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ある経営者の死

ダイエー創始者の中内功氏が亡くなった。

ダイエーは“安売り”を“売り”にしたスーパーで、個人的にはあまり好きではない。
私は、安売り競争は消耗戦になるだけで、当の企業(スーパー)には得るものは何もない、と思っているから。
事業再生に至る終盤は、品質にも問題があったしね。


中内氏は今のスーパーの安売り競争、価格破壊を始めて実現した人。
ただ、価格破壊という安売り競争は企業にとってよい事はなにもないと思うのだけど、間に入る業者が多い流通業で“価格破壊”を仕掛けた事は大いに評価出来る。
中内氏は“流通革命”を起こした事は確かで、それって、江戸時代から続く日本の官僚組織さながらに不幸率な流通業に“効率”という風穴を開けたのは確かなのよね。
って、 中内さん、私ごときに評価されようがされまいが全く気にはしないと思うけどね(笑)

何時だったかの日経新聞の「私の履歴書」に彼が全国に売り場を視察し、彼が視察すると売り場に緊張が走る事が書いてあった。
“緊張”って言っても、多分顧客より上司に気を使う西武の“緊張”とは違うものだと思う。
でも、最高経営者が視察しないと、売り場に商品の鮮度や接客への緊張感が緩むのは、その時点で企業が緩んでいたんだよね。。。

得てしてワンマン社長というのは突っ走りがちで、社員は顧客ではなく社長を見て仕事をしがち。
個人的には、上司を見て仕事をするのを悪いとは言わないけれど、私の仕事とは違って、消費者が直ぐそこに居る職場ではどうなのかな?

私の仕事は消費者が傍に居るわけではないので、“お金を出してくれる”お客様に向けた仕事をする。
例えそれが、エンドユーザ(お客様のお客様)にとって使い勝手の悪いものであっても、お客さんの“予算”によってシステムの完成度(エンドユーザにとっての使い勝手)があ犠牲になる。
でも、流通業って、お金を出してくれるお客様はすなわち一般消費者で、“大衆”だ。
私たちの様に、お客様の“懐具合”が直ぐわかる仕事ではなく、色々な“懐具合”があって何(どういう消費者)をターゲットとするのかは難しい。
そんな中では、かなりいい仕事をしたと思う。

晩年は寂しい事になったけど、私は中内氏を評価している。
今後の日本の経済界の為にも惜しい人を亡くしたと思う。
ご冥福を祈る。


お疲れ様でした。
貴方は時代の先駆者であり改革者でした。
まだ“し残した”と思うことはあるでしょが、後は後の人に任せて安らかに。

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ある経営者の死 from 空のつぶやき
腐りゆく刹那 from いんちょー奮闘記 2005-09-29 (木) 14:05
先日亡くなったダイエーの創業者、中内功氏がモデルになった 小説『価格破壊』(著 城山三郎)の話だ。

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