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目的ではなく手段だった? 

朝寝坊。。。
昨日飲み会に行くのに早く帰ったから、仕事に行くつもりだったのに。。。(^_^;

仕事に行くのは諦めて、ゆっくり起きてシャワーを浴びると、外は何だか暗い。
朝、最初に目覚めた時には晴れていたのに、いつの間にか雨が降り出しているのね。
道理で、何だか体調がイマイチなはずだわ。


夕方近くなって、せっかくだからと思い立って六本木ヒルズの「レオナルド・ダビンチ展」行った。
ダビンチ展といっても、ダビンチの描いた絵画が展示されているわけではない。
マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が持っている「レスター手稿」と呼ばれる、ダビンチの手書きノートが展示されている展覧会。
それはどちらかというと(自然)科学技術に関するノートで、芸術に浸るつもり行くと、ちょっと肩透かしを食らうかも(笑)

会場に入ると、まず月の満ち欠けに関する考察ノートがスクリーンで見られる。
そして、ダビンチが描いたイラストを元に再現された模型の月が見られる。
ノートには「月は自ら光を放っているのではなく、太陽の光を反射しているに過ぎない」と書いているらしい。
そして、そういった事に気づいたのは、自分が世界で始めての人間だとも。
確かに、ガリレオが生まれる100年も前に太陽と地球と月が共に球体でその位置関係や距離を測った(計算した)のは、この人が世界で始めてなのだと思う。
望遠鏡すらなかった時代にこういった結論を出せる人なんて、居るとは思えないものね。

次に水の流れや波紋に関する考察。
彼はこの研究を治水工事に利用しようとしたそうだ。
サイフォンの原理について説明してあるのが面白かった。
簡単な実験装置が置いてあって、触って確かめられるのがいいよね。
といっても、子供が離れないから、大人の私は満足に触れなかったけどね(笑)

次は地殻変動に関する考察。
アルプスなどの高い山で海底生物の化石が見つかるのは、ノアの箱舟で知られる洪水で海底から運ばれたというのが通説だった当時に、地殻変動で当時海底だった場所が隆起して山になったと書いている。
この人って、当時から天才扱いだったらしいけど、一歩間違えたら知能障害者と思われても不思議じゃなかったんだろうな。。。
あぁ。。宗教改革の頃の人だから、キリスト教の教えを否定する事に対する世間の理解があったのか。

次は模型の展示。
イタリアの「レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館」の協力で、レスター手稿との関連の深い再現模型を展示しているらしい。
オートジャイロの模型が見られるかと期待していたのだけど無かった。
昔の全日空の尾翼についていたマークね。
でも、オートジャイロはレスター手稿ではなく、別の手稿に納められているのね。

そしていよいよ本物の手稿。
でもね、紙の劣化を防ぐために光量が制限されているらしい。
薄暗い中で、1分ごとに弱い明かりがついたり消えたり。
まぁ、もっとも、イタリア語は読めないし、鏡面文字だなんて余計にわからない。
書いてある紙の古さとイラストを見るぐらい(^_^;
でも、紙に入っている透かしすらも解らないような光量って、見せる気ある?と聞きたくなる(笑)
まぁ、空いていたのが幸いで、何度も行ったりきたりしながら見ることが出来たので、満足はしているけどね。
そういえば、展示室の前に「フラッシュをたかないで下さい」とあったけど、これって写真を撮ってもよかったの?

次が年表。
ダビンチが描いた絵とダビンチの足跡がわかる。
まぁ、レスター手稿にはあまり関係ないけど、お約束かな。

聖アンナと聖母子 岩窟の聖母 モナ・リザ  

最後がファクシミリ(手稿のレプリカ)の展示。
ダビンチの手稿のファクシミリは数多くあるらしい。
ダビンチの手稿も8000点もあるというから、当然か。
学習院大学の裾分一弘名誉教授のコレクションの展示と、その他の手稿の紹介。
他の手稿はパソコンで観られる。
これってDVDよね。。。欲しいなぁと思ったけど非売品らしい。
残念。


子供の頃、ダビンチは絵を完璧に描く為に、解剖学や自然科学を学んだと教えられた。
でも、今日の展示を見る限り、絵が目的なのではなくて、絵は自分の研究の成果の表現なのだと思った。
彼は手稿を残してはいるが、鏡面文字などは左利きの子供が文字を覚える頃に間違って書く文字。
ダビンチは文字がかけなかったとも伝えられているぐらいだから、普段からこんな文字を書いたのだろう。
大人になってそんな文字を書いて、文字で他人に何かを伝えようとしたとは思いにくい。
いや伝えようとしたとしても、思い通りには伝わらなかったと思う。
でも絵に描けば、思いは伝えられるものね。
嘗て、宗教家が教えを伝えるために文字や言葉ではなく絵画を用いたように。

そんな事を考えながら一回りしたら、もう21時。
久しぶりに頭を使ったら疲れたわ(^_^;


(写真は、2003年7月に私がルーブル美術館で撮ったダビンチの作品)

Comments:2

ヨシムラさん 2005年10月31日 06:05

コレ行きたいんだけど中々時間が取れなくて行けない。もーすぐ終わっちゃうんだよねー。ワシはウフィツィ美術館で何点か見たんだけど、よく言われる構成の精緻さよりも、もっとこぉ描いたときの絵に対する執念みたいなモノが伝わってくる、そーゆー絵だった。

COO 2005年11月 1日 00:43

13日までだから、あと2週間かな。
22時までやっていて、ゆっくり観ても3時間ぐらいあればみられるので
平日でも定時に帰れる時に行けるんじゃないかな。

軍事技官として就職したこともあるけど、
ダビンチ自身は自分が画家だという思い入れが強い人だから、
絵を描くことに対する執念って相当だったのでしょうね。
ウフィツィ美術館だと、受胎告知かな?

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