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名前を変えるより、中身をそっくり入れ替えたら?

<年金不正免除>小泉首相、川崎厚労相ら怒り隠さず


 社会保険庁による国民年金保険料の不正免除問題は29日、全国的な広がりを見せ始めた。改革政権の終わり近くに、同庁の「懲りない体質」が小泉改革の底抜けぶりをあらわにしたため、小泉純一郎首相や川崎二郎厚生労働相も怒りを隠さない。
 小泉首相は同日、首相官邸で記者団に「社保庁の職員の中に政府の改革に反対している勢力がある」と厳しく批判。自民党役員会でも「政府の改革に反対して既得権益を維持しようという勢力に乗らないよう、党も考えなければいけない」と指示した。だが、同庁も政府の一部。首相の怒りは自己矛盾でしかない。

 同日の参院決算委員会では民主党の松井孝治氏が、川崎厚労相を「自分の首が飛ぶぐらいの決意を示さないのか」と追及。厚労相は「私の首が飛んだって、その人たち(不正に関与した職員)が苦痛を感じるのか」と開き直った。
 さらに、厚労相は「(更迭した社会保険事務局長以外にも)まだまだ問題のある人はたくさんいる。(実態把握に)外部の目を入れなければならない。私が政治生命を懸ければ正しく報告してくれる人たちが相手なら、こんなことを言わない」と、同庁の体質改善の難しさをこぼす始末だ。
 今回の問題は、日本の公的年金が抱える制度矛盾も反映している面がある。日本は、保険料を払った者が給付を受ける「自己責任」を原則とすると同時に「国民皆年金」も掲げる。米国式の徹底した自己責任原則はなじまないとして編み出した折衷案だ。負担できない人には免除制度を設け、負担ゼロだった人にも将来、税金投入分は年金として給付している。
 ただ、保険料を独自財源に抱える厚労省にとっては「社会保険方式の維持」が至上命題。未納が増えて「皆年金」が揺らぎ、「財源は保険料でなく全額税方式にすべきだ」との声が強まることを最も警戒している。今さら皆年金の旗は下ろせないため、無年金者が減り、見かけの納付率が上がる不正免除に手を染めた側面がある。
 同省は「社会保険方式と皆年金両立」のタテマエを守るため、皆年金の定義を「皆に支給を」から「皆に加入の機会を」に変えようとしているが、なおざりな「改革」姿勢が、結果的に重大な組織的不正につながった。
 それでも、川崎厚労相は同日、自民党の細田博之国対委員長と会い、村瀬清司同庁長官の辞任は必要ないとの考えで一致。衆院で審議中の社会保険庁改革関連法案の会期内成立を図ることも確認した。細田氏は「村瀬氏を辞めさせるのでなく、この問題も含めて社保庁全体の改革を進めていくべきだ」との考えを示した。【吉田啓志】
(毎日新聞) - 5月30日1時22分更新



全くねぇ。。。
この問題を聞くに、社会保険庁の体質が以前として変わっていないと言う人がいる。
まぁ、小手先の不正で辻褄をあわそうとする辺りの体質は変わっていないのかな。
でも“手口”を見るとある意味“変わった”のかなとも思う。

この問題で社会保険庁に対して怒らなければならないのは、まじめに払っている人ではなく、無断で免除された人だよね。
マスコミは、“まじめに払っている人”に“もっと怒れ”と言っているけどね。
まじめに払っている人は、払い終わった時にその時の計算で満額をもらえるけど、無断で免除された人は後の保険納付期間が終わった時に計算上の満額の1/2~2/3しかもらえないのだから。
いつの間にか年金保険料納付の催促が来なくなってラッキ~だなんて思っていたら、いつの間にか免除申請されていたりしてね。
減免期間の1年が経って、また催促が来るようになってから請求額を払うと、請求が来なかった期間の年金が減額されてしまうという人も出てくるだろうね。
自分で希望したわけでも、過失でもないのにね。
最近、納付の催促が来なくなったなぁと思ったら、確認した方がいいかもしれない。
因みに、納付免除、猶予者は10年間なら追納できる。
自ら希望して納付免除になった人なら後で払い込む事も可能だけど、免除措置とられていると意識していない人は払わないままだったりするよね。


今回の件は、年金保険料の未徴収が続く社会保険庁はお金を出したくない人からの保険料徴収のを諦めて保険料を支払わない人には税金で保証される分しか年金を支払わないと言っているに等しい。
これは保険料の徴収に無駄な費用をかけないという意味で、理にかなっているよ。(←イヤミ)
ついでに言うならば、今の年金保険の仕組みは世代間扶助なのだから、“今”払っていない人は“今も”恩恵を受けない、すなわち、その両親に支払われる年金から相当分を減額したら?(←ホンネ)


で、この数字さえ辻褄が合っていればどんな不正をしてもイイという考え方は、社会保険庁に蔓延している体質?
こんな不正をしている事業所が1つや2つじゃないものね。
本来都道府県内で留まっているはずの組織なのに、都道府県を横断して同じ不正が行われるという事は、中央からの大号令の元に行われたと考えるの自然だよね。
と考えると、村瀬長官の弁解の言葉って虚しいね。
あ、村瀬長官って、保険者に代わって勝手に保険契約をして業務停止命令を受けている損保ジャパンの出身だっけ。。。
あ!え? もしかしてこれって、村瀬長官の発案?
まぁ、村瀬長官の発案じゃないとしても、保険業界出身の長官の意を汲んたという事なのかしら?(苦笑)


この不正申請に関して長官が関与していないとしても、これだけ組織横断的に不正が広まっている上、不正申請が発覚しての不正隠しもあるのだから、組織の責任者は相応の責任を取るべきだよね。
長官、各都道府県の事務局長、他に関係者はすべて更迭。
そして職員が少なくなった社会保険庁を都道府県単位ではなく全国で1本化すればいいじゃん。
社会保険庁もスリムになって、不正にも目が届きやすくなり、職員が少なければ不正や無駄を考える暇もなくなるでしょう。
組織を“ひらがな”にするより、よっぽど組織改革になると思うけどな(笑)

Comments:7

まる 2006年5月31日 01:13

村瀬長官GOODJOBって感じですよ(^^)

ターゲットの設定方法、指示のやり方、いろいろ問題があったにせよ、納付率が低迷しているんだから何かしらのノルマが課せられるのは当然の状況じゃないですかー。
それが、こんな無理なノルマを課すから、こういう事態になったみたいな事を平気で言う人は訳分からん。
村瀬激動通達文書の行動3点セットに「免除申請」があったから、それにわらわら飛びつく腐った組織ですね。
以前から、年度末に勝手に免除申請をやって、年度が開けたら解除とかやっていたそうですから、手馴れたもんでしょう。それが、ノルマがきつくて大規模にやりすぎたダケでしょうよ。
各都道府県の事務所もデータの提出を拒み隠蔽していたようですから、組織としては終わっていますね。
いかに、ダメダメな組織かわかったから、ひらがなにする以外の事をして欲しいね。
それを分かりやすい形で提示してくれた言うだけで村瀬長官は立派に仕事こなした言っていいや(笑)
崩壊したほうが改革に近いよ、ホント。

COO 2006年5月31日 14:37

>まるさん
 > こんな無理なノルマを課すから、こういう事態になったみたいな事を平気で言う人は訳分からん
 なんだか、村瀬長官にそんなFAXを送った勘違いクンが居たようですね。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060530-00000117-yom-soci

 形は色々あれど、民間企業であれば売上や利益目標達成のためのノルマは少なからずあるはずですよね。
 ノルマを果たす事が悪いのではなく、ノルマを果たすためにとった手段が悪いのに、
 “ノルマ”のせいにするのはどうなのでしょうね。
 おまけに、不正であることを承知でしているのに、「悪い事だとは思っていない」などという職員も居るとか。
 こまったものです。

 本当に、一度完全に壊れてしまうのが、“改革”になりそうですね(笑)

Hiko 2006年5月31日 19:43

 私の大切なお友だちのCOOさんだから、揚げ足取りじゃなく訂正です。昨年度まであった保険料全額免除だとその部分の年金は1/3、半額免除だと2/3になります。国庫負担割合が現状は1/3ですから。今年度から4/4~1/4免除の4段階になりますし、将来国庫負担割合が1/2になればまた年金額は変わります。
 保険料の追納は10年間できますが、翌翌年度を過ぎると利子に相当する部分の保険料が増えてしまうので、結局は本人にとっていいこと無いですね。

 ところで・・・この問題で、免除を受ける条件が揃ってない人まで免除してたってことは無かったですよね? よく分かっていない私^^;;

まる 2006年5月31日 21:13

ほんとだ、びっくりです。
まだ世の中には4%やそこらの失業率。
「おまえがやらないなら、俺(私)にやらせろ!」とてぐすね引いて待っている人はたくさん居ると思いますよ。
一回、クビになって失業してみたらいかがでしょうか、この人。
それこそ、お得意の免除申請を書けますよ(笑)

意欲があっても働く機会が無い、、、、そんな経験をしてみたらいいんです、ノルマがヤダなんて、、、ほんと、厚顔無恥とはこのことか。
今まで、何も成果も出さずにしかも預かった金を食いつぶし、弁済を請求されないだけでも感謝しなければならないだろうが。
なにが「現場にあまりにも配慮のない書き方に、」馬鹿か?
村瀬長官でなくとも、「お前なんか辞めてしまえ!」と思うだろうよ。

COO 2006年6月 1日 00:24

>hikoさん
 訂正ありがとうございます。

 ところで、訂正していただいてもよく理解していないのですが、
 昨年度の全額免除対象者が、
 例えば障害などで昨年中に年金を支給された場合、
 それまでの払い込み期間相当分の全額+免除期間相当分の1/3が支給されると言うのは解るのですが、
 同じ人の今年度の支給分から昨年度の免除期間相当分が1/4に再計算されて支給されるという事なのでしょうか?


 不正免除に関しては、“予定者”(資格者)を登録してしまうケースと、
 未納者を代理申請するケースがあるらしいのですが、
 代理申請という以上、一応資格者だと思っていますが、どうなのでしょうね?


>まるさん
 そういえば、失業率も数字のマジックで分子が正確ではないですよね(笑)

 公立学校の教師も、教師の“業績”は“評価に向かない”なんていっていますね。
 公務員って、自分の仕事は誰からも目標も与えられず、ダレからも評価もされない仕事だと思っているのでしょうか。。。?
 だとしたら、かなり世間ズレしていると思います。。。

Hiko 2006年6月 2日 00:49

 まず障害年金ですが、それまでの免除を含む保険料納付期間が加入期間の2/3以上あれば全額給付されるので、老齢年金のような免除による減額はありません。
 国庫負担割合が1/3から変わっていないので、昨年度が全額免除、今年度が3/4免除となった場合、昨年度相当分の年金が
1-(2/3*4/4)=1/3に、今年度相当分の年金が
1-(2/3*3/4)=1/2に減額され再計算は行われません。
 こうしてみると、障害年金のほうが旨みがありますね。免除の制度があるのだから、加入だけはしておくべきですね。

COO 2006年6月 4日 22:27

>hikoさん
 ご説明ありがとうございます。

 年金というと、老齢年金をイメージする人が多いですが、
 年金に加入していなかったために障害年金をもらえない若い人(老齢年金受給年齢に達していない人)が
 数多くいるとか。。。

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