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動機付けを考えないと

国民年金の納付率が相変わらず伸び悩んでいる。
昨日の新聞報道によると、47.3%にとどまり、社会保険庁が目標にしている今年度納付率65.7%には遠く及ばない。
また、2004年度の保険料収入は当初の見込み(2兆2200億円)と比べて2600億円不足するらし。
確か、見込みに対する不足額は、2003年度が2350億円だったから、約1割の増加となる、
不足額が増加と言うのはあまり嬉しくない結果だね。

でもね。。。
先日、“国民年金の納付をしていない”という人と話して、今払って居ない人の多くは、今後も払わないだろうなと思った。


国民年金は20歳から納付の義務が発生し、払い終わるのは60歳。
その間の払い込み期間は最長40年。
一方貰う資格となると、老齢年金は、累計で25年以上納付した人。
現在35歳以上で年金保険料を納付したことが無い人は、これからどんなに払っても老齢年金は支給されない。
今は2年以上の過去に遡って支払う事は出来ないから救済措置もない。

今はパラサイトシングルと呼ばれる、30歳を過ぎても定職を持たず親元でブラブラしている人が居るというから、35歳を過ぎて1ヶ月も年金保険料を納付していない人もいるかもしれないものね。
1度は就職した経験がある人であれば、厚生年金に入っているはずだらか、これから払わなければ、過去に払った分(権利)はどぶに捨てることになる。
ただ、政府や社会保険庁が“年金危機”を言い続ける限りは、今払っていない人に、払う動機は持たせられないと思う。
過去に権利があったとしても、これから払う損失を考えると過去の権利を捨てた方がお得だと考える人がいるから。

でもなぁ。。。
先ず、年金は老齢年金だけではない。
障害者年金や、遺族年金など、65歳にならなくても貰える年金がある。
特に国民年金の納付者と言うのは、多くが自営業者なのだから、自分が働けなくなった時に貰える年金ってありがたいんじゃないかと思うのだけどね。。。
障害者年金だったら、1年しか納付していなくても、一生涯もらえるのだから、かなりお得だと思うのだけど、社会保険庁が老齢年金しか宣伝しないから知らない人も意外に多いのよね。

それから、納付期限って何で60歳なんだろう?
厚生年金は70歳まで納付できる。
この10年の差って何だろう?
企業は60歳定年制を採っている所が多い。
最近は65歳定年制の会社もあるが、70歳まで勤められる会社はかなり少ない。
それでも、勤めている限りは納められるのよね。
それなのに、個人事業主って、60歳を過ぎたら仕事をしなくなるのかしら?
そんなはずはないよね。
個人事業主の方で70歳になっても働いている人は多く居る。
そうであれば、希望する人は60歳以降も保険料の納付ができるようにすればいいのに。
長く納付した人は、納付期間に応じて給付額を多くすればいいのに。

給付を納付期間に応じてとするならば(って、今もそうなんだけど。。。)、最低納付期間を25年なんて長くしないで1年でもいいじゃない。
1年しか収めなかった人にも、わずかだけど給付する。

将来若者人口が減ることを考えれば、いずれの方法をとっても今の世代間扶助なんて方式は維持できない。
でも、“年金”というシステムを維持するのであれば、納付できるような動機付けを考えないと。
今のまま、“あなたが納付しなければ、破綻します”じゃ、誰も納める気にはなれない。

そういえば、年金って、“保険”料なのよね。。。

Comments:5

彩庵 2005年2月 4日 21:26

個人的に暴論を(笑)

私は年金システムは早晩崩壊すると考えています。
自分で会社を経営してはいますが、社会保険に加入した際、その企業負担が高かったために、従業員も国民年金に切り替えざるを得ませんでした。
サラリーマンであった父と現役の弟とは、年金の話しになるとついつい大喧嘩になってしまうのですが、企業(厚生)年金と国民年金ではあまりに考え方が違いすぎると感じるからでしょう。

自営業者向けの国民年金の支給金額を見ると、実際に払いたくなくなるのが現実ですし、実は「払えない」という人の比率もかなり多いのです。
たった一万円と見えるかもしれませんが、その一万円さえきつい工場の社長やそこの従業員だっているのです。
社会保険に加入したら、その掛け金だけでやりくりできなくなる零細企業がほとんどなのです。
だから仕方がなく年金はあきらめて、健康保険だけ入るという人も相当数いるのです。

おっしゃるとおり、日本の最低支払い年数25年というのは長すぎますし、たった二年のさかのぼりさえ許してくれないのは、その後成功した人たちが納めたくても納められないのです。
(お笑いの人によくあるパターン)

いい加減にしないと、社会保険一揆でもはじまるやもしれませんぜ^^;

かしこ 2005年2月 4日 21:37

うちの子供、一万数千円が払えませんし、、親ももう負担も出来ないしどうしたらいいのかわからないですね。半額コースって言うの作ったらどうなのかしら。今でも少ない支給額ですから半額じゃ意味ないかなぁ。

それに去年の見直しでほんとに馬鹿らしい支給額になってしまったし。働くと損する感じですからね。ほんとにほんとに頭に来てますよ。

COO 2005年2月 4日 22:42

>彩庵さん

 世界で未だ年金制度が崩壊した国はないのですが、
 日本がその第一号になるのでしょうか。。。

 年金制度が、公務員の恩給から発生したものなので、
 恩給(公務員の年金)制度とベースにした企業年金と
 今の“国民年金”の制度とは違いが出てくるのでしょうね。

 大企業として世間から監視される企業でない企業で
 社会保険に加入していない、出来ない企業が数多くあるのも知っています。
 個人でも社会保険料の負担が大きいと感じるのだから、
 企業は従業員のサマリーですものね。
 
 遡り納付に関しては、この4月から可能になるはず(来年だったかな?)です。
 あとは、払いやすさかなぁ。。。

>かしこさん

 収入が少ない人は申請すれば、半額納付と言うコースもあったような。。。
 国民年金は、申請すれば減免が可能ですよ。
 減免の申請をした場合、将来の給付は減りますが、
 後で、遡って納付する事も可能ですから、一度調べてみた方がいいかもしれません。

 それにしても、“働くと損する”制度って、おかしいですよね。

彩庵 2005年2月 5日 13:13

年金制度を崩壊させないために、税収の一部を年金にしたり、支給の減額と徴収の増額は、年金制度が危険になった国でやっていますね。
政府もはっきりと消費税額アップのうちの何%は年金に使わせてくださいっていえばいいのにねぇ・・・
変になんでも平等じゃなきゃ気がすまない連中があーだこーだいうからごちゃごちゃするだけのような気もします。
努力したものが報われなければ本来はおかしいと思っています。

米国のように年金をはなっから当てにしていないところもあるのですが、私も基本的に老後は自分の力で何とかしようと思っています。
はっきり年金は当てにしていません。

その分いま頑張らないとね(笑)
(これも努力の一種です^^;)

COO 2005年2月 7日 10:26

そういえば、消費税を3%から5%に上げたとき、
この2%の増税分は“福祉目的”に使うと、当時の首相だった護煕君が言っていたような。。。

その後の介護保険新設や年金保険料の増額、
消費税の増税分はどんな“福祉目的”に使用しているのか知りたいものです。
いっそのこと、消費税は全て年金目的にしてくれた方がいいなぁ。。。(笑)

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