように利用され、時々は抵抗しているが、、、江戸時代なん
かは、殆どかざり、表舞台には出てきませんよ。庶民もその存在なんか興味無かっ
たと思うし。
だいたい、全国民(と言う認識も昔は無かっただろうが)が「天皇」というものを意識し
て崇拝した時代ってのは、たかだか、明治以降の100年足らず。
21世紀になっても、1億何千万人の大半が自分で意志で天皇家を支持しているのだから、それにふさわしい天皇像を築きあげるもの必要じゃないっすかね。
そこらで世俗にまみれた旧宮家が復帰して、「はい天皇になります!」と宣言して
1億何千万人が支持しますか????
すごーく疑問。

COO 2005年12月 2日 03:17

>まるさん
 天皇家が権力を持っていたのって平安の一時期であって、
 それ以前は今の純ちゃんより権威も権力もなかったようですよ。

 天皇が“神”になったのは、仰るとおり明治になってからなので、
 権威の伝統でいうならば100年ちょとの事ですよね。
 でも、30年しかない“専業主婦”の歴史を“日本の伝統”と言う人もいるのですから
 (天皇を神と崇め始めた)100年(の伝統)というのは“有史以来”の伝統と錯覚する人も少なく無いのでしょうね。


 ここにもコメントを下さった方が仰るように、世俗にまみれた旧宮家であっても
 “男系”と言う事に価値を置く方々も1億2千万の2割り近くはいらっしゃるのですよね。。。
 でも、“血”の濃さでは、そういった方々の方が“旧宮家”で「天皇になりたい」と言っている人より天皇家に近いかもしれないのに。。。

COO 2005年12月 2日 03:29

男系論者は
自分の息子を天皇家に差し出すつもりがあるか、
自分の娘を天皇や東宮の“側室”として差し出すつもりがあるのだろうね。

日本人の殆どが天皇家と“血(=染色体)”のつながりがあるといわれている現代で、
血の継承を言う人は自分の息子が天皇になる可能性を知って議論しているはずだし、
天皇家の嫡子に男子が殆どないことを知って、(あくまでも)“男子継承”を言うならば、
自分の娘を天皇家の“側室”として、その子供を自分が抱くことは無いと言う事も受け入れられる人なのだろうね。

まさか“雰囲気”で議論しているわけではないよね?
まさか、“自分には「関係ない」”と思っての議論ではないよね?
彼らの議論を見ているとても無責任に感じるけど、私が“無責任”と感じるのは思い過ごしだよね。。。?

おほほ 2005年12月 2日 15:50

突然おじゃましますm(__)m

ここにきてちょっとホッとしたあまり、コメントさせていただきます。
この問題で検索をかけると、もうウジャウジャと「男系熱烈支持派」のHPやブログばかりがヒットするので、
恐ろしいやら暗澹たる気分になるやらで眩暈がしてたのです。

私は「皇室大好き人間」ですし「歴史ヲタク」なのですが、
「男系天皇支持者」の論調には呆れるばかりです。
私は「愛子様かわいいっ♪」なんて気分で女系を支持している訳でもなく、
側室復活だの元宮家復活だの、女性皇族全て残留だの(ここだけは有識者会議の結論についてですが)、
国民の負担をこれ以上増やすな!!
と思うからこそ「女性も認めろよ」という考えがあります(女系支持理由のひとつ)。

まるさんがコメントされているように、
そもそも日本においては実際の天皇家というか、
天皇の位に就ける人の条件は、
「(男系で)天皇の子息、もしくは孫などの近親の皇子」で、
「母系では時の権力者の血統」もしくは「時の権力者にとって都合のいい血統」
と母系の血筋がとても重要だったのですよね。

裏返せば天皇家というのは「権力者の女系統」とも言えるのですよね。

まるさんの
>「そこらで世俗にまみれた旧宮家が復帰して、「はい天皇になります!」と宣言して
1億何千万人が支持しますか????

に大賛成なのですが、COOさんがおっしゃるように「男系だからそれでもOK」という方々が騒いでいるんですよね。

まる 2005年12月 2日 21:41

あははは、「Y染色体論とミトコンドリア」とか持ち出しているんですね。
あたしゃ、古事記の様な"現代の常識から逸脱した"所謂、神話を受け継いでいる
天皇を支持したいですね。
ギリシャ神話とかに近いお話じゃないですか。そんな神話が継続してなんだか途中
は怪しいけど、色々曖昧な事柄を経て、今の天皇家があるのと言うのが良いじゃな
いですかー。
「Y染色体」とか「ミトコンドリア」とかの現代科学の視点から議論して欲しくないなぁ。
誰も、本当の事なんか知らないですよ。
万世一系男系なんて、明治以降の天皇を神にする為の発案かもしれんし。

COO 2005年12月 3日 01:35

>おほほさん
 いらっしゃいませ

 > 天皇の位に就ける人の条件は、
 > 「(男系で)天皇の子息、もしくは孫などの近親の皇子」で、
 > 「母系では時の権力者の血統」もしくは「時の権力者にとって都合のいい血統」
 > と母系の血筋がとても重要だったのですよね。

 そうですね。
 天皇の長男であっても、東宮になるには母方の出自が重要で、
 天皇家や摂関家に近い事が重要条件、
 さらに摂関家であっても、その時勢いのある父親をもつ(後ろ盾にする)女性の子でないと
 東宮になることは出来なかったのですものね。
 一夫一婦でもなく、倫理観も現代と異なる時代には
 子供というのは、“母”だけが確かな血のつながりで
 “父”というのは“血”の繋がりは不確かなものでしたから。。。


>まるさん
 > 万世一系男系なんて、明治以降の天皇を神にする為の発案かもしれんし
 その通りですね(笑)

 Y染色体の話は旧竹田宮家の子息が自身の皇位継承の正当性を証明するために持ち出した議論らしいですね。
 まぁ、それに同調して男系でないと有難くない なんていう人が多く居るのも不思議です。

 日本の天皇家は、神話の時代から続いている(と言われている)世界唯一の王家というだけでも充分意義があると思うのですが、
 天孫が祖であると言う非科学的な事柄を拠り所にするならば、徹底的に非科学的であるほうが潔い感じがしますね(笑)

あれま 2005年12月 3日 23:11

Y染色体の話は科学と神話の融合のようでなんだか楽しいですけどね。

ところで
>Y染色体の話で言えば、現代日本人の殆どが天皇家のY染色体を持つという。

というのはいったい誰が言っているのでしょう。立花隆さん?

Y染色体は父親から息子にしか伝わらないので、自分の父親の父親の父親……とたどっていって天皇の誰かにつながる人が1億2千万の「現代日本人の殆ど」とは信じられません。
どっかで渡来人の誰かにつながっていたり、天皇でなく地方豪族の係累だったりする人の方がずっと多いと思いますが。
まあ万単位のクラスターでいるのは間違いないでしょうけど。

>で、Y染色体は代が進むと共に薄まる。
>逆にミトコンドリアは、ほぼ完全な形で娘に継承される。

これも誤解があります。
男系をたどる限りY染色体はそのままの情報が継承され薄まることはありません。
あるのは「薄まる」のではなくて途中で別のY染色体に置き換わることです。
男系維持論者がこだわるのもここですね。「それは皇統ではない」という理屈です。これを突き崩すのはなかなか骨です。

 ミトコンドリアも「ほぼ」じゃなくて突然変異とかなければそのものが継承されます。(現代の人類は全て6人のミトコンドリア・イヴの子孫だそうです)
 継承できるのが「母親」だけなので女系でしかたどれないですが、継承されるのは娘だけじゃなくて、息子もおなじミトコンドリアを持ちます。
もし皇位継承が女系原則だったら、母親が天皇であればミトコンドリア的には男性天皇の即位は「あり」です。

>“遺伝子”と言う議論を持ち出すのであれば、(立花隆氏が言うように)女系の方が資格者だよね。

一番最初の時点で「男系継承」を選択した以上、少なくとも遺伝学上は女系の意味は全くありません。
ただ制度的に女系を選択するのは男系以上に困難だったでしょう。
アマゾネスみたいに意図的に生まれた男子を殺してしまうような極端な制度を採らない限り。

個人的には皇室典範なるものは天皇家の家訓みたいなものと認識していますので、皇族の中で勝手に決めてくれてかまいませんが、建前上は法律なんですよね。なんか変な感じもします。

天皇の本業は日本が怨霊に祟られないように祈ることで(いやマジで)、一般庶民の生活には殆ど関係ありませんからどうでもいいといえばどうでもいいです。

ただ、第2の南北朝時代を招くような中途半端な制度改革をするくらいなら、立憲君主制を止めて完全共和制にした方がマシ、と思っております。

COO 2005年12月 5日 00:03

>あれまさん
 > ところで
 >>Y染色体の話で言えば、現代日本人の殆どが天皇家のY染色体を持つという。
 >というのはいったい誰が言っているのでしょう。立花隆さん?

 いえ、立花隆さんではないです。
 もう20年前、私が学生時代に読んだ論文(?)だったかしら?
 今となっては出展は明らかではないです。

 よく考えるとY染色体というのは記憶違いのようですね。
 多分、“遺伝子”だったのでしょう。

 > まあ万単位のクラスターでいるのは間違いないでしょうけど。
 ギネスブックで認定されている世界最長の系譜である孔子の家系が孔子から現代までで82代で
 子孫の総数が約300万人だとか。
 勿論その全てが男性であるはずはありませんが、“遺伝子”という概念で300万人と言う事ですね。
 孔子より160年早い生まれの神武天皇が、その系譜が孔子のほぼ1.5倍の125代だと言う事であれば
 その数は万人とは言わず、数千万人の数に上るのでしょうね。


 私はミトコンドリアの祖は2人と聞いています。
 日本人の中にある“突然変異”が“お酒を飲めない”と言う人だと聞いて意外な気がしたことを覚えています。
 それ以前に、日本人って世界でも有名な“お酒を飲めない人種”だと聞いていたので。。。
 で、男性には完全な形での継承はないと聞いていますが、男性も完全な形で継承するのですか?

 なんて、こんな議論もいささかむなしい。
 父親が娘に対して「この子は自分の遺伝子を継いで居ない」なんて思う訳もなく、
 それは息子であっても娘であっても違いはないと思うのですよね。
 同様に、母親が息子に対しても娘に対しても“自分の子供”だと思うと思います。
 なぜ、そこに男系でなければ遺伝子が継承されないなどという議論が持ち出されるのでしょうね。


> ただ、第2の南北朝時代を招くような中途半端な制度改革をするくらいなら、立憲君主制を止めて完全共和制にした方がマシ、と思っております。
 私は天皇制維持に対する支持をしますが、
 男系を支持する人は、究極は(男系が維持できないのであれば)天皇制を廃しても良いと思っているのではないかと思います。
 それって、現状で言えば純ちゃんが国家元首になるようなもの。
 勿論、純ちゃんは首相なので“国家元首”ではないですが、純ちゃんは国民から選ばれた人が国家元首になるべしという考え方の持ち主と聞いています。
 (って、これも古い記憶で、出展は明らかではないですが。。。)
 天皇制を廃して共和制にする。。。それが純ちゃんの望む姿なのでしょうね。。。
 

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