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この失態は教訓になるか

昨日のエントリー(記事をエントリーと呼び変えてみた 笑 )で、地震速報が遅かったと書いたが、私が見ていたテレビ局だけが遅かったのではなく、気象庁の発表そのものが本当に遅かったようだ。

地震が起きたときには、テレビをつけるのがクセになっている。
昨日は、NHKでは相撲をやっていた。
テロップでの速報が流れるまでに5分は掛かっていた。
普段なら、1、2分なのに。
日テレでも似たようなものだった。
そしてそのテロップでは、“津波の可能性については不明”だと。
彼氏と、「いつもなら直ぐに“津波の心配はありません”って出るのにね」と話していたのだった。
チャンネルを回していたら、テレ朝で番組を中断してニュース速報を流し始めた。
地震当時の模様として流している画像にNHKの相撲放送が映っていた。

震源地、震源地の震度と自分の居るところの震度しか興味はなかった。
震源地と震源地の震度は比較的早く出たが、千葉の震度は出ない。
彼氏の住む町の震度もでない。
ヘンだね~と話していたら、彼氏が、地震の震度を気象庁に連絡するネットワークは、地方自治体が設置しているものと、気象庁が設置しているものがあると言う。
自治体が設置しているものの回線が分断されているのか、回線が混んでいるのかで遅いのかなぁ。。。とか、地震で地震計が壊れていたりして。。。なんて冗談で言っていたらどうも冗談ではなかったらしい。

東京の例しか報道されていないが、システムを設計したときには地震計の設置場所が14箇所だったのが今は99箇所だとか。
それでデータの転送と処理に時間が掛かったと新聞で報道されているけど、一体どんなシステム設計をしているのかと思ってしまう。
広い東京で地震計の設置が14箇所しか予定されていないなんて事はシステム設計当初でもなかったはず。
将来的に増えることを見越してのネットワーク設計をするのが普通だ。
で、当初の計画値に対して何倍の膨らんだのか判らないが、それでもネットワークに接続される端末やトラフィック(通信量)が増えたのであれば、相応に回線を増強し、コンピュータの処理能力も上げるのが普通だ。

首相官邸に対策室が設置されたのもかなり時間が経ってからだった。
これは純ちゃんの怠慢?と思ったりもしたのだけど、怠慢だったのは気象庁だったらしい。
肝心な時に使えないシステムというのは、何も無いのと同じなんだけどなぁ。。。


あぁ。。。そして千葉。
他の自治体が、例えば川崎や横浜、さいたまでは区単位に震度が発表されているのに、千葉市は全く発表されていないと思ったら、発表できないはずよね。。。
千葉市全体で気象庁の地震計が1つしか設置されていないらしい。
おまけに自治体設置の地震計はゼロ。
近い将来、首都圏に大地震が来るといわれているのにこの備えは何なんでしょう?

読売新聞によると、コレまでの地震でも度々トラブルがあったらしい。
本来なら、他所で地震が起きた時に、自分の管轄する地域は大丈夫なのかを見直したり、年に1度の防災の日にでも点検するのが本当だと思うけどねぇ。。。
過ぎた事は仕方がないから今回の地震を教訓として、次にこんな失態をしないように備えて欲しいものだわ。


(7/25 追記)

今朝改めて新聞を見たら、気象庁ではなくて、気象庁に情報提供する東京都のシステムが不味かったようですね。
9.11の後、首都である東京を守る事が国を守る事になるなんて、慎太郎君が言っていたけど、今回の件を見ると、なんだかお寒い感じ。
地震では都庁にデータが集中するようにシステムが設計されているようだけど、都庁に被害があったらどうするのか、バックアップ体制は取れているのかしらね。。。
イマイチ、不安だわ。


とは言え、防災関係の設備って滅多に使われないから、いざ使うときに色々トラブルが起きるのも多い。
私が昔勤めた会社でも、災害で電力の供給が途切れた場合に備えて大規模な自家発電装置を持っていた。
そこは、システム維持だけで月に10億円単位で電気代を払うような会社だったから、自家発電装置もかなりのもの。
それを設置してから1度も使う事無く10年が過ぎ初めて使う事態になったとき、思ったような機能を果たせなかった。
理由は“老朽化”といわれたのだけど、1度も使っていないのに老朽化しちゃうのね。。。

発電装置を動かすためには重油代が相当かかる。
それもあって、それまでテスト稼動すらしたことが無かったらしい。
でも、肝心な時に使い物にならないのであれば意味無いものね。
それからは、定期的にテスト稼動させていた。
東京都の防災ネットワークも、せめて防災訓練の時にでもテスト稼動させるとかすれば良かったのにねぇ。。。

Comments:4

tobby 2005年7月25日 07:12

阪神大震災を経験してる私。
新潟でも 最近大きな地震があったっていうのに
全く 教訓になってない様子ですね、関東では。
都に大地震がくれば 大変な事になるって
わかっててこの有様。
日本人の お気楽・極楽な性質、余所事はいつまでも
余所事で わが身に置換えることが出来ないんですね。

COO 2005年7月25日 09:31

>tobbyさん
 今回のシステムは阪神大震災の教訓を活かして作ったものらしいですよ。
 少なくとも、阪神大震災は対岸の火事ではなく、他山の石にはなったようです。
 ただ、東京都の広さと重要性を考えると、システムとしてはチャチな感じはしますけどね。。。

 防災関係の設備って滅多に使われないから、いざ使うときに色々トラブルが起きるのも常なのですが、
 せめて防災訓練の時にでもテスト稼動させるとかすれば良いのにねぇ。。。

ヨシムラさん 2005年7月26日 22:47

リスクは実際にペリルを体験したヒトでないと、想像がつかないものなのかも知れない。

ま、システム設計したヤツなんてその辺のボンクラなんだろーから、14カ所が99カ所に増えたのは「想定外」だったんだろーなw。

先月行ったJavaのセミナー。スポンサーセミナーは基本的に眠いのばっかりだったんだけど、1つ収穫があったのは、システム設計、システム構築、システム運用はそのスパンが違うという事に注目させてたセミナー。ワシは今でも開発者だと思っているので、このハナシは(運用やらされている今は)、中々興味深かった。だったらマトモな設計できそーなワシに仕事振れよ、とw。

COO 2005年7月26日 23:27

>ヨシムラさん
 ボンクラっていっても、ひところの1円入札じゃなし相当お金を取っていると思うよ。
 都内に14箇所しか地震計を置けないシステムなんて、都民はどう思うんだろうね?(笑)

 私は開発環境も本番環境もふんだんにお金をかけられる環境で育ったSEだから
 つい贅沢なシステム設計をしてしまうけど、
 最近はそうお金をかけられるって処も少なくなってきたかもね。。。
 ヨシムラさんに設計を任せたら、その会社は運用費がかさんでシステム意地を出来なくなるんじゃない?(笑)

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