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NPTは有名無実化?

北朝鮮が核実験を行った。
個人的には、アメリカ(ブッシュ政権)と中国(中華人民共和国)が金正日を付け上がらせたと思っている。
今回の実験も、アメリカに対するパフォーマンスなのだろう。
アメリカの対応としても、ダダを捏ねているだけの北朝鮮を“無視する”という対応もあるのだろう。








北朝鮮が核実験を行う事が明らかになった先週、ネットで見かけたこの記事には私自身同意する事が多い。

親愛なるオバマ大統領 核の傘は本当に機能していますか? 5月18日2時56分配信 産経新聞

 親愛なるオバマ大統領閣下

 突然のお便り、まことに失礼いたします。大統領が今年1月に米国の新たな指導者に就任して以来、4カ月近くがたとうとしております。この間、100年に一度といわれる不況の克服に向けて精力的に動く一方、イスラム原理主義勢力が伸長しているアフガニスタンへの米軍増派やパキスタンへの支援を決定するなど、内政と外政の両面でまさに席の温まる暇もないような日々を過ごしておられると思います。大統領が多忙を極めるなか、このような便りを送るのは、非礼にあたるのは承知しておりますが、お許しください。
 大統領の4カ月近くにわたる執務の中、注目されたのが、4月5日にチェコのプラハで行った「核廃絶演説」です。ちょうどこの日、北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射したため、残念ながらわが日本国内では、大統領の演説は大々的に取り上げられませんでした。
 しかし、この演説は、大統領が就任後に行った数々の演説の中でも、極めて重要な意味を持つものだと思っております。かつては共産主義政権下にあり、米国のミサイル防衛(MD)の施設建設が予定されているチェコを演説の場所に選んだことや演説のタイミングが、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射で緊迫した状況下だったことなどを考えると大統領の政治的センスの抜群さがよく分かるような気がします。
 大統領の演説を要約すると次のようになるかと思います。
・米国は核兵器のない世界に向けた具体的な措置を取る。ゴールにはすぐにはたどり着けない。おそらくわたしが生きている間ではない。しかし、「イエス ウィー キャン(わたしたちはできる)」と主張しないといけない。
・冷戦思考に終止符を打つため、われわれは国家安全保障戦略における核兵器への依存度を下げ、他国にも同調を促す。
・世界に核兵器が存在するうちは、米国は安全な方法で核兵器を維持する。敵を抑止し、同盟国に安全を保障するためだ。
・米国は核兵器を使用した唯一の核保有国として行動する道義的責任がある。
・米国、ロシアの戦略核をさらに削減する新条約を今年末までにまとめる。
・米国は1年以内に「世界核安全サミット」を主催する。
 (ちなみに大統領の演説の日本語訳は、駐日米国大使館のホームページに掲載されています。興味のある方はアクセスしてみてください)
 核兵器を廃絶することができたら、まさに軍縮の歴史上、いや人類史上でも画期的な出来事といえるでしょう。大統領自らが指摘しておられるように、確かにわれわれの世代では核廃絶の実現は難しいかもしれません。しかし、“核超大国”の国家元首でありながら、率先して核廃絶を提唱し、それを主導するであろう大統領の名前は、後生の歴史に大きく刻まれることは間違いないと思います。
 ただ、気になることがあります。わが日本は、米国と軍事同盟を結び、その安全保障のかなりの面について、核戦力を含む米国の抑止力に依存しております。中国が核戦力の近代化をはじめとする急激な軍拡に突き進み、北朝鮮が核実験の再開を表明するなど、わが日本を取り巻く国際環境は悪化の一途をたどっています。また、極東地域でのロシアの軍事活動が活発化していることも見過ごすわけにはいきません。
 わが日本政府は「作らず、持たず、持ち込ませず」という非核3原則を掲げる一方、中国や北朝鮮などから核兵器による恫喝(どうかつ)や軍事力による攻撃を受ける恐れがある場合、米国による核の拡大抑止(核の傘)をはじめとする抑止力によって、そうした事態を回避することを安全保障政策の柱に据えています。
 北朝鮮が2006年10月に核実験を強行した直後、日本を訪問した当時のライス米国務長官は麻生太郎外相(当時)との会談で「米国は日本防衛の義務を果たす」と述べました。このライス氏の発言は、日本国内では、日本に対する米国の核の傘は今後も有効に機能するということを強調したと受け取られました。
 4月5日に長距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮は、自らを非難する国連安全保障理事会の議長声明が全会一致で採択されたのを受けて、6カ国協議からの脱退や核実験を再開することを表明しています。こうした中、共和党から民主党に政権が移行しても米国は日本防衛の義務を果たす用意があるというのは変わらないのでしょうか。
 大統領ご自身はプラハでの演説で、世界に核兵器が存在するうちは、核の傘を含む核抑止力を維持する考えを示しておられます。しかし、一説によりますと、キッシンジャー元米国務長官は「超大国は同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない」と語っていたといい、CIA長官を務めたターナー元海軍大将も「もし、ロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をかけるはずがない」と断言していたといいます。
 わが日本にとっては、北朝鮮の核開発やミサイル開発は大きな問題ですが、すさまじ勢いで軍拡を続けている中国の脅威の方が深刻度が高いといえます。
 米国のチャールズ・フリーマン元国防次官補が1995年に北京で、中国の熊光楷副総参謀長に北京で会った際、「われわれにロサンゼルスを攻撃されたくなかったら、台湾紛争に介入するな」と恫喝されたといいます。さらに、2005年には国防大学の高級幹部、朱成虎少将が「中国は西安以東のすべての都市が破壊されることを覚悟しており」「米国も当然、西海岸の100以上、もしくは200以上、さらにはもっと多くの都市が中国によって破壊されることを覚悟しなければならない」と語ったとされています。
 果たして、米国の核の傘はいざというときに、本当に機能するのでしょうか。日本国民の一人として大統領に次のことを率直にお聞きしたいと思います。

 (1)ロシアや中国は、米国本土を直撃できる長距離弾道ミサイルを保有しています。北朝鮮もいずれは米国本土に到達可能な弾道ミサイルを開発するでしょう。こうした状況の中、ワシントン、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコなどの大都市を犠牲にしてでも日本防衛の義務を果たす覚悟はおありですか。
 (2)米国の日本防衛の義務は、核戦力によって行われるのでしょうか。それとも通常戦力にとどまるのでしょうか。それとも核戦力と通常戦力がそれぞれ使用されるのでしょうか。
 (3)米国の日本防衛の義務は、いかなる事態に至れば果たされるのでしょうか。日本が核の恫喝や武力攻撃を受けてからでしょうか。それとも核の恫喝や武力攻撃を受ける恐れが出た段階なのでしょうか。そして、「これは核恫喝だ」「武力攻撃を受ける恐れがある」などの判断は一体、誰が下すのでしょうか。わが日本政府ですか。それとも米国でしょうか。
 (4)(3)の質問との関連ですが、わが日本政府と米国との判断が異なった場合は、どうなるんでしょうか。
 (5)日本が核の恫喝や武力攻撃を受けても、米国が「日本の被害は軽微だ」と判断したり、そのときの日本や米国を取り巻く国際情勢などを勘案して、軍事行動に踏み切らない場合もあるのでしょうか。
 (6)米国が報復の軍事行動に踏み切る場合、事前に日本側との協議はなされるのでしょうか。
 (7)(6)の質問の関連ですが、報復の攻撃目標選択はどのようになされるのでしょうか。軍事施設に限定されるのですか。それとも大都市も入るのでしょうか。攻撃目標選択の際、日本側の意向は反映されるのでしょうか。日本側が人口が密集している北京、上海、平壌、モスクワなどを報復攻撃の目標にすべきだと主張した場合、その主張はどの程度考慮されるのですか。
 (8)私自身は、わが日本政府が掲げている非核3原則には非常に強い疑問を持っています。わが日本への脅威の深刻度が年々増しているのだから、少なくとも3原則のうち「持ち込ませず」を今すぐに見直し、米国の核の傘の信頼性をより一層、高めるべきだと思っています。大統領は、米国の同盟国である日本が非核3原則の見直しに動いた場合、どう反応されますか。
 (9)わが日本も加盟しているNPT(核拡散防止条約)は、その10条で「異常事態が自国の至高の利益を危うくしている」と認める場合、加盟国は条約から脱退する権利を持つと規定しています。北朝鮮が再び核実験を強行した場合、わが日本にとっては「異常事態が自国の至高の利益を危うくしている」事態に相当すると思っています。いや、非道なテロ行為である日本人拉致を国ぐるみで繰り返した北朝鮮が2006年10月に核実験したのだから、すでにそうした事態に至っているといってもいいと思います。大統領はどうお考えでしょうか。
 (10)(9)の質問との関連です。私自身は、主権国家であるわが日本が自らの国家の安全を守るためには、独自に核武装する選択肢も捨てるべきではないと考えています。「日本が核武装すれば、ドミノ式に核が世界中に拡散し、世界が不安定化する」との理由で、日本の核武装に反対する声があります。しかし、日本は唯一の被爆国として、これまで率先して核廃絶運動に取り組んできました。にもかかわらず、中国は核戦力を遮二無二近代化し、インドやパキスタンは核実験に踏み切り、北朝鮮もその後に続きました。第2次世界大戦後、日本が世界の安全保障を揺るがしたことは一度だってありません。ほかの国々が国際社会の秩序を乱しているのです。わが日本国内で起きている核武装をはじめとする核に関する論議は、共産党一党支配を続けるどこかの国のように覇権を追求のためのものではなく、自らの安全を守るため「やむにやまれず」といったものです。大統領は、わが日本国内の核論議をどうごらんになっていますか。
 (11)わが日本は、弾道ミサイルの脅威に対応するため、米国の技術をもとにMDの配備を進めています。しかし、わが日本が配備を進めているMDは、北朝鮮の弾道ミサイルを想定しているもので、中国やロシアの弾道ミサイルには対処できないとの指摘も出ています。また、北朝鮮がミサイル開発を進め、多弾頭化などを実現すれば、飛来する弾頭のすべてを撃破できないともいわれています。核弾頭が積載されたミサイルが一発でも東京や大阪などの大都市に落ちれば、甚大な被害が出てしまいます。本当にMDは有効なのでしょうか。数兆円の巨費を投じてMDを配備しても、核弾頭を撃ち漏らしてしまい、何十万人もの死傷者が出てから「やっぱり、MDは完全な防御兵器ではなかった」といわれても遅すぎます。
 以上、世界のリーダーであり、国内外のさまざまな問題に対処しなくてはならない大統領に対しては、はなはだ失礼な文面かもしれません。しかし、大統領が「核廃絶演説」を行ったのを機に、これまで疑問に思っていたことを率直にお尋ねしたいと思っております。
                          2009年5月17日
                産経新聞東京本社編集局政治部次長 笠原健

最終更新:5月18日2時56分


日本には、北朝鮮、ロシア、中国の工作員も多く存在するので、それらの国からの侵略を“是”とする人も居ない訳ではない。
でも、“日本人”としては、それらの国からのいかなる侵略も受け入れる事はできないと考えるのが当たり前。
そんな“日本人”が“非核3原則”を受け入れているのは、日本が“持たなくとも”、アメリカが“核の傘”で護ってくれると信じての事だ。
しかし、アメリカの高官言ったとされるように、本当に「超大国は同盟国に対する核の傘を保証するため自殺行為をするわけはない」、「もし、ロシアが日本に核ミサイルを撃ち込んでも、アメリカがロシアに対して核攻撃をかけるはずがない」のであれば、日本も核兵器を持たなければならない。
それは、精神異常者を国家の最高権力者として崇める国が傍にあるから。
そして、その国が今も核兵器の実験を繰り返しているから。
更に言うならば、その異常な国は、アメリカと共に日本も敵対視し、日本の国土を焦土化することを既に明言しているから。


引用した文章では“中国の脅威が大きい”と言っているけど、北朝鮮にすら対等の関係で交渉できない日本を中国は舐めているだろう。
日本は、中国、ロシアからの危機以前に、目の前に挑戦状をぶら下げている北朝鮮への対応が重要だと思うよ。
此処で対応を間違ったら、中国やロシアの思うがままだからね。


個人的には、日本も核兵器を持てるだけの研究はすべきだと思う。
研究をすることは憚る事ではないと思うし、核を平和利用するのか軍事利用するのかは紙一重。
アメリカの同盟国への責任感が揺らぐ今、国土、国民、国民の財産を護る為に、核兵器の“研究”をすることは悪い事ではないと思うけどな。。。

って、仮に、そうなればNPTは有名無実になるか。。。(^_^;

Comments:2

まる 2009年6月 4日 15:01

>日本も核兵器を持てるだけの研究はすべきだと思う。
これこそが、中国が一番恐れる事。
実戦配備をしなくとも、研究はするべきだと思います。
政府関係者&閣僚経験者が、そんな発言をするのも、かけひき、交渉事の1つでしょ?
マスコミがガタガタ言う事も無いでしょうよ。

COO 2009年6月 6日 01:28

>まるさん
 > 実戦配備をしなくとも、研究はするべきだと思います。
 ですよね。
 研究する・していると発言するだけでもいいと思います。
 それこそ、北の将軍様が言う「抑止力」になるかもしれません。
 まぁ。。。北のおバカさんに火をつける結果になりかねないのが
 悩みですが。。。(苦笑)

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