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責任は誰に?

<東証システム障害>不備が露呈 「日本買い」の動きに冷水

 東京証券取引所で1日発生した大規模なシステム障害は、日本の証券市場に対する国内外の投資家の信頼を揺るがす事態に発展した。東証はバブル崩壊後、世界の市場間競争で出遅れ地盤沈下が指摘されてきたが、景気回復で海外投資家が回帰し、株価が上昇。出来高も膨らみ、存在感を取り戻しつつあった。その矢先に、市場運営の根幹である売買システムの不備が露呈したことで「日本買い」の動きに冷水を浴びせかねず、「東京マーケット復活」のシナリオに狂いが生じる可能性も出て来た。

(毎日新聞) - 11月1日21時30分更新

今日の日経夕刊では、先に大証、JASDAQでもシステムトラブルがあった事を挙げて、今回のトラブルで取引所への不信感は決定的になったと書いている。

厳しいなぁ。。。
でも、システムの仕事に関わる者としては、厳しいなぁと思うものの、その社会的責任を考えれば、そういわれるのも当然だね。


銀行のATMは事前に“システムを停める”とアナウンスしている日以外は、時間通りに稼動する。
システム開発に携わっていない人には「そんな事当たり前じゃない。コンピュータシステムなのだから」と思われるだろうけど、システムって本当はそんなに堅牢なものではない。
何かにつけ動かなくなるのよね。。。
パソコンがしょっちゅうハングするように。。。(苦笑)

でも、金融機関の場合、どんな障害があっても最低限“システムが全く動かない”という状況を作らない為に色々な工夫をし、そこに膨大なお金をかけてているよね。
銀行や証券といった金融関係のシステムに携わった事のある人が他業種のシステム構築をすると、システムの脆弱さに面食らうという。
逆に、金融機関のシステムを始めて経験する人はそのエラー処理の多さに辟易するという話をよく聞く。
他業種といっても、当然、金融以外の全てがそうと言う訳ではないよ。

で、当然そんな厳重な対策を採ってあるはずの東証のシステムが半日以上も停まっていたって、かなりの異常事態。
1997年の8月にも停まった事はあるけど、影響範囲は今回の方が数段大きい。

東証は、通常は9時から11時、12時半から15時に取引が行われる。
今日は午前中全く機能しなかっただけでなく、午後も1時間もずれ込んでの取引開始だった。
東証の場合は、札幌や福岡も同じシステムを使っているから、それらの市場も同じように取引がストップしていた。
昨日の新内閣発表で、株を売り買いしたい人が多かっただろうに、かなりの人がやきもきしたのでは?

夕方見たネットニュースでは、東証がシステム開発会社の富士通に損害賠償を検討しているとか。
それはそれでいいけど、東証には責任はないの?
検収したからには、受入れチェックはしたんだよね?
チェックしてOKだったのでしょう?
当然月またがりのチェックもしたのでしょう?
チェックしてOkを出した側には責任はないの?

東証が富士通に損害賠償請求したら、取引するつもりだった投資家も損害賠償請求していいのかなぁ。。。?
って、投資家の“損害”証明って難しいから現実的じゃないけどね(笑)
そういえば、東証の“損害”って証明できるのかなぁ。。。?
なんかちょっと面白そうだから、暫くニュースを追っかけてみようかな(笑)


彼氏が、知り合いに頼まれて金融関係のシステムを作る会社を探すらしい。
「お前の会社で受けられる?」って聞かれたから、「受けられるんじゃないかな」といい加減な答えをした。
でもなぁ。。。システム障害が起きた場合、売り上げの数100倍もの損害賠償が必要になるんじゃ受けられないなぁ(^_^;)















っていうか。。。
彼氏は、今日はその知り合いにお呼ばれして、銀座でホステスさんを何人も(同伴で)呼んで、ん10万もの飲み食いをしたらしい。
そんなお大尽遊びするなんて、金融機関ってまたバブルになった?






Comments:2

ゆりかりん 2005年11月 2日 21:59

いやいや、金融機関のシステムに限らず、
石油コンビナートが大爆発してみたり、
電車がマンションに激突してみたり、
・・・我々のライフラインのインフラを担ってる機関が
いろいろと問題起こしまくるようになって来たよね。
原因は、組織のシステム疲労だのなんだの・・・って言われてるけど、
現場の人達に話を聞いてみると、やっぱ、リストラに告ぐリストラの挙句、
少ない陣営でもって、今まで以上の成果を求められるようになったことにひずみが生じただけで、
言ってみれば当たり前・・・?と言うか、実に極自然発生的な事故であるとか?
特に、リストラを行った際に、ベテランと呼ばれていた人達、
つまりは、例えばコンビナートなんかでいえば、石油の鉄壁に触れるだけで、
その時々の中の石油の状況を把握できていたような職人達が、
企業から切られたというのが大きいのかも?
(彼らの年収は安くないわけで、しかも経営という視点からは扱い難い存在だった?)
・・・いろんな業界で同じような現象が起きているようだし・・・。

こういったベテランの技って、マニュアルにし難いし、そういう人達がいなくなったことによって空洞化してしまったツケは大きいかもね。

COO 2005年11月 3日 03:25

>ゆりかりんさん
 リストラクチャリング(事業再構築)を人減らしと勘違いしている経営者が居るとしたら、
 そんな経営者は即刻退場願わねば、その会社は社会インフラを担う企業か否かに関わらず早晩無くなりますね。
 
 でも、事業再構築で人的資源の投入を減らすと言うのは、ある意味、会社にとってその事業に見切りを付けたか、
 今までは不効率だったけど、もう少し効率的に運営できると経営者が判断したからなのではないでしょうか?

 “効率”というのは、多分に“経済効率”になりますが、
 経済効率を考えるならば、給料40万円/月で30万円/月しか売り上げない若者を2人抱えるのと、
 給料100万円/月で150万円/月売り上げる1人の熟練者を比較すれば、熟練者1人を残す方が経済効率は良いので、
 熟練者が“高齢”を理由に離職させられる事は考えにくいですよね。
 ここで熟練者が離職させられたとしたら、
 その熟練者が居ることで組織に悪い影響を与えて経済効率が落ちると判断された場合と、
 一人立ちすれば、現在は30万円/月の売り上げが近い将来に80万円/月の売り上げを上げられると会社が若年者を評価している場合でしょう。

 私が最近良く見るのは、若年層が経験の浅さに甘えて(会社の)期待に答えない姿です。
 熟練層が居ないから自分は出来なくて“当たり前”という若者が多いのですよ。
 って、ウチの会社は若者は居ないので、よその会社を見てのことですが。。。(^_^;
 ウチの会社って、若者は“売り物”にならないので、熟練者が多いのです。
 私の直前に入社した3人の女性の平均年齢も60歳だし、私以降に入社した人も私より年下は居ないのです。。。
 会社で一番の若者君は、多分今年30歳。。。
 世間的には、そんなに若いとはいえない年代ですね(苦笑)
 って、43歳の私も“未だ若いから。。。”と言われます。
 まるで、永田町の議事堂の中にいるような、年齢構成なのです。。。(^_^;


 熟練者が“(他人の意見を聞き入れない)頑固者”(で組織のお荷物)になっている場合は別ですが、
 熟練者はそう簡単に切れないですよ。
 経営効率を考える経営者ならば。。。熟練者を残しておく方がずっと効率的ですもの(笑)
 逆に言うと、熟練者を欲する企業が多いから、
 求人市場では、経験の少ない若者の求人が少なくてある程度以上の経験者の求人が多いのだと思いますよ。


 実は私は、リストラによる人員削減を仕事の品質低下の言い訳にする人って、
 自分の仕事に誇りが無い人だと思っています。

 今回の東証のトラブルも、伝えられている事が原因なのであれば検査段階でたった5分時間をかければ防げた事で、
 それはもちろん、“熟練”を要するものではなく、
 ほんのちょっと教科書的(基本的な)チェックをすれば防げた事なのです。
 色々起こるトラブルも案外そんな処(初歩的、基本的な手順ミス)によるものが多いんじゃないでしょうかね。。。
 それを人手不足による忙しさのせいにしてしまうのは簡単ですが、
 それじゃあまりに自分の仕事をバカにしていると思うのですよね。。。
 そして自分自身(の仕事の能力)をバカにしていると思うのですよね。。。
 

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