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誰に向けての“血も涙もある政治”なのか???

民主党が政権を取ることが確実になって以降マスコミを賑わすのは八ツ場ダムの件。


経済的に“ムダ”と解っていても対極的に観て必要であれば、推進するのが“政治”でしょう。
また、“その”場所では必要なくとも、他の地域で必要ならば、その地域に涙を飲んでもらうことに説得を尽くすのも政治。
で、八つ場ダムはそのどちら?


八ツ場ダムを歩く 「早く生活取り戻したい」翻弄される町

9月13日1時21分配信 産経新聞

 民主党が政権公約に中止を掲げた群馬県の八ツ場(やんば)ダム建設問題が、地元住民に大きな波紋を広げている。半世紀にわたる激しい反対運動の末、建設を受け入れ、代替地への移転を進めている住民たち。賛成、反対をめぐり親族、知人間に亀裂も入った。中止するかどうかは決まっていないが、国土交通省は今月に予定していた本体工事の入札延期を表明するなど事態は流動的だ。「私たちはどうなるのか」。揺れる政府方針に、住民の運命も揺れている。
 ダムの建設で水没する予定の同県長野原町、川原湯温泉街。今ではただ一つとなった土産物屋の店主、樋田ふさ子さん(80)がこの地の温泉旅館に嫁いだのは、ダム建設計画が発表された昭和27年だった。
 その後の半世紀以上の川原湯での生活は、常にダム問題とともにあった。地元の揺れが顕著に現れる一つが、町長選挙だった。

 「『選挙』と聞くだけで、身震いがする」
 樋田さんが思い起こすのは、建設の是非が争点になった昭和40年代の選挙だ。周辺地域が次第に建設案を受け入れるなか、川原湯地区は反対の立場を崩していなかった。そんな中、樋田さん夫妻が納得のいく生活補償案の提示を求めた上での「条件付き容認」に転じると、毎日お茶を飲みに来ていた友達が姿を消した。
 建設反対派として出馬していた親戚(しんせき)の集会では、「嫁いできたよそ者が、反対もしないくせに」と罵声(ばせい)が飛ぶ。家にこもっておえつを漏らした。
 「親戚も地域の人々も、賛成と反対に分かれて反目しあった。ダム建設が決まったときは、もう仲違いしなくて済むとほっとした」
 現在、ダム建設予定地周辺では、関連工事でダンプカーが行き交い、建設機械がフル稼働している。やっと解決したと思ったのに、政権交代でまた揺れるのか…。「ダムの完成を見るまでは死ねないと頑張ってきた。でももう、体も弱ってきた。自信がない」。樋田さんは疲れた口調で話す。

     ◇

 川原湯温泉街から約1キロ離れた代替住宅地の打越地区。住宅建設のためのトラクターが作業音を響かせる横に、地区初めての店舗となる美容室が建つ。店主の女性(59)は今年4月、母の代から続く美容室を温泉街から移転し、営業を再開させた。
 幼いころの温泉街はにぎやかだった。母親は大みそかになると、新年のあいさつの準備をする30人以上の芸者の髪結いや化粧に奮闘した。翌朝、熟睡する母の横で、街を歩く着物姿の人々をぼんやり眺めた。そんな記憶も今では懐かしい。
 隣人同士の対立にまで発展した激しい議論の末、最終的に住民側は平成4年、建設に合意。食堂やスナックが10軒以上立ち並び、毎夜喚声が響いた温泉街から、ダム問題に疲れ切った住民らがダムとは関係のない土地に引っ越していった。
 女性と家族は約30世帯の住民とともにとどまった。最近、代替住宅地の工事も急ピッチで進み、今夏までに女性ら5世帯が移転した。残る世帯も間もなく移る予定だ。
 「国から何十年も懇願されて受け入れたダム建設。たった1度の選挙で中止の可能性が出てくるのでしょうか」
 常連客を迎えるために新築した店で、女性はため息をつく。
 「早く私たちの生活を取り戻したい」。豊田明美・同温泉旅館組合長の言葉が、小さな温泉街の正直な気持ちだ。(時吉達也)

最終更新:9月13日17時23分


少なくとも、下流地域のために地元の人たちは“涙を飲んだ”のだから、彼らの涙を“ムダ”と言ってしまう政治は“人”として道を外していると思う。

イヤイヤ。。。民主党は彼らに涙を呑んでもらったことを“無かった事にしたい”のよ。。。
と、民主党はいうのだろうが、それは57年間もの時間をかけて“涙を呑む”決断をした人たちの努力を愚弄しているに過ぎないでしょ。
だからこそ、地元の人たちが民主党のマニフェストを“血も涙もない(政治)”と評するのだろうと思うよ。


ん?
あれれれ???
民主党って、自民党とは違って“血も涙もある政治”を標榜しているんじゃなかったっけ???

って、民主党は“市民”ではなく“プロ市民”にとっての“血も涙もある”政治を目指しているのだから、もちろん巻き込まれる地域の住民に対しての“血も涙も”を考えている筈もない(苦笑)
そう言えば、先週のテレビでは八ツ場ダム建設の反対運動のために東京から移住してきた“プロ市民”の人たちが、「私たちは地元の人の生活を脅かす存在と言われて、石を投げられるんです」と言っていた。
今となっては地元の人の生活を脅かすだけの存在になった“プロ市民”を支援するのが民主党の政策であって、それは“政治”と言って良いのだろうか?
っていうか、プロ市民だけを“市民”とし、彼らの意見だけを“民意”とするから、民主党って信用できないし、好きにもなれないのよ。
そんな“プロ市民”が副総理になる日本は、プロ市民の傀儡政権でしかないのかもしれない。
でも、それは、世界に60年遅れている。






先に、「“ムダ”と解っていても必要であれば推進するのが“政治”」と書いた。


「やめた方がよけいに無駄」八ツ場ダム中止に反発

9月13日1時25分配信 産経新聞

 民主党が政権公約で「中止」を打ち出している群馬県の八ツ場(やんば)ダムの建設計画は、豪雨被害を教訓に始まった。この半世紀で堤防技術は発展し、民主は「堤防の強化に予算を振り向けるべきだ」と主張するが、「それだけでは危険」と指摘する専門家も多い。すでに2千億円近くを拠出し、水源としてダムを期待している1都5県からは民主への反発の声が強まっている。
 近年は100キロ以上にわたり一日中、帯状に豪雨となる「線状」と呼ばれる異常気象が観測されている。台風以上の被害をもたらす場合もあるが、八ツ場ダム建設予定の吾妻川流域には治水ダムは1つもない。
 利根川堤防決壊で230万人以上が被災するという中央防災会議の資料などをもとに国土交通省は洪水対策を進めるが、「線状」級は想定外。中央大理工学部の山田正教授(土木工学)は「下流の首都圏で被害がなくても、上流の地方は川をコントロールできない。中止は地方の切り捨てだ」と話す。
 「大雨の日に、利根川の土手に立ってみてほしい」
 埼玉県の上田清司知事も大雨のたびに洪水の危険にさらされる利根川流域の危険性を訴える。上田知事は民主党の元衆院議員だが、八ツ場ダムについては正反対の位置につく。
 民主党は政権公約で、ダム建設を「無駄な公共事業」と言い切った。この政権公約の策定に際し、「関係の太い知事でさえも意向を聞かれたことはない」と埼玉県職員は嘆息する。上田知事は「理不尽な話」「無駄リストに入れるのが間違い」と古巣に不満を言い続け、新たな「ねじれ」が生じている。

 ダム建設は渇水対策の側面もある。
 埼玉県など関東地方の1都5県は、八ツ場ダム建設にすでに計1980億円を投入した。ダム建設で生まれる水利権(水を使う権利)は430万人分。埼玉県は、すでに約30%の水利権を暫定的に確保し、160万人分をまかなっている。
 「人口増加のなか、権利を失うと厳しい」と埼玉県担当者は漏らす。埼玉では平成に入り、渇水で計6回、最大30%の取水制限を実施した。担当者は「中止は毎日断水しろと迫るのと同様だ」と話す。
 これまで総建設費4600億円のうち、3210億円が使われた。中止になると、関係県が出した1980億円の返還を求める動きが出る。東京都はすでに457億円を支出したが、石原慎太郎知事は「中止なら(国に)返還請求する」と明言した。移転を強いられた住民などの生活再建費770億円の支払いもある。
 中止すればまだ使っていないダム本体工事費の620億円は残る。だが、中止して堤防強化に切り替えると、支流も含めた利根川の両岸1千キロ超が対象になり、国交省幹部は「やめた方が余計にお金がかかる」と話す。中止はまだ決まっていないが、自治体関係者は「これでは民主の指摘する無駄を生むだけだ」とかたずをのんで、決定を見守っている。(森本充)

最終更新:9月13日1時25分


政策変更によって発生するムダは、もちろん民主党が作った“ムダ”。
で、そうだったとしても、民主党はムダをムダなりに、しっかりケアする必要があるだろう。

ダムを作ることで“受益者負担”として負担を強いられた周辺都県への損害賠償(もちろん、違約金込みの賠償)と、民主党の“政権遊び”に翻弄された地域住民への精神的負担への賠償と生活設計・再建への支援・賠償は当然してくれるよね。
もちろん、元の街に戻すための永続的な雇用支援だって必要。
それが、ダム建設によって支払わなければならなかった建設費の数十倍、数百倍の費用となったとしても、これは民主党や連立する政権は金輪際“ムダ”とは言えない。
それを“ムダ”と呼称するならば、民主党の政権遊びがムダだということになるものね。
って、私自身は、その民主党の政権遊びがここ10年最大のムダだと思うけど(^_^;


。。。話を戻して。。。

地元の人たちの多くは先祖のお墓すら移転(予定)先へ移した。
心の拠り所でもある先祖のお墓を移転する事の“決断”を軽々しく扱ってはいけない。
また、移転していない人たちが住む場所は地目上は“川”となっていて、建物の建替えや改築が法律上不可能になっている。
そんな場所にある旅館はこの先観光客を呼べるのだろうか?
生活設計は立てられるのだろうか?
いやいや、住んでいる住居の安全だって確保されていないよね?
そういった、地元での“生活”の改善に民主党はどの程度ケアできるのだろうか?

民主党にしてみれは「半世紀以上も(プロ市民によって)反対運動が続いたダムの建設を中止すれば、みんなに喜ばれると思ったんだも~ん」と言う処だろう。

でも、ここ数年で八ツ場ダム建設を“反対”してたのは民主党の支持団体である一部のプロ市民だけであって、“本当の市民”はダム建設を(苦渋の末に)受け入れていたのだよ。
こんな苦渋の決断を踏みにじる政策を“血も涙もある政治”だなんておこがましいよ。

マスコミの一部には、やっと、民主党政権になれば各地各所のプロ市民が嬉しいだけで本当の市民には厳しい政治になるらしい事が、見えてきたとみたい。
って、そんな事、賢いみんなはとっくに知っているか(^_^;

それにしても。。。プロ市民に払う報酬と地元市民、関係各所へ払う損害賠償金は、私の税金では払いたくないな。
せめて、この選挙でムードに踊らされて民主党を支持した人たちの税金と民主党への献金で払ってくれないかなぁ。。。(本音)

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