- 2005年2月22日
- 01.時事寸評
「情報とカネを握る者が世界を制する。」
この言葉を聞いたのは、いつだったかな。
未だ学生の頃に聞いたから、もう20年前の事になる。
当時、経営の3要素は「ヒト」、「モノ」、「カネ」と言われていたが、その頃からこの3要素に加えて「情報」が言われるようになった。
もっとも、企業経営に限らず、戦争においては「情報」を握るものが“勝ち”だとはかなり以前から知られる事で、先人は「情報」をいかに自分のモノにするかに凌ぎを削っていた。
さてその情報だけど、数年前までは社会にもたらされる情報の多くをマスコミが握っていた。
マスコミとは、新聞やラジオ・テレビなどの放送だ。
日本に限らず、民主主義を掲げる多くの国でマスコミの言論の自由は保証されていて、マスコミは事実の報道だけでなく、各社各様の解釈や主張を入れて“報道”を行っている。
で、そのマスコミがどれも同じ方向を向いて何かのキャンペーンを張っている時って、胡散臭いものだ。
何となく、戦時中の大本営放送みたいだものね。
最近のlivedoorに関する報道も、各社同じ方向をむいて報道していて、なんとなくマスコミ側に胡散臭さを感じてしまう。
livedoorとフジテレビって、「守旧対新興」と捉えられがちだけど、どうなんだろう?
「マスメディア対ネット」と言う見方があっても言いように感じる。
と言うのも、度々マスコミは“ネット悪者論”をぶち上げるように、ネットに敵愾心を持っている。
そりゃそうだよね。
ネットって、マスコミ・マスメディアを脅かす存在だものね。
脅かすと言うのは、最近アメリカであったように、bloggerがマスコミの嘘を暴いてTOPの責任問題にすると言う事だけではなしにね。
ネットって草の根で広がった経緯があるせいか、ネット上の情報は“無料”である事が多い。
新聞社が配信するニュースも無料でかなりのモノが手に入る。
最近は、ネットで新聞記事が読めるし、各社の読み比べが出来るから新聞を購読していない人も良く聞く。
NHK以外の地上波テレビ局の情報は無料だけど、これは広告主がその費用負担をしている。
でも家庭でもデジタル録画が容易に出来るようになって、番組をデジタル録画しCMを飛ばして見るというスタイルもかなり普及している。
そうなると、広告主もテレビで広告を出す意義がなくなる。
同じ広告を出すのであれば、ネットなら“成功報酬”という手段があって、広告によって買い物ををしてくれるなど、“成果があった時”に広告料を支払う事も出来る。
業種によっては、テレビや雑誌に広告を出すより、ネットで成功報酬型の広告を出した方がコスト安になる。
今は一覧性や、情報の保存性(読み返し)などで紙媒体が良かったり、エンターテーメントなどのコンテンツの豊富さや豪華さ(お金をかけたコンテンツが多い)で既存のマスメディアの方が優位だけど、企業としての収益性を考えるとマスメディアは先細りになりそうな感がある。
そういった状況の中で、マスメディアがネットを取り込む形だったら我慢できるものを、逆にネットにマスメディアが取り込まれるのがイヤなのだと思う。
それでマスコミが一斉にlivedoorに猛反発したのだろうと思う。
それでも、楽天やyahooにマスコミ参入の気配が無いと安心したのかな、最近になって少し風向きが変わったようだ。
テレ朝あたりは、ホリエモン叩きのヒステリックさが無くなってきたように感じる。
もっとも、テレ朝は、ライバルのライバルを味方にしたいのかも知れないけどね(笑)
それにしてもなぁ。。。
マスメディアにはマスメディアの良さがあり、またマスコミにはマスコミしかできない事やすべき事がある。
そして何より、組織力のあるマスコミには、我々個人のbloggerにはできない事が出来る。
それなのに、こんな記事を書いていてはダメだよなぁ。。。
産経新聞 社説 【主張】堀江氏発言 産経を支配するって? 少し考えて言ったらどうか
正論も産経もいい記事も書いているのに、こういう品のない記事を載せると台無しになるね。
報道機関の一員が書いたと思えない文章。。。
何がダメって、他誌のインタビュー記事を読んで感想を社説として書いている所。
マスメディアって、その情報が一次ソースに近いから価値があるのだと思うのよね。
他人のバイアスがかかったものではなく、自分で取ってきた情報を分析するから価値があると思うのよね。
だから、ちゃんとホリエモンに取材して、裏を取ってから書くべきだと思うのよね。
フジ・サンケイグループって、敵対する相手に取材もしてはいけないのかしら?
他人が書いたものをベース(鵜呑み)にしてモノを書くんじゃ、私と一緒じゃん。
これじゃ、ホリエモンが12月6日の江川紹子さんのインタビューで言った、市民記者の記事を集めた新聞の方がマシかもしれないよ。
モノを書いて食べているプロなら、もっとプロらしい仕事をして欲しいと思うのよね。
産経新聞(の記者)が正論の存続の望むのは心情として充分理解できる。
でも、自分たちの“仕事”でホリエモンに“お金を出したい”と思わせられないのを情けないと思わないのかな。。。
全然関係ないけど、家ってテレビの電波が入らないのよね。。。
一応首都圏で、周りには山もない。
なのに何でなんだろう?
電波が国民のモノと言う人、私もその国民の1人なのよね。
もしかして機会損失している?
と言って、「電波を使わせてください!!」な~んて事は思わないけどね。
でも、テレビが“電波”を使わなくなる日も来るかもしれない。
電波ではなく、“線”と言うネットワークに頼る日が来るんじゃないのかなぁ。
その頃には、テレビも“ネット”って呼ばれたりしてね(笑)
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Comments:3
- rumirin 2005年2月23日 00:44
すみません。文字化けしちゃいましたぁ〜m(_ _)m
>戦争においては「情報」を握るものが“勝ち”
すなわちメディアを制するという事は、国家の安全保障にも関わる問題でもある。ということです。>最近のlivedoorに関する報道も、各社同じ方向をむいて報道していて」
どこをどう解釈して同じ方向なのか?再度よく各紙見比べてみてはどうでしょうか?
そこの本質を見抜けぬ限り、論争してもしょうがないのですけど・・・。>マスコミは“ネット悪者論”をぶち上げるように、ネットに敵愾心を持っている。
完全なる思い込みの激しさ。メディア融合もデジタル放送化において各社バラツキあれども視野において進め動いてます。
堀江氏はそのスピードが遅いと言っているだけ。いまだそのような認識をしているのは、いくらなんでも古くて、見くびり過ぎです。
あなたの知らないところでもっともっと先に時代は進んでます。
もちろんショーとかが全てではないですが、もう少しそのあたりも勉強した方が良いと思いますよ。ただ、問題なのはどこまで視聴者がついてこれるか。パソコンの前に向かってる者だけが世論ではありません。
進化における弊害、その側面と、またその周辺の環境実態を把握しなければ、いくら未来を提起したって無理。
時代がいくら進んで便利になろうが、生きていけさえすればいいという人はたくさんいます。
かえってそうしたところの依存度が高まれば高まる程、必ず問題は生じます。
「こうしたらついてくる、ああしたら絶対便利だからくいついてくる。」そう考えるのはIT技術者の思いあがりでしかありません。
利便性と生活がどう結びつけるのか?ではなく、どう結びつくのか?
そうした発想をもてないと、ITバブルの崩壊が早まるでしょう。>他誌のインタビュー記事を読んで感想を社説として書いている所。
引用しての抗議が感想?>ホリエモンに取材して、裏を取ってから書くべきだと思うのよね。
客観的な事例ならもちろん一次ソースをたどるべきです。取材においては。
しかし、今回、直接それをひろって記事にするのは産経新聞の役割ではありません。
なぜなら、ニッポン放送というワンクッションあれども、ホリエモンが狙う当事者に当たりますから。
もし、仮にそうした取材によって、批判すべき部分があって社説にあげられても、あなたはそれを信用しないでしょう。
彼の言い分だけストレートに書かれたら、あなたは信用するのかもしれませんが。
客観的に考えれば、それは異な事ですよね?わかります?
間にフィルターがあるから両者、言い合えるわけです。
フジもメディアだし、ホリエモン自身も必要以上なぐらいメディアに露出し、
利用してそれぞれ論を繰り出してます。逆に考えればサンケイの方がむしろそうした立場では不利であると思います。
あなたが産経の社説の内容云々抜きにして、その手法を批判しているのはかなり筋違いというものです。>市民記者の記事を集めた新聞の方がマシかもしれないよ。
今の各紙の記者以上に社会的責任を負えない者に、記事を書かせて信用できますか?
あなたは2チャンネルでの情報をそのまま信用することができますか?そんな情報欲しいですか?
エンタメでランキングとなるとさらにデタラメな報道が生まれるのではないでしょうか。
現状がいいとは言いませんが、そのデスクすら存在しないチェック機能の無い情報の垂れ流しで、
世の中が噂の汚染にさらされるのでしょうか。
まったくマスコミの存在理由を認識していないホリエモンの軽率な発言の羅列にすぎなかったです。結局論点が技術論だの経済論、またはメディア論にすり替えられてます。
もちろんそれもそれぞれ大事ですが、事の本質は、敵対行為を取っておきながら、
友好的に提携を結ぼうとする不可解な行動が問題なのです。
あなたはいきなり自分の家が襲撃された後に、すかさず仲良く一緒に住もうと言われ、「よろしく。」と頭下げます?
こうしたブログのトラックバックなんかでも、SPAMで真っ向から攻めてきた業者と仲良く手を組んでアフェリエイトしようとお考えになりますか?
投資とて、いくらお金の世界といえども、その相手は人です。経済の世界にだってマネーだけじゃなく、マナーはあります。
まずはこうこうこうした提案があって「おたくと手を結んでやっていこうと思うのですが、そちらの考えはいかがですか?」というのが友好的提携。
威圧的提携はそうした話の上で、動きをちらつかせながら行う行為。場合によっては先の話を進めた後に、
そうした行動にでるのは認められるでしょう。
戦争にだってルールはあります。条約等のみでなく、倫理的にゆだねられる部分も多く存在します。
劣化ウラン弾やロボット兵器の使用、どんどん進化していきますが、それを許せますか?
しかしテロは国と国との争いでないから、さらにルールや倫理も無視されてしまう。今回の彼の行為はテロに等しい手法です。
他が行っているからやっていいというわけでもあらず、先に述べたようにひいては安全保障にすらなりうる公器にかかわることでもありますから、
こうした事例を放置される事は許されないのです。
もちろん、それを扱う立場としての社会的責務を果たせなかったサンケイグループにも罪はあります。
先々のポジティブな話ばかりでなく、その裏で派生する問題も同時に考えて行かねば上辺だけの未来に踊らされて、
せっかくの技術革新も失速させてしまうでしょう。ところであなたはライブドア何株ほどお持ちですか?
- COO 2005年2月23日 18:07
コメントありがとうございます。
初めにお断りしますが、私はlivedoorの社員も株主でもなく、
livedoorとなんの利害関係のある者ではありません。
> メディアを制するという事は、国家の安全保障にも関わる問題でもある充分に認識しているつもりです。
rumirinさんは、“国家の安全保障に関わる”と言う観点で現経営陣が堀江氏と比較して
メディアを制するものとして相応しいとお考えなのでしょうね。
でも、私は、現経営陣の国家安全保障上の考え方を吟味している訳で無いので、
どのメディアの経営者も、国家の安全保障に関わる業種の経営者として相応しいとは判断していません。
そういった意味では堀江氏に対しても、相応しくないとも判断していません。
私が知るのは、堀江氏がエンターテーメントや経済問題を扱うマスコミに興味がある事と、
ベンチャー企業の社長、自身の年齢という点で見劣りする(?)社会的立場を
既存の優良企業を所有することで、箔をつけようとしていると言う事だけです。
彼が、マスコミを選んだ点に関して、安全保障上の問題を考慮したとは思っていませんが
現在、マスコミ株を所有する株主、例えば村上ファンドなどがそのような事を考えているとも思えず、
その点で経済人である堀江氏が責められるべきとも思っていません。
> どこをどう解釈して同じ方向なのか?再度よく各紙見比べてみてはどうでしょうか?そうですね。
堀江氏が株を取得して直ぐの1週間程度の主要紙の報道姿勢をみてそう感じましたが、
日本で発行される全ての新聞を読んだ訳ではないので、コメントは差し控えましょう。
> メディア融合もデジタル放送化において各社バラツキあれども視野において進め動いてます。当然存じております。
1つ前の記事で書いたように、メディア融合に関しては堀江氏に言われるまでもないと思っています。
> ITバブルの崩壊が早まるでしょう。ITはもはやバブルの時代ではなく、堀江氏もその辺りに危機感を持っているので、
IT技術の適応できる分野の裾野を広げようとして居るのだと理解しています。
> 引用しての抗議が感想?私は、あれは感想に過ぎないと思います。
あの社説は感情でものを言っているに過ぎず、とても冷静さを感じません。
そういった意味で、私は“感想”だと思っています。また、抗議であれば、直接堀江氏にすればいいと思いますが、
言論機関という立場をとって、公に個人を批難、バッシングするのは、適当な方法ではないと思います。
一種のペンの暴力すら感じます。さらに、AERAといえばライバル会社の発行している雑誌。
堀江氏とどんな会話をしたのか、その全てを乗せているはずも無く、
自社に都合の良いようにライバル会社を叩く刺激になる言葉をチョイスしたに過ぎない記事を元に
それに反応する事が言論機関や報道機関に身を置く人間のすることとも思えません。
それって、朝日新聞に踊らされているに過ぎないと思いませんか?
普段の彼らの報道姿勢のように、
「朝日新聞(今回はAERAになりますが)はこう書いているが、我々が調査した結果によると・・・」というのが、
本来だと思います。
そういう姿勢があるから、普段、私たちは産経新聞の報道する事を信用するのではないですか?
別の所で堀江氏が語ったと言う記事では、他に、日経新聞に対抗でき経済紙を持ちたいとか。
最近の日経紙も“経済紙”と言うにはお粗末になって来つつあり、多くの経済人も“一般紙”扱いをしています。
そういう意味では、ライバルとなる経済紙が出来れば、日経新聞も質があがってよくなると思います。また、市民記者による新聞が出来たとて、それは読者にとっては、「東スポ」と同じような扱いになるのだと思います。
それ程目くじらを立てる必要もないと思います。
で、彼は、産経新聞をそういった娯楽紙にするとは言っていないはずですよ。
確か他の紙名を挙げていたような。。。> 友好的に提携を結ぼうとする不可解な行動が問題なのです
確かに不可思議ではありますが、
私は、彼は既存の優良企業を所有する事が第1の目的だったのだと思いますよ。
で、グループ会社になったならば、“一緒に仕事をできる部分を探しましょう”と言ったにすぎません。
メディアで話す彼を見ていて、“戦略”は後付けに感じます。
元々、フジテレビや産経新聞に対する戦略なんて無かったように感じます。
株主総会での約束を半年たっても実現しないフジテレビに業を煮やした村上ファンドが、フジテレビ揺さぶりの為に書いたシナリオに
彼は上手く乗せられたに過ぎないじゃないかと思っています。
- COO 2005年2月23日 18:22
文字化けしたコメントは、削除させていただきました。
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