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合格数なんて何の意味があるのか?

私の住むマンションの1室が売りに出ている。
此処は売りに出ても滅多に広告には出ないのだけど、この部屋は部屋数が少ない事と低層階だから広告に出たのかな?
広告には、このマンションの居住者が通う小学校と中学校の名前が書いてあって、“○○校区”と謳っている。
確かに、この小学校やこの中学校に通うためにこの校区内に転居する人が多いから、売り文句にはなるよね。。。


今日の朝のワイドショーはどのチャンネルでもこのニュースばかり。

<大学受験>1人で「73人分」合格 大阪の私立高

7月20日23時51分配信 毎日新聞

 大阪市住吉区の私立大阪学芸高校(近藤永校長、1424人)が06年度の大学入試で、受験料など約140万円を負担したうえ、成績優秀な男子生徒1人に「関関同立」と呼ばれる関西の有名4私立大学の延べ計73学部・学科を受けさせていたことが分かった。生徒側には受験料とは別に5万円も贈っており、「合格実績の水増しを図った」との批判も出ている。
 同校によると、生徒は理系で成績トップだった。国公立大を志望し、関関同立(関西、関西学院、同志社、立命館)の計5学科の一般入試も希望していた。この他に学校側が持ちかけ、大学入試センター試験の結果だけで合否が決まる入試で文系を含む計68学部・学科に大量出願。すべて合格した。生徒は結局、志望していた公立大に合格し、進学した。
 同校には「進学奨学金」制度があり、関関同立などの受験者については、模試の成績上位20人程度の受験料を全額負担している。さらに、合格数によっては “激励金”を保護者名義の口座に送金しており、この生徒側には5万円を贈った。同校はホームページで「平成18年度関関同立144名合格」とPRしたが、合格者数は延べ人数で、半数以上はこの生徒の実績で、実数は33人という。
 近藤校長は「こんなに合格するとは夢にも思わなかった。あくまで生徒の確実な進学のバックアップのためだが、73という数字は事実だから合格実績を高めるためと思われても仕方ない」と不適切さを認めた。今年度は異常な出願数にならないよう是正したという。
 文部科学省私学行政課は「生徒の志望と関係なく名義を借り、学校が受験料を負担したことは道義的に問題だが、禁じる法的根拠はない」としている。大阪府私学課は「1人の生徒が上げた実績を、あたかも多くの生徒の実績のように示すことは不適切」としており、校長会などを通じ、府内の私立高に注意を呼びかける。
 大阪学芸高は1903年創立の成器商業が前身で、74年に成器高校となり、96年から現在の校名になった。【田辺一城、林田七恵】

最終更新:7月21日1時24分


正直、「この子、凄いね」と言うのが感想。
センター試験の成績がかなり良かったのだろうけど、1人で文系・理系を取り混ぜて73もの学部・学科に合格するのだものね。
その上で、自分が希望する大学の学科も合格しているって、凄い事だと思うよ。

学校については言う言葉もない。
こんな実態が明らかにされたら、来年の志願者は激減するかもね。
それも自業自得と言えるのだろうね。


この話を聞いて思い出した事が1つ。
私が1年間だけ通った高校は、県下でも有名な進学校だった。
中学で浪人して高校に入ってくる人は居ても、高校で浪人する人は殆ど居ないような学校だった。
そんな学校でも有名(偏差値の高い)大学への合格者数が気になるらしくて、京都大学への受験を希望していた生徒を説得して東大受験させた事があった。
今でいうセンター試験、当時は「共通1次」と言われていた試験で、自己採点で日本で1番だった。
東大でも当然受かる成績ではあったけど、彼女の希望は京都大学だったのに。。。
既に津田塾に受かっていた彼女は、東大に合格したものの東大には行かずに津田塾に行った。
大学卒業後の彼女は英語の教師になった。
京都大学での志望は法学だったと記憶している。
少なくとも教育学部や英文科ではなかった。
彼女がどう納得したのかは判らないけど、端から見ると、彼女は高校の宣伝の為に人生設計を狂わされたように見える。
学校がそんな事をしていいのだろうか?
学校にそんな権利があるのか?
そんな事を考えると、冒頭の記事にあった生徒が希望の大学に進学できたことが何よりだと思う。

でもねぇ。。。
通っている(出身者を含む)生徒が有名(偏差値の高い)大学に多く合格しているからといって、そこに入った子供の全てが希望する大学に合格するわけでもないのに、親って何故そんなものに縋ろうとするのだろうね?
千葉に移ってきて私が通った高校も県下では有名な進学校だったけど、転入初日に学校から「現役で大学に合格できるとは思わないで下さい」と言われた。
そこに居る教師たちはリベラルというのか今風の「受験のような競争をさせるなんて、子供が可哀想」という教師が多くて受験という“競争で他者に打ち勝つ”教育はなされなかった。
もっとも、生徒の当たり前の質問に答えられないような教師が多かったから、「試験で他者より1点でも多く取る」なんて教育は出来なかったのかもしれない。
受験校を絞る為に自分の学力を知るための全国規の“模試”すら「授業外で試験を受けさせるなんて、可哀想」と受けさせないのだから、生徒は予備校や塾、その他自分で探して学外の試験を受けていた。
合格者数の多い学校といっても、そうやって自分で努力した学生だけが現役で大学に合格していたのが実態なんだよね。

どんなに大学への合格者数が多い高校でも、学校に通うだけでは現役では(志望校い)合格しない。
合格者数の大半がその高校の卒業生というだけの“浪人生”で、実質は予備校が教育している。
そんな実態を考えると、大学への合格数なんて何の意味があるのかと思うのよね。。。

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