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世間知らず政党

日経の投資・財務面に「一目均衡」という署名コラムがある。
昨日の記事を引用できないかとネットで探したけど見つからなかった。。。

曰く、「民主党の管直人代表代行が株式の譲渡益に対する税制について、『20%、場合によっては30%に上げるべきだ』と言った。株式の譲渡益への課税強化を民主党の格差是正施策の柱にするというのだが、何か勘違いしていなか」と。

全くだ。
ちょっと前、共産党の志位委員長が「所得税を下げて、法人税を上げろ」と言っていたが、直人クンの発言に通じるものがある。
どちらも、「税」を知らずに弄んでいるだけ。

課税強化は、ある部分「規制」の意味を持つ。
例えば、法人税。
日本は法人負担の税金のある部分を見ると、世界でもTOPクラスの税率になっている。
それは日本で「法人を持つこと」を規制・制限し、ある時期、日本へ進出するよりシンガポールやマレーシアへ法人の基盤を置く外資が増えた。
「外資が来ない事はイイ事」という人も居るけど、それだけではなく日本から逃げ出した日本の法人も多くあった。
日本で法人税率が下がって戻ってはきているが、税率が上がればコストの高い日本から逃げ出す法人もでるだろうね。
利益を出す法人が減るという事は、すなわち法人税からの税収も減る。
法人税だけではない。
働く場が失われるのだから、所得税収だって勿論へる。
所得を得る機会が失われるのだから、消費税収入も勿論減る。
いや、消費税収入が減るだけではなく、所得を得る機会が少なくなるという事は。。。

共産党は労働者の働く場を奪う結果になる事も考えずに、労働者の耳に優しそうな事を言ったに過ぎない。
でも、共産党は政権を取れるような見識のない政党だから仕方ない、と言う人もあるかもしれない。
でも、直人クンが言っている事も50歩100歩。

1990年にバブルが弾けたのは、89年に導入された譲渡益課税が原因。
「株式の譲渡益が非課税なのは金持ち優遇」という論理からだった。
(以前は、株式の売買にかかる税金は、有価証券取引税という名で、税率も低かった)
当時の株式取引は金持ちだけのものではなく、一般個人の取引もかなり多かった。
だから、決して金持ち優遇という訳ではなかったのだけどね。。。
で、課税の結果、個人投資家の多くが株式市場から去った。
そして、大蔵省(当時)の目論見はハズレ、譲渡益税の税収は伸びず、有価証券取引税を下回った。
譲渡益税に関わらず、税金というのは、税率を上げると税収は減り、税率が低い方が税収は増える。

直人クンが株式の譲渡益税課税強化すべきだと言ったのは、90年代のバブル崩壊を再現したいのかな?
せっかく株価が持ち直して、企業年金や各種基金も取り崩しを止めて、積み立てを増せるようになった。
価が下がったら、また基金を取り崩さなければならなくなって、補填の為に税金をつぎ込まなければならなくなる。
今でさえ、「団塊世代がみな退職して年金を受給するようになったら」、現役世代は今より1人当たり10万円の負担増だといっているのに、どれだけ増えるのかね?
そんな状況になったら、景気に左右される消費税では年金や社会福祉関連支出を賄う事はできなくなるだろう。
そうなったら、稼げる人は海外に逃げ出すだろうから、国内に残った人の収入格差は(底辺辺りで)差がなくなるかもしれない。
民主党ってそういう世の中を期待しているのか?
もう少し、“税”と“人の行動”の相関関係を考えてモノをいって欲しいものだ。

何で、日本には、政権交代可能な野党が育たないのだろう???
昨日まで与党に居た人でも、野党になった途端にこの体たらく。
“野党”と言う立場が、人を(こういう風に)変えてしまうか?
なんて、こんな事を書くと、短絡的な人は「COOちゃんは自民党が好き」だと思うのだろうね(苦笑)
私は今の与党をも決してイイとは思わない。
公明党は与党でも評価できないんだよね。。。
そして、自民党は民主党よりいくらかマシと思う程度。
でもね、民主党の「世間知らず」を見るにつけ、民主党への政権交代は遠いと思うわ。

Comments:4

Komei 2006年11月 2日 11:02

政権交代可能な野党が育たないのは、育ててこなかった国民、つまりあなたの責任ってことですね。

たけ 2006年11月 2日 20:20

キャー、内容が難しいです~。

国会中継とか聞くのは好きなんですけどね。
感じることは「こーゆー普段の生活にこれといった不安をかかえてない人達にうちらの生活のことなんかわかりっこないんだよね~」ってとこですかね。

誰が上に立っても、たいして変わらないんじゃん?ってゆー気持ちの人が多いんじゃないですか?私もそうだし……

COO 2006年11月 2日 23:41

>Komeiさん
 私も、一度は民主党に期待し、票を投じた1人として、見識の無さと不明、浅はかさに関しては恥と責任を感じていますよ。
 今更民主党を変えようとは思いませんから、今の私は、せめて与党が舵取りを確かにする方向を考えています。
 与党の中に擬似“第2党”が居るだけでも、違うと思いますから。


>たけさん
 簡単に言えば、
 労働者の職を奪う政策を取ろうというのが共産党で、
 社会福祉に不安を増やそうとするのが民主党ですね(苦笑)

 誰がなっても。。。というのはちょっと違っていて、
 細川のお殿様が首相になった時が顕著ですが、
 今の民主党の前身が与党だった時代には、今より政治家は無策で、役人が政治を左右していました。
 今でも充分ではありませんが、その頃に比べれば今は少しだけ政治家が政治を見ていますね。
 北朝鮮による拉致事件の共犯者(がいる政党)が与党に居た頃だったら、
 5人の拉致被害者やそのご家族は帰ってはこなかったでしょう。。。

BlogPetのQooQoo 2006年11月 4日 18:15

QooQooは、優しそうな事を
日本とかを
譲渡したかったの♪

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