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マスコミって、騒ぐのが遅すぎ

【中国】外国通信社を規制、政府は「合法的権利は守る」

 中国の国営通信社である新華社は10日、「中国国内における外国通信社のニュース情報発表に関する管理方法(外国通訊社在中国境内発布新聞信息管理弁法)」を発表、外国の通信社からの情報を中国国内で発表することに対して規制を強化する方針を明らかにした。温家宝・首相はこの「管理方法」に関して「合法的権利を保護する」と説明。外交部の秦剛・報道官は「外国の報道機関と中国国内の顧客の合法的な権利を保護するものだ」と主張した。

■国外発の情報は新華社が一括管理

 10日に発表された「管理方法」は、外国の通信社が発信する情報は、新華社が一括して管理することを定めている。外国の通信社及び中国国内の代理組織は、あらかじめ新華社に所定の資料を提出して国内向けにニュースを配信することを申請しなければならない。
 更に「国家の統一や中国の宗教政策に反する報道」「民族の団結を害する報道」は認められなくなる。国外の報道機関によるニュースは新華社が審査した後に中国国内に配信されることになる。
 「管理方法」は、「中華人民共和国憲法で明示されている基本原則に反する報道」「中国の安全と国家の名誉を傷つける報道」「虚偽の情報、中国経済や社会秩序、社会の安定に害を与える報道」「わいせつな情報、暴力あるいは犯罪を教唆する報道」「他人を誹謗中傷する情報。他人の合法的権利を侵害する情報」も禁止している。
 英国を訪問している温家宝首相は12日に開催された英中貿易協会が主催した晩餐会で、「管理方法」に関して「メディアの中国における報道に関して、「合法的権利は守る」「外国の報道機関及び個人が、中国の報道を自主的に遵守することを希望する」と述べた。
 また、12日午後に行われた外交部の定例記者会見でも、秦報道官は「健全で秩序あるニュース報道を促進すると共に、外国の報道機関と中国国内の顧客の合法的な権利を保護するものだ」と主張した。
 秦報道官は新華社に外国の通信社からの報道を一括して扱う権利を与えたことに関して、「1996年に国務院は新華社に関して、外国の報道機関による経済ニュースを扱う権利を与えた。今回の措置は、その延長線上にある合理的なものだ」と述べた。

■奨励と規制、報道を巡る二つの動き

 中国では最近2-3年、報道に関して二つの異なる動きがみられる。一つは汚職問題や事故の隠匿などに対して、報道機関の告発を積極的に評価する姿勢で、社会的監督機能などと呼ばれている。
 その一方では、報道に対する制限の強化を明文化する動きが盛んになっている。インターネットメディアや商業紙誌が急増したことに対応する動きで、虚報や個人や企業の正当な権利を侵す報道だけでなく、共産党及び政府の意向に合致しない報道を規制する動きが強まっている。
 なお、最高人民法院(最高裁)は12日、国家の秘密や経済活動及び個人の秘密に関連する報道、未成年の犯罪に関して姓名や住所、写真を報道することなどを禁止する声明を発表した。また、裁判所の関係者が取材を受ける場合には必ず広報部の許可を事前に得るよう指示した。(編集担当:如月隼人)

(サーチナ・中国情報局) - 9月13日13時7分更新


日本では12日に新聞記事になったのかな。
でも、日本のマスコミは殆ど騒がなかった。

まぁ、日本のマスコミは日米政府への批判や犯罪被害者のプライバシー侵害報道には「報道の自由」を欲しがるけど、中国共産党に対するスタンスは中国共産党のスポークスマンで、実質的に中国共産党の太鼓持ちのような存在なのだから特別不満はないよね。
それに、日本のマスコミが中国で何かニュース配信する訳じゃないものね。。。と思っていた。


それが今日になって騒がしくなったのは、13日に正式に「国家文化発展計画綱要」が公布されたから?
で、「マスコミは政府の代弁者になっていればいい」と公に言われたから、立場上反応せざるを得なかった?


<中国>「文化発展綱領」を公布 マスコミ統制さらに強化へ

 中国共産党と政府は13日、国内報道機関の管理強化などを盛り込んだ「国家文化発展計画綱領」(06~10年)を公布し、「メディアは世論を正確に導き、党と国民のマウスピースの役割を確保しなければならない」と強調した。胡錦濤指導部がマスコミ統制をさらに強める方針を明確にした。
(毎日新聞) - 9月14日21時49分更新


毎日新聞では「マウスピースの役割」と書かれているけど、共同通信では(ネットでは共同通信配信記事がみつからず)、

新聞メディアについて「主要任務は宣伝。『党ののどであり、舌』としての役割を堅持しなければならない」と規定した上で、「全面的に党の主張を宣伝し、民衆の意識や思想に対する影響力を不断に強化」することを義務付けた。

とある。
そりゃ、「党の宣伝をするのがマスコミの仕事」と法律に書かれちゃ、いかな親中機関でも“報道機関”を標榜する以上、黙ってはいられないよね。
(例えポーズでも。。。)


私自身は、これまでも徹底して情報統制をしてきた中国共産党のする事だから、いまさらの規制に驚きはしない。

日本では、「2008年のオリンピックを契機に一般人民も“世界”を知って、中国共産党の独裁は崩壊するだろう」というような甘い観測もあるけど、中国では一般人民にはオリンピックなんて見る余裕はないだろうし、そもそも都市戸籍じゃない人たちがそう簡単に物見湯山に出かけられはしない。
オリンピックがあるからと言って、“世界”と接する事ができる人って党の関係者とせいぜい都市に住んでいる人たち。
都市に住んでいる人たちはこれまでも“世界”には触れているから、オリンピックがあったとてこれまでと比べて“世界”を知る人が劇的に増えるとは思えない。
それでも一般人民で新しく“世界”と接するチャンスが出来るとすれば、オリンピックを契機に外国メディアが“中国の取材”をする対象者ぐらいなんじゃないだろうか。。。

外国メディアなら、チベットに行って“中国の今”を取材するかもしれないものね。
そしてチベットの占領政策を批判するような報道をして、中国国民に中国共産党の占領政策の現状を知らしめるかもしれない。
中国国民が“世界”ではなく、“中国”の現実を知るようになるかもしれない。
であれば、そこに規制をかければ、中国人民を相変わらず情報鎖国の中に置いておけるって訳だよね。
外国メディアが中国国内を自由に取材するのはイイとして、自由に中国の“今”を発信することを規制して、中国共産党礼賛の報道だけするようにすればいい。
北朝鮮と同じ手法だね。

聞くところによると、外国メディアの記事を買うのは都市部のメディアらしいから、都市部以外では今までと変わらず、せっかくリベラルな雰囲気が出始めた都市部では時代が逆戻りするかのごとく中国共産党礼賛記事ばかりになるのか。。。
で、ますます中国人の反日思想が強くなるのか?(-_-;


ところで、「こんな報道規制をする国でオリンピックをするのはいかがなものか」という向きもある。
でも、私は今のところはオリンピックへの参加の可否につては、何も考えていないのよね。。。
「政治とスポーツは違う」と言う訳ではないけど、別にいいんじゃない?と思う。
だって、明文化しているか否かの違いだけで、報道規制に関してアメリカだって似たようなものだもの。
だったら、アメリカで行われるオリンピックにも出ない?
そう思う人って少ないんじゃないのかな。。。

それより、オリンピックを機に、日本国内に向けて、中国ってこんな国と知らせる術を考えた方がいいのじゃないかな。
今の日本には、中国を美化している人が(必要以上に)多いと思うもの。
そういう人たちに現実を見せた方がいいと思うのよね。
中国共産党は中国国内向けには報道規制しているけど、外国メディアが中国で取材し自国で報道する内容まで規制している訳ではないものね。


とは言え、政府によるあからさまな言論統制は非常に危険な事だし、中国国民への人権侵害もあるのだから、国際社会は協調して是正を働きかけるべきだとは思う。
その手段としては、オリンピックボイコットは大きいと思よう。


ところで×2。
この法令は台湾の通信社にも適用されるらしい。
台湾の通信社って、中国では外信扱いなのかしらね?

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