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“他行の体力”なんて気にする余裕はあるの?

偽造困難ICカード化、95%の銀行メド立たず

 調査は、全国銀行協会が先月、キャッシュカードを磁気テープ式からIC式に切り替えるなどの対策を公表したのを受け、個人向けカードを発行する127の加盟行を対象に1月末に実施。具体策を「公表できない」とした3行を除く124行が回答した。

 このうちIC化を「検討中」と答えながら、実施時期が決まっていないとした銀行は109行。ATMの変更に1行数億―数十億円の費用がかかるためで、ある銀行の担当者は「銀行間の体力差でIC化にばらつきが出ると、利便性が低くなるため単独では決められない」と答えた。IC化が「未定」「予定なし」と答えた9行のうち、複数の銀行は「コストを考えると慎重にならざるをえない」との理由を挙げた。

 すでにICカードを発行している大手銀行2行のうち、UFJは1枚2100円の手数料を、東京三菱はクレジット機能付きのカードとして年1万500円の会費を求めていたため、被害が急増した昨年後半までは、従来のカードと交換する預金者は一部にとどまっていた。

テレビのワイドショーではないけど、銀行って対応が遅い。
いつまで殿様商売が続けられるつもりで居るのだろうか。。。

“ICカード化の困難”に対する理由の一つ、“銀行間の体力差でIC化にばらつきが出ると、利便性が低くなるため単独では決められない”というのは、実際一番大きな理由なのかもしれない。
というのも、1990年代まで、銀行は護送船団方式で“一番体力の無い所に合わせるのが利用者にとっても利益があるもの”とされてきたのだから。
でもねぇ。。。
小説ペイオフ―通貨が堕落するとき
キムタケさんの「小説ペイオフ―通貨が堕落するとき」の中で某証券会社が自主廃業したときの様に、当局はいつまでも“護送船団”を許してくれはしない。
世論によっては、そのハシゴを外す事もありえるのよね。。。
あれは証券会社がターゲットだったけど、銀行だって明日はわが身。
今年の4月からはペイオフ凍結も解除されるしねぇ。。。

そもそも、預金者だっていつまでも“お国”を信用している訳ではない。
となると、自分の預金を(一番)安全、確実に預かってくれる所にお金を預けたいのが心理では?
事業者は融資の関係があるから動きは多少違うにしても、“カード”を使うのは個人の預金者。
個人の預金者はやっぱり、少しでも“安全な所”を求めると思うのよね。
たとえ利便性を多少犠牲にしても。。。

銀行にとって、他行やコンビニからの預金引き出し者ってどのくらい重要?
なんて言っちゃったら暴言になるね(^^;
でも、多少でも“自分の預金を守りたい”という意識のある人は、自分のキャッシュカードがIC化されるのと引き換えに他行やコンビニでの引き出しは出来ないと言われても、我慢するのじゃないだろうか。
なんて思うのも、去年“何処まで信用できて、何処まで根付くのか ”という記事を書いた時、かなりの人の反応が“他行でのキャッシュカードの利用に不安を感じる”だった。
(最近のニュースでは、このネットワーク上のスキャニングで預金を盗まれた人があったね)
きっと、不安に思った人の幾人かは他行での引き出しを止めたんじゃないかと思ってね(苦笑)
だったら、“多少、利便性が悪くなりますが、コレならあなたの預金は安全です”と言う方法があっても理解されると思うのだけどね。。。
今、浸透度がイマイチなのは、その有益性のアピール度がイマイチなのと、保証の範囲とコスト(年会費)がアンバランスだと多くの預金者が判断してのことだよね。

まぁ、システム担当者としては、データの入力のされ方によって異なる(個人)認証方法があるというつくりをするのは面倒ではある。

でもねぇ。。。
銀行っていつまで、一番体力の無い所にあわせていられるのだろう?
競争の無い所に発展は無いと思うのは私だけ?
銀行も、競争に晒されないと“強く”なれないと思うのだけどなぁ。。。
っていうか、自分の“商売”分野で顧客の利益を守れないで、“商売”が成り立つとは思えないと思うのだけど。。。


でもね、一部銀行で取り入れられている“生体認証”には全面的には賛成できないのよ。
だって、あれって、五体満足な健常者で時間的、或いは物理的余裕のある人のことしか考えられていないから。
こういうHPでさえ、JIS-8341(別名“x-やさしい”)と言う情報バリアフリー法が適用されるご時勢にバリアが高いのだもの。
勿論、安全とバリアフリーは、二律背反とは言わないまでも、かなりの部分で背反するとは自覚しているけどね。
そして、“手”(の静脈)が無い人がどの程度いらっしゃるのか知らないので、その“不便”の度合いは解らない。
でも、身体の問題だけでなく、“健常者”といわれる人でも、必ずしも“本人”が預金を引き出せるとは限らないのよね。
実際私も、別に生計を立てている両親に預金の引き出しを頼む事もあるし、結婚している訳でもない彼氏の預金の引き出しを頼まれた事もある。
となると、生体認識で本人確認をするのであればカテゴリの違う2つ以上の方法から選択できること、そして、本人の了承があると認められる他人が“本人”と等しく認識される事が必要条件になるのでは?
そういう意味で技術的に難しいと言うのなら、銀行の対応が遅れていると言うのも解るんだけどなぁ。。。


まぁ、いずれにしても“必要は発明の母”。

今の法律上、カード偽造による預金引き出しの“被害者”が預金者でないのが問題。
法律を変えるのが難しいなら、金融庁が“行政指導”で、“カードの偽造の如何に関わらず、預金者から不正引き出しの申し立てがあった時には、原則、銀行がその損害の全額を補填する。但し、預金者に落ち度がある場合はその限りではない。”と言えばいいのよ。
そうすれば、銀行は預金者の落ち度を証明できない限り全額を補償しなけばならないのだから、その保護にも必死になるはずよ。
“他行の体力”なんて気にする余裕は無いはずだから。


関連記事
 日々思ふこと:大多数の銀行でICカード導入できず

Comments:2

みりおじ 2005年2月 3日 22:45

>銀行にとって、他行やコンビニからの
>預金引き出し者ってどのくらい重要?
>なんて言っちゃったら暴言になるね(^^;

正論だと思いますよ。特に都会だと。

ただし私のように、地方だと結構重宝
しています。

# なにせ私のところ、大手都市銀
  までは数十キロ(!?)くらいかな(^^ゞ

素直に給与振込口座を地銀に換えれ
ばいいんでしょうけどねぇ。

以前は、オフ会などで都会に出たとき
にまとめて下ろしたり。

いまはメインバンクを新生銀行にした
ので、こちらで下ろしても手数料が一
切かからないのでそのようなことも
なくなりました。

# 新生銀行だと、他の銀行、郵便
  局で休日に下ろしても手数料が
  キャッシュバックされるので。

ネットからなら5回/月まで他行への
振り込み手数料がかからない、という
のもメインバンク変更の決め手となり
ました。

店舗も少ない、一回破綻した、という
ところで勝負するためにはこれくらい
のサービスをしなければ、というのが
あるんでしょうね。でもまぁ、店舗が
沢山あると、下がったとは言え、まだ
まだ世間一般からいえば給料が高い
銀行員を沢山雇わなければならない
から、店舗が少ない、というのは効率
的な経営と言えるのかも。

いずれにしても、必然的に他行から
の引き出しが多くなるので不安では
あります・・・。

---------------

生体認証もどうなんでしょうね。

私の会社のパソコン、指紋認証で
ログインなのですが、特に冬場、手
荒れしやすい私は、ログインエラー
になることもしばしばで・・・

少しハードが古いからで、最近の
ものはそのようなことは無いのかも
しれませんが、であるが故に、携帯
電話を機種変更するとき、指紋認証
つき携帯電話も真っ先に購入対象
から外れました(^^ゞ

生体認証では静脈とか、網膜とか
いろいろあるようですが認識率の
アップを願うのみです。

COO 2005年2月 4日 03:56

> 特に都会だと。

そうですね。
都会だと。。。
でも、一方、他行引き出しや、コンビニでの引き出しをするのも
その多くは都会生活者なのですよね。。。
そういう意味では、“不便を感じる人はいても、大多数ではない”などと
暴言を。。。(^^;

指紋は、私もダメなんです。
ご存知の様に、爪が長くて、上手くスキャナと接触できないらしいです。。。(^^;
前の会社で、会社に入る(入館)するのに、指紋認証があったのですが、
1度で認識されることはマレで。。。(^^;
おまけに、指紋認証は今では安全性に疑問符がついていますものね。。。

最近は声紋の認識も安価で出来るようになったらしいです。
本人確認にそういった複数のカテゴリから、自分にとって最適なものを選べるようになるといいと思うのは私だけでしょうか。。。(^^;

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