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サザエさん一家は家族として成り立っていない?

仕事から帰ってテレビをつけたら、ニュース23をやっていた。
いつもは別の局のニュースを見るのだけど、ヘッドラインを見ていたら審議すらされない法案として“夫婦別姓”が取り上げられていた。
そうよね。。。
もう何年も前から話題になっていて、法案も提出されているのに審議されないのよね。。。
番組では、賛成派、反対派と少数ではあるけど国会議員のインタビューを紹介していた。

なんだかなぁ。。。
反対派って、なんでああも頑ななんだろう?
今提出されている法案って、“選択性”で、別姓になりたくない人は同姓に出来る。
何が何でも別姓にしろと言うものではない。
それぞれの家の事情も考えずに、日本の“すべての夫婦”が同姓でなければならないなんて、余計なお世話って感じ。
「あなたが同姓にすることは妨げないって言っているでしょ」と、思わずテレビに向かっていいそうになった(^^;
そういう頑なな同姓論者が、少子化の進行に少なからず貢献しているのにねぇ。。。


反対派の主な言い分は、姓が家族の象徴だというもの。
家族の中に姓が違う人がいると家族を維持できないらしい。
“サザエさん一家は家族として成り立っていない”といいたいらしい。

苗字が違うだけで家族を家族と思えなくなる人って、血を分けた自分の子供でも、その子が結婚して相手の姓を名乗ったら、もう自分の子供だと思えなくなるんだよねぇ。。。
可哀想だね。
そんな事で壊れてしまう家族なら、苗字が同じでも既に壊れていると思うんだけどな。

私自身は、別姓派。
名前は、私という固体の識別子、アイデンティティだと思うから、名前の一部が誰か同じであるという事に絶対的な意味を見出すものではない。
実際、結婚して姓が違ってしまった妹と肉親である事を止めたと思っては居ないもの。
ただ、仕事をする上では、その識別子は継続している事が望ましい。
識別子が変わってしまうと言うことは、仕事上の私の経歴が途切れるのと同じ効果をもたらしてしまう事もあるから。

番組でも、仕事上の必要性からペーパー離婚しいる人が紹介されていた。
先週だったかの日経新聞でも、私より少し年上の女性だったけど、仕事で旧姓を使うために5回もペーパー離婚した人が紹介されていた。
(確か、パスポートの名前を旧姓にするために“離婚”したとか)
記事そのものは、夫婦別姓やペーパー離婚を特集したものではなかった。
雇用機会均等法前から、男性優位の職場でキャリアを築いてきた女性を特集したもの。
図らずも、ずっと以前から、結婚によって名前が変わってしまう事がキャリアに影響を与えてきた事を浮き彫りにしていた。

それに、私は資格仕事ではないけれど、資格仕事の人たちって、名前が変わった後、資格取得者が自分である事の証明が必要なんだよね。。。
今までは、転職なんてあまりなかく、姓が変わっても職場はそれを認知していたかもしれないけど、これだけ雇用が流動化していて、資格取得者が自分であることを証明する手立てとしてペーパー離婚があるかもしれない。

そんなことを考えると、家族の中で母親(あるいは父親)の姓が違う事と、両親が戸籍上であっても結婚、離婚を繰返すのと、家族の絆という点での“違和感”はどちらが大きいのだろう?
別姓反対派の人たちって、考えたことあるのかなぁ。。。

第一、一般人が苗字を名乗るようになって高々100年ちょっと。
社会の変化に合わせて対応してもいいじゃないの?
苗字について“古来の伝統”なんていう人がいるけど、歴史的にはちょっと前まで苗字を持っている人は少なかったのよね。
だから、苗字を名乗る事自体は“伝統”でも何でもない。

遠く、平安の頃は、苗字は現代でいう官僚のもので、男子だけが継いでいた。
その頃は、職は父系、財産は母系社会だった。
結婚は妻問婚で、夫婦が同居する場合は男性が女性の家に入った。
男性は父から受け継ぐ苗字を持つので、家の中では夫と子供が同じ苗字で母は(実質的に)同居しているその両親と同じ苗字を名乗る(って、女性には名前すらなかったのだけどね。。。)
だから、伝統を言うなら、家族全員が同じ苗字なんてありえないのよね。。。


まぁ、いずれにしても、他人の事情も鑑みないで、国中のすべての夫婦が夫婦同姓にすべきなんて言っている議員は、次の選挙では全員落選してほしいわ。
“選択性”すら認められない、不勉強で狭量な人は議員である資格はないと思うし、そんな全体主義な人が国会議員だなんて恐ろしい。。。

Comments:2

ゆりかりん 2005年6月14日 16:11

基本的に、「不便だ!」、「合理的でない!」・・・と思う人々が多いわけだから、
それを是正していく方向で審議するべきだよね。

反対派は、然るべき根拠があって反対してるようには思えないね。
・・・曖昧で感情的論拠しか見えない。

だって、韓国は夫婦別姓だけど、何ら社会的問題は起きてないわけで・・・。

「それは、お国柄(文化)が違うからだ!」
というのであれば、
「どんな点が違うのか?」
「日本の場合、どんな違った状況が発生するのか?」
「それは、どういった点で問題なのか?」
・・・といった理論を示して欲しいものよね。
(↑こうした論議は未だしてないわけでしょ?)

家長制度は崩壊したのに、この期に及んで風化した理屈を捏ね回すのって、
専業主婦が、(アメリカのベビーブームの際に輸入されたカテゴリーだと知りもせず)
「主婦は仕事などせず、家を守るべき!」
って、有職主婦を非難する構図と似てる気がする。

COO 2005年6月15日 03:04

>ゆりかりんさん
 TBをしてくださった方の記事からたどって色々な意見を読むと、
 「夫婦は同じ苗字を名乗ってこその絆」といわれる方がいらっしゃるのですよね。。。

 韓国も中国も夫婦別姓で、現在のこのひと時を切り取れば、
 両国とも夫婦同姓の日本より濃密な家族関係があります。
 そして別姓による、社会的な混乱も起きていません。
 まぁ、“何が何でも同姓派”は、中韓は女性を“戸籍に入れたくないから別姓にしてえる”と言いたがりますけどね(笑)。
 要は、夫婦別姓は男女差別の産物だというのですよね。
 しかし、夫婦同姓に頑ななのが日本を始め2,3カ国という事実には目を瞑って。
 そして、日本の同姓は、女性が“働き手”や“モノ”としてやり取りされたのに起因することには目を瞑って。


 家父長制度だって同じこと。
 家父長制度は封建制度における一部の特権階級の文化であって、
 同様に、“無職女性”(専業主婦 に近い?)も特殊な職業階級のもので、その数は少ない。
 専業主婦は、一般にはゆりかりんさんが言われるように、戦後のベビーブーマーの頃に出てきた、
 所謂“所得倍増計画”をサポートする一機能でしかなかったのに、 今では、既得権益のような扱い。
 男を働らかせるための“人参”だったのにね。。。

 それを有職女性と対立させる構図もなんだかなぁ。。。と思います。
 家だけ守ってきた女性なんて、2600年を数える日本の歴史においてもここ30年の特殊な事象なのにね。
 関係ないけど、“有職”って“ゆうしょく”じゃ変換できないのね(笑)
 “ゆうそく”(=深い学識を身につけている事)でやっと。。。(^^;


 いずれにしても、時代の風を読めない人が政治家というのも、
 ある意味、国民が不幸です。
 そして、そんな政治家を選んだ国民は不明を恥じなければなりませんね。。。

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