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タイミング的にラッキーな予行演習

朝7時、目覚めていつものようにテレビを点けた。
最近は、9時近くに家を出るようになった私、朝からゆっくりテレビを観られる。
そのうち「停電」と大騒ぎになった。
私が乗る電車も停まっているらしい。

慌てても仕方ない。
ゆっくり家を出る事にして、テレビで高見の見物(^^ゞ
って言うか、昨日遅くまで冷たいものを飲んだのが響いたのか、お腹の調子が。。。(^_^;
一応会社には、体調不良と言いましたよ。
って、家を出てからの交通遅延ではないもの、「電車止まっているから」遅れるなんて言えないものね(笑)

それにしても、凄いねと思った事が2つ。

電気が止まったら、こんなにも生活に影響があるのねという事を改めて感じた。
電車や信号機だけじゃなくて、電話ですらも使えなくなるんだものね。
生活の全てを電気が支えていると言っても過言ではないのかもしれない。

そしてもうひとつ凄いと思ったのは、こんな状況でも案外みんな冷静な事。
最近の大きなビルは自家発電の機能も備えているらしく、発電装置が働き始めた時にで煙を「テロ?」と肝を冷やした人もいたらしいけど、総じて冷静。
交差点で信号機が点灯しなくても事故がおきるわけでもなく、車も淡々と交差点を通っていく。
状況がよく解らない時間帯には混乱もあっただろうけど、特に街がパニックになった様子もない。
まぁ、時期的に、都内の人口が1年で一番少ない時期というのもあったのかもしれない。
お盆のこの時期は都内を移動する人や車が少ない。
夏休み中の会社も多いし、工場などもお休みの処が多いのだろう。
11~12日に大勢の人が東京を脱出している。
これが人とお金の動きが多い五十日だったら、大混乱だったかもしれないと思う。
って、東京の人って“諦めが早い”からそう混乱もないかもしれないけどね。。。


停電といえばこんな思い出が。。。

私が証券会社の関連システム会社に勤めている頃、大きな停電があった。
停電の原因は覚えていない。
停電になって、当然働くはずだった自家発電装置が働かなかった。
聞いていた話だと、停電になっても無停電電源装置が働いた後、直ぐに自家発電装置が働いて、館内は通常業務が出来るはずだった。
それが、供給される電気量はコンピュータを動かす最低限のもので、我々の端末は勿論、館内も非常灯以外は全て消された。
薄暗い館内で端末も使えず、通電を待った。

後に、コンピュータセンターを建てて以来自家発電装置を一度も稼動させていなかった事が原因で、発電装置の劣化(?)に気が付いていなかった事が判明した。
その会社では、その事件(?)教訓にその後は定期的に自家発電装置を稼動させていた。
試運用にも1回数千万とかなり費用が掛かるのだけど、イザという時に使い物にならないんじゃ、それこそ宝の持ち腐れだものね。

そういう意味では、今日の停電はいい試験運用になったのかもしれない。
普段より人の動きが少なく、電車も街も空いている時に“訓練”が出来たのは、ある意味ラッキーだったのかもしれないね。


それにしても、この記事には悪意を感じるなぁ。。。

<日経障害>有事に対応できないぜい弱さを露呈…大規模停電

 14日午前、首都圏を東京電力の大規模停電が襲ったが、全面復旧後の午後になって、日経平均株価の算定がストップする思わぬ障害が起き、有事に対応しきれないコンピュータ社会のぜい弱さを改めて示した。この日は東証のシステム自体に障害はなく、個別銘柄の売買は支障なく行われ、株式市場に大きな混乱は起きなかった。
(毎日新聞) - 8月14日21時4分更新

何処の会社でもそうだと思うけど、システムの安全性ってある程度は費用対効果なんじゃないの?
日経新聞社が日経平均の算定をストップしたからと言って、それが「有事に対応しきれないコンピュータ社会のぜい弱さを改めて示した」とは思わない。
日経新聞社は、新聞社として日経平均株価を算出するよりコストをかける業務があったのだろうし、日経平均の算出が遅れて経済が大混乱をきたした訳ではない。
細かい障害や混乱を挙げればキリは無いだろうけど、総じて銀行のシステムも証券取引のシステムも正常稼動している。

多くの都市銀行と、大手、準大手の証券会社は東京にコンピュータセンターを持っている。
20数年前に、世田谷で電話回線が切断された時は数日間に渡って三菱銀行のシステムが動かなかった事を思えば、東京中が停電したというのにどの銀行もどの証券会社も、停電中の東京の支店以外での取引に支障をきたしていないのは、“システムの脆弱”と言うより寧ろ“システムの堅牢性”を示したと言えるんじゃないかな?

改めて言うけど、日経新聞社が株価算定ができなくても、銀行システムも証券システムも日銀の(銀行間)決済システムも正常稼動している。
経済活動には何ら支障をきたしてはいない。
それは非難される事ではないと思うけど?


それより、せっかくバックアップ回線を引いているのに、同じ場所じゃ効果半減。。。
東電だって、危機管理のつもりでバックアップ線を引いていた。
でも同じ場所にあったから、今回は2系統とも損なわれてしまったのね。。。
システム担当者ならば、初歩的な回線の冗長問題。
システムの方がが電気に比べて設備投資が少なくてすむから、バックアップ回線は本線とは別の場所(ルート)を使って敷設する。
東電は人的災害は想定していなかったというけど、日本だってテロや人為的なミスで首都機能が陥られる可能性が否定できない。
いい教訓になったね。












で、これは、どういう事なんだろう?

<大停電>東電品川火力1、2号機 緊急発電停止していた

14日朝の停電の影響で東京電力品川火力発電所の1、2号機は、同日午前7時58分から最大約7時間にわたって発電を緊急停止した。千葉県方面からの送電が止まり、同発電所負担が急増したため。停止時には2基で計65万キロワットを発電していたが、他の系統から電力が補充され、消費者への影響はなかった。
(毎日新聞) - 8月14日23時17分更新

負荷が急増したから発電停止って?
発電の仕組みがよく解っていないから、理解できないだけなんだけど。。。(^_^;)

東京近郊の発電所が発電を停止したら、他の発電所への負荷が高くなるという事はないの?
もし、品川で発電していたら、停電の規模や時間が縮小されたという事はない?

Comments:4

ゆりかりん 2006年8月15日 12:51

どうなんだろうね~?
これを教訓にできるのかなぁ?・・・疑問。w
これまでだって、いろんな事故が教訓になったことって、
それほど多くないしね~。
何度も絶望した後に、ようやく何とかなってることの方が多い気がするなぁ・・・。

COO 2006年8月15日 23:48

>ゆりかりんさん
 そりゃ、電力会社にだけ“教訓”を求めちゃ、教訓が活きるのがいつになるか判らないですよ(笑)
 費用だって1兆円じゃ納まらないだろうし、東電1社だけでも国家予算1年分と同じぐらいの費用がかかるかもしれない。
 用地買収だって、地権者が容易に応諾するとも思えないですから時間も費用もかかるでしょうね。

 それよりなにより、危機管理を電力会社だけに頼ったら、施設の償却費を賄うのに我々の電気料金が倍に跳ね上がってしまう(笑)

 でも、今回機会損失を蒙ったのは東電だけではないはず。
 東京メトロだって、携帯電話会社だって、銀行だって、そのほかの企業も大小さまざまな機会損失を蒙ったはず。
 そういったところが東電一辺倒や、無停電電源装置を貸しビルオーナー任せ切りになるのではなく、
 自前でバックアップ発電設備や、自前で無停電電源装置をもったり、無停電源装置を備えているビルしか借り手がいなくなったりすると思うよ。
 機会損失を減らす事が、“儲け”に直結するから。
 バックアップ電源供給だって、通常時は東電から供給を受けても、東電異常時は東ガスから供給を受けるとか。。。
 一般個人や個人商店でも家や店舗で太陽電池の装置をつけるようになるかもしれないでしょ。
 社会インフラが使えなくなるなんて考えなかった人たちが、今回、社会インフラが麻痺したときの機械損失が見えた事で、
 “損をしたくない”と思う人も出てくると思うけどな。

 電力小売も自由化されたものの未だ定着しているとは言えないけど、これを機会に危機分散を考える企業からのオファーが増えるかも。

まる 2006年8月17日 13:01

あの三国屋建設さんって同じ事を過去にやっているんでですね。
ホームページを見たらISO日記なるものが載っていて8/3更新審査!と言う記事があり笑ってしまった。
ほんと、ISOって取得・維持が目的になると何も意味が無い、それどころか無駄金ですからね。上手く活用すれば、その過程で、標準と実務のズレ・不具合・要改善点を発見する良いチャンスなんだけどねー。流行だから取るじゃダメですね。

ところで、停電の件、COOと同じ感想ですね。
大規模な割りに大混乱はしなかったし、経済活動にも致命的な影響を与えなかったというのは普段からのリスク対策が出来ているんだと感じました。
脆弱性を露呈というよりも、それに対する管理策が予想以上にされているねと言う感想です。
だって、
>この日は東証のシステム自体に障害はなく、個別銘柄の売買は支障なく行われ、株式市場に大きな混乱は起きなかった。
ですよ。
なにの、何故、毎日さんは
>日経平均株価の算定がストップする思わぬ障害が起き、有事に対応しきれないコンピュータ社会のぜい弱さを改めて示した。
と言う記事にするのか?もう、その感覚にそれこそ「はぁ?」と言う気分ですよ。

さて、三国屋建設さんにはいくらの損害賠償が行くんでしょうか?
かつて、自衛隊機が送電線を切断したときには6千万円(安い!!)だったそうですが、、、。値段によっては、倒産しかねないですね。

「<大停電>東電品川火力1、2号機 緊急発電停止していた」の記事は普通の感覚では理解できない。毎日の事だから、何か重要な部分を端折っているんじゃないの?
そうでなければ、その理由の部分をもう少し丁寧に書かないとさっぱり理解できないし、意味が無い。
別に急ぎの内容でもないし、もう少し調べてから記事にすれば?と思う。

COO 2006年8月19日 02:21

>まるさん
 ISOってISO9000ですか?
 今、HPをみたら無かったです。。。
 ISOはステータスになっている感がありますね。
 ある瞬間だけ切り取って取得しても、標準化のルールを継続して運用することに意義があるのに。

 三国屋建設のHPによると、東電の直接的な損害しか賠償しないようです。
 停電した事による電気利用者の損害は賠償の対象にならないと言っていました。
 前回の自衛隊の時は、電線の修復に6千万円とその他が7千万円で1億3千万円の賠償をしたときいています。
 今回も東電の直接的な被害だけの賠償であれば、この程度なのでしょうね。
 何となく納得いかないですけどねぇ。。。


 品川発電所の件は、やはり解り難いですよね。
 ちゃんとした理由があるとは思いますが、
 新聞記事にするならば、一般の素人にもその理由を判りやすく教えて欲しいですよね。

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