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先行きお寒い感じ

1日の東証のシステムトラブルに関して東証から原因報告のアナウンスがあった。

投資家及び関係の皆様へ

-11月1日の株式・CB売買システムの不良原因について-

原因
システム不良が生じた原因は、以下のとおりであることが判明いたしました。
今般実施した売買システムの注文処理能力の増強対応において、当該対応に係る作業中、参加者データファイルに関するプログラムに以前から潜在していた不良(バグ)を発見したため、富士通において、10月9日、当取引所が確認のうえ、当該箇所の修正を行いました。この後、10月13日に、修正後のプログラムを売買システム中に正規登録する作業に際し、富士通から作業担当である株式会社東証コンピュータシステムへ送付した当該作業に係る資料において、必要な項目の一部について記載漏れがありました。この結果、正規登録後のシステム構成が正規プログラムと旧プログラムが混在する誤った構成となり、10月31日のディスク圧縮整理処理において、当該システム不良が発現することとなりました。

(略)

今回のシステム不良の原因は、正規登録作業を行うにあたり用いた資料の記載が一部欠落していたということですが、私どもとしては、当該資料に記載漏れが生じた原因を明らかにするよう、メーカーに求めるとともに、私ども自身が、そうしたシステム不良に係る防止体制を今までメーカーに厳しく求めてきたのか否か、あるいは、メーカーの作成資料の内容の誤りに気づくことができなかったのか否かなどを検証しなければならないと考えております。

トラブルの時、インドに出張中だった鶴島社長は、帰国後の会見で「第1義的な責任は東証にある」と言っていたけど、この報告を読み限り、責任は富士通が大きいと言いたそうなのが感じられる。

でもね。
東証のシステムを管理・運用しているのは東証コンピュータシステムって会社。
富士通は東証コンピュータシステムにプログラムを納めているのだから、富士通は東証コンピュータに対しては瑕疵はある。
でも、東証を利用する客に対して責任を負うのは東証自身であって富士通ではない。
そして東証に対してシステム運用の責任を負うのは東証コンピュータシステムでしょ。
なんか勘違いしていない?

東証コンピュータシステムが東証の管理下にある会社だから、東証と東証コンピュータシステムとを1つと見なして富士通に責任があるといいたいのかもしれないけどね。
でも、システムを管理し運用している会社が、プログラム作成側作った運用指示書の不味さを指摘できないのだとしたら、その管理・運用会社のスキルの低さが責められるのでは?
本来は、プログラムは東証コンピュータシステムの仕様の元作成されるはずなのだから。
仕様もお任せだったとしても、検収したのは東証コンピュータだからね。


あぁでも、あの会社。。。
97年のトラブルの時も、トラブルが未だ収束していないのに、職員がのんびりと昼食休憩を取るような会社だった。
私はその時、同じビルにいたのだけど、彼からはトラブルの緊迫感なんて何も感じられなかった。
お役所にも似た会社の体質からくるものなのか、彼ら自身のスキルや責任感の低さからくるものかと当時思った。
今も、社風や職員のスキルが変わっていないって事なのかな。

これが世界第2位の取引量を誇る証券取引所を支える人達だなんて、なんだか先行きお寒い感じね。

Comments:4

ゆりかりん 2005年11月 8日 07:11

インド人に任せて置けば良かったのに・・・。

COO 2005年11月 9日 02:26

>ゆりかりんさん
 機能間のコミュニケーションをとるには、やはり同じ言葉が必要なのですよね。。。
 インド人ってアメリカ(的)文化で日本語とのコミュニケーションはかなり難しいみたいです。

 って、インド人って人件費が高いのですよね。
 日本人の安いところを使うよりインド人技術者の方がコストが高いです。
 で、このあたりの企業は、より安い中国人を使うケースが多いですね。
 まぁ、このプロジェクトで中国人は使っていないと思いますけど。。。

ヨシムラさん 2005年11月 9日 06:28

金融関係はその国ごとにルールがイロイロなので、オフショア開発はまだあまり進んでいないよーですね。今回はたまたま富士通でしたが、その他の大手も体質は似たよーなもんで、個々の人達が責任感なんて大して持ってないでしょう。今回は月締め処理後の状態を取り込む部分に不具合があったとゆー事ですが、大概のシステムで月締め処理は鬼門な割に、あんまりテストされないのが不思議です。まぁメンドクサイんですが。

COO 2005年11月10日 01:54

>ヨシムラさんn
 大手証券会社のシステムは、中国やインド、韓国に発注している例もありますね。
 ただ、やはり日本のルールを理解してもらうのは難しいので、
 仕様の詳細まで日本で詰めて、プログラム作成を任せるという感じです。
 でも、インドや韓国は人件費が高いので、
 日本で発注した方が安上がりになるケースもあります。

 それに金融関係ってシステム開発の場所にも金融庁の監査がって持ち出し開発ってなかなか出来ないのよね。。。
 で外国人に開発をお願いする場合、日本に滞在してもらわないといけないので、

 それもあって、オフショア開発が進まないのかもしれませんね。


 月次処理なんて基本中の基本なのに、テストが行われないのが不思議ですが、
 今回は、どうもモジュールのマップ処理が巧くいかなかった模様。
 でも、そのヘンって、人手に頼らなくても自動化できる方法はいくらでもあると思うのに。。。

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