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不信の先は。。。(^_^;)

私も含めて、今日のblog各氏は村上氏逮捕関連の記事が多い。
しかし、「人は自分の読みたい(知りたい)情報しか読まない(知ろうと)しない」というのが良くわかる。
というのも、何故か、私が読むblogはこの逮捕劇に疑問を持つものが多いから(^^ゞ
と言って、私は特別村上氏を擁護する気はない。
ただ、伝えられる容疑事実に疑問があると言う事。


村上氏の投資手法は投資手法としてはとっても古典的なもので、グレアム流と呼ばれるもの。
会社の資産が過小評価された株に投資し、株価向上の為に経営に口出しし、市場の株価が妥当な株価になったところで売ると言うもの。
これが古典的と言われるのは、今時の投資家は経営に口出しして株価が向上するのを悠長に待つことが出来ないという事。
ただ時間感覚の短い現代では、経営陣が投資家の提案を聞かない場合にはM&Aなど抜本的改革を持ちかける。
これを経営陣が拒否した場合は、市場の評価が物足りなくても株を売りさばいてしまうというもの。
これって、そのまんま、村上ファンドの投資手法。
そして、この手法は“バリュー株投資”と呼ばれ、多くの証券投資の教科書には“初心者向け”として紹介される手法。

ただ、最近は、同じバリュー株投資であっても、バフェット流が一般的だけどね。
バフェット流とグレアム流の違いは、バフェット流の方は、株主は経営に口を出さず、株を長期保有し、株からの収益は売却益ではなく配当などのインカムゲインを目指すもの。
日本の株式の持ち合いなんかは、これを理論的根拠としている。
っていうか、会社、いや経営者にとっては、口出ししない“モノ言わぬ株主”の方がありがたいものね(笑)

でも、どうなんだろうね。
本当に投資家ならば、自分が“投資”した効果が最大限に上がるように努力するのでは?
その為に会社の経営に口出しするというのは間違っていないと思うけどね。
そういう意味で、私は村上ファンドを否定しない。
たら、彼の言う“株主価値”向上策が、何となく即時的なのは気に入らないけどね。
資産売却なんてその瞬間だけの株主価値の向上で、継続的なものではないからねぇ。
会社が事業を継続する事に意味があるのだとしたら、継続的な株主価値の向上を図らなければ意味はない。
そういう意味で、私は彼の投資手法を評価もしない。


さて、此処までが前置き(笑)

村上ファンドはニッポン放送の経営陣が頑なで株主提案を聞き入れる気のないのに嫌気を差して売りさばこうとしていた。
大株主であったため、大口の引き受け先を探さなくてはならない。

でも、去年の9月の頃までは、村上ファンドがニッポン放送の経営に関与しようとしていたフシがあるのよね。。。
11月には見放し始めた感じだけど。
でもね、村上ファンドがlivedoorに「ニッポン放送の株を買わない?」と言ったところで、livedoorがあれだけの資金を用意できるなんて思っていなかったと思うよ。
実際、livedoorが800億円もの資金を用意するに当たっては、かなりムリしたでしょ?
で、この「ニッポン放送を買わない?」と持ちかけた事を以って「株価操作を計った、悪質なインサイダー取引」と決め付けるのはムリがある。
(彼がライブドアの動向を事前に知っていたのであれば、それはインサイダー取引に抵触する)
これは、現行法を解釈次第で“共謀法”と同等の運用が出来ると証明したに近いのよ。
そして、それを担当検事と部長検事、(+次長検事)の最大でもたった3人の判断で適用できる。
そういう意味でこの逮捕劇を、検察の“危険な兆候”と見る向きも多いのよね。


さて、今回の1件は外国系のアナリストや海外市場には、日本はこの時代に旧態依然とした市場を維持しようとしていると映ったようだ。
日本社会は、官や既得権を持つものは、それを守る事に必死になり、既得権益を侵そうとするモノを排除する。
権益を持たぬものは、自分で努力してはい上がっていくモノを“成り上がり”と呼び、「抜け駆けはゆるさん」と僻み、貶める。
マスコミはそれを煽動し、既得権者を擁護すると。

あるところ(URLを忘れちゃった。。。(^^ゞ )では、
「金持ち・権力者に天誅を下す国家官僚。それを喝采する新聞と民衆。マスコミ(朝日がひどかった)と国家権力が民衆を煽り立てて民主主義を崩壊させ、調子に乗った軍事官僚が無謀な国家行動を引き起こした戦前の歴史を彷彿させる。」
と書かれていた。
マスコミが特定個人を人身御供として格差社会のガス抜きのお先棒を担ぐなんて、気持ちの悪い社会。
まるで近隣アジア諸国のようよ。

マスコミが喜んで報道する阪神買収だって、ファンがみんなで阪神株を買い支えればいいだけの話だと思っていた。
そう思える私は冷たい阪神ファンなのかもしれない。
でも、サッカーのマンチェスターユナイテッドのサポーターはそうやってチームを買い支えてると聞いている。
外国のスポーツで出来る事を日本で出来ないなんて法はない。
マスコミって、特定個人を“人身御供”として槍玉に挙げるのではなく、そういう事例を紹介するのがスジなんじゃないの?と思ったりする。


って、検察不信を書くつもりだったのに、いつものようにマスコミ批判になってしまったわ(^_^;

Comments:5

ゆりかりん 2006年6月 7日 13:11

ファンがみんなで阪神株を買い支えればいいだけの話>
資本主義がいまだ定着していない国だから、そういうことが行動に即結びつきにくいのかなぁ~?
株・・・・・それ自体に対しても、難しそうだとか、賭け事めいたマイナスイメージをいまだ固定観念で持ち続けている人達の方が多いと思うし。

ある意味、そういう資本の論理に関して習熟度の低い(?)国民性だからこそ、一連の逮捕劇は実行可能となったのかもしれないね。権力サイドは、民意の反発を想定しなくて済んだわけだから。

tobby 2006年6月 7日 22:57

阪神株の話は、一部、ファンから声は上がってたように記憶してます。
ただ、マスコミは大きく取り上げたりしないけど。w

株や投資の話は疎いので この話題に触れたくても触れられ無いけど
前置き読ませてもらって、勉強になりました。w

COO 2006年6月 8日 00:52

>ゆりかりんさん
 ホント、株取引って“ギャンブル”と同一視される事が多いですね。
 やくざな取引なんですかね。。。

 > 資本主義がいまだ定着していない国だから、
 一説によると、大阪で始まった米の先物取引が、世界の証券や商品取引の始まりらしいのに。。。
 江戸時代に大阪で始まった米の先物取引は、リスクヘッジの手段であって、ギャンブルでもなんでもなかったの、
 現代日本の資本主義は、江戸時代の商業都市大阪に劣るのよね(苦笑)


>tobbyさん
 マスコミがもっと大きく取り上げたら、もう少し違った形で実効していたかも知れませんね。

 村上ファンドは、阪神電鉄に対して近鉄は京阪と経営統合するように提案していたのですが、
 阪神電鉄は阪急と経営統合する決断をしました。
 思うに、村上ファンドの提案を受け入れないために、残りの1社と統合するという道をとったと思うのですが、
 関西、特に阪神沿線や阪神ファンにとって、阪神が、近鉄or京阪と阪急のどちらと統合するのがbetterなのでしょう?
 個人的には、阪急は×な感じがしますが。。。(^_^;


ARDBEG 2006年6月11日 20:15

会社は誰の物だろう?

通念としては株主の物。
でも、日本的感覚では従業員の物でもあるような気がするし、経営者の物でもあるような雰囲気も否定できない。

僕は、自分の会社の株を絶対に上場しないと決めました。(笑)

COO 2006年6月11日 23:06

>ARDBEGさん
 ウチの会社の社長も、株式を上場するのは。。。と言っています(笑)

 木曜日の新聞に載っていましたが、
 日本で1番大きなファミレスチェーンのすかいらーくは上場廃止を決めたらしいですね。
 上場していると、経営の自由度が奪われるというのが、その理由らしいです。

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