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せっかくだから英断も。。。

知床が世界遺産に登録される事に決まったらしい。
世界遺産委員会が知床を「海洋生態系と陸上生態系の相互関係の顕著な見本」「多くの希少種にとって重要な地」などと評価したという事だ。

流氷が接岸する世界最南端として知られる知床は、流氷が運ぶプランクトンを餌にする魚を、鳥やヒグマなど陸上動物が食べる“海から陸への生態系”が顕著で、シマフクロウやシレトコスミレなど希少種も残っている。
知床に豊かな自然が残っているのは、勿論、流氷が接岸するという地の利もあるが、道が整備されておらず、人が入りにくい所謂“秘境”だと言うことも大きな原因の一つになっている。


先日、知床で観光客と熊がニアミスしたという新聞記事を読んだ。
観光客の安全の為に、ヒグマの駆除も計画されているという内容だった。

でもなぁ。。。

知床を世界遺産に登録すると言うことは、その自然を将来に渡って残したいという事。
ヒグマを頂点とする生態系を将来に渡って残したいという事。
それらが、人間が入らなかった、観光客が入らなかった事で守られてきたものだったら、その生態系の頂点を“観光客にとって危険があるから”という理由で壊そうとするのは間違っているような気がする。
むしろ、観光客を締め出すぐらいでいいのじゃないかと思う。

知床の地元は、世界遺産に登録された事により観光客の増加を見込んでいるのだろうが、せっかくの世界遺産。
観光客は、動物にとって影響の少ない限られた時期に、限られた人数、あるいは限られた資格を持つ人しか入れないぐらいの英断があってもいいんじゃないかと思うな。。。


Comments:6

ゆりかりん 2005年7月15日 07:52

それより何より、流氷が運んでくる豊富なプランクトンのおかげで
水産資源が豊富だった知床の海の生態を守るために、
・・・と言うお触れでもって、量が大幅に制限される可能性があるというのが下せん!
コレまでそれでもって生計を立ててきた猟師達はかなり多いわけで、
そんなことされた日にゃ、彼等の生活が成り立たないばかりか、
人為的な制限が齎す海の生態系の崩壊が危惧されているでしょ?
これまで、人為的な生態系操作が壊してきた自然の歪んだメカニズム例は多いわけで・・・。
・・・例えばニシンが増えすぎてしまうと、海は結果的には汚れてしまったり。。。
学者達の机上の論理で、生態系を操作しようとしても無理が有ると思うけどね。

みちょ吉 2005年7月15日 09:35

あぁ。なるほどぉ。
ゆりかりんちゃまのお話も良く分かるわぁ。
視野が広いよねぇ、COOちゃまも。

私ってば、単純に
「観光客はサファリワールドみたいなバスで
 ぐるぅっと回ったらいいねん」とか
思ってたもんなぁ。
そんなわけにも行かないわな。
住んでる人だっているんだしっ。
商売してる人だっているんだしっ。


COO 2005年7月15日 12:24

>ゆりかりんさん
 漁業権の問題は、私も今以上の制限は必要なないような気がします。
 今でも、ロシアとの関係で漁獲高についてはある程度の制限がありますからね。
 陸上動物に関しては、知床は今でも国定公園だから猟はしていないはずなんだけど。。。


 生態系って、人間もその中に含まれてしかるべきですよね。

 人間含めずに、ピンポイントで考えるから、
 鯨だけを守ると鰯が極端に減り、
 それで適正数を超えて増えた鯨が死んで海岸に打ち上げられるというように生態系を逆に壊したりしているのよね。

 そういう意味では、“保護”の名の下に私も今以上に何かをするというのは考えものだとは思うわ。
 なるべく“何もしない”でいたいなぁと思いますよ。


>みちょ吉さん
 昔、ある有名な公園で、公園の入場者を減らす目的で入場料を取ることにした事があって、
 入場料を取ることにした途端に、それまで市民公園だったのが観光地になっちゃったのよね。。。
 日本人って、何かで話題になるとどっと押し寄せて、
 “旅の恥は掻き捨て”とばかりに、ゴミを捨て、自然を踏み壊すのです。
 富士山が世界遺産に登録できないのはそのゴミの多さ故というのは有名な話ですが、
 押し寄せる観光客で、動植物の生態系が変わり、
 植物の生態系が変わることで地形まで変化がおきています。
 植物に関しては、観光客の靴についた土でさえも影響がないとは言えないですからね。

 残したい自然には、人の出入りも“現状”を維持しないと、
 残していく事って出来ないんですよね。。。

COO 2005年7月15日 13:05

↑ 国定公園 じゃなくて、国立公園でしたね。。。(^^;

彩庵 2005年7月16日 11:10

漁業権の制限をこれ以上もうけなくてもいいというのは賛成です。
ただ、絶滅危惧種であるとどを年間116頭殺しているわけですね・・・
その数字に何の意味があるかはしりませんが、日本に約500頭のとどが回遊してくるわけですが、その1/5以上を殺すということをしているわけです。

自然の中に本来生きている人間は、生計を立てるために自然を必要な分だけを破壊して生きているはずだったのですが、無意味な計画や観光化により、必要以上の破壊が起こっています。
昨日の報道ステーションでも漁民が「とどを生かして人を殺すってか」と言っていますが、人間は本来その環境の中で生きていかねばならないはずです。
必要以上の環境破壊は行ってはならないはずです。

破壊してしまっては復活させるのにどれだけの苦労があるかわかりますか?
もしくは動物を絶滅させれば、それだけで生態系が変わったことになるのでは?
いろいろ考えていかねばならないことは山積みです。

COO 2005年7月19日 00:38

>彩庵さん
 制限された漁獲高の中で、刺し網の捕獲量を全て食べられてしまう現実を考えると、
 漁師さんが人を殺すのかと言いたいというのも理解は出来ます。

 私も116頭と言う数字にどんないみがあるのかと思いますが、
 回遊500頭という数字も、116頭殺しているというのも数字的な精度は怪しいらしいです。
 総数と回遊してくるとどの数を把握することも勿論ですが、
 年間に駆除していい数が116頭と決められている以上、
 それを超えない事をきちんと取り締まらなければならないですし、
 さらに、共存で来うる方策も考えなければならないですね。

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