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拉致問題が解決したら、油濁法は緩くなる?

昨日、船主責任保険に未加入の船舶の入港を禁じる改正油濁損害賠償保障法が施行された。
テレビって、北朝鮮の船が入らなくなってアサリやズワイガニが輸入できないだとか、ロシアの船が入らなくてタラバガニが輸入できないだとかばかり強調する。
おまけに、境港(北朝鮮の船の入港が日本で2番目に多いらしい)の港湾関係者や加工業者に取材して「死活問題」だと言わせたがっている。
本当に不愉快だ。
業者さんの方はマスコミの意図に乗るほどおバカさんじゃないから、冷静に「仕方の無いこと」と答えているのだけどね。

マスコミって、この問題を「経済制裁の一つ」と捉えているようだけど、そもそもの目的は違うでしょう?
北朝鮮しか見ていないマスコミは、この法律で抜け穴があるという。
北朝鮮から中国やロシアを経由して日本に輸出するとか、日本の船が途中まで出て行って海上で受け渡しを行うとか。

この法律は、元々、座礁した船が燃料漏れを起こした際の海洋の油濁汚染での被害者保護を図るのが目的で100t以上の一般船舶にも船主責任保険への加入を入港条件として義務付けたもので、特別北朝鮮への経済制裁を目的としたものではない。
実態として、北朝鮮の船は保険に加入していないケースが多いに過ぎない。
勿論、北朝鮮が経済的な打撃を受ければそれに越した事はないが、あまりに「経済制裁」的な側面ばがり強調しているのはどうなんだろう?
拉致問題が解決したら、この法律は緩くしてもイイと考えているって事?

2002年12月に茨城県日立市の日立港で座礁した北朝鮮籍の貨物船は未加入だったから、船主の北朝鮮側が撤去費用を払わずに茨城県が肩代わりさせられた。
北朝鮮の船が日本にやってきて、事故を起こして日本の海を汚す。
車の事故の当て逃げではないが、事故を起こして後始末もせずにさっさと逃げる船は北朝鮮の船に限らず、日本の近海に来て欲しくないと思わないのだろうか?
無責任な外国の船によって日本の海が汚され、カニが、貝が、魚が採れなくなる事の方がずっと重大だと思うんだけど。。。
海の油汚れを掃除したり、海の汚れによって魚が採れなくなった漁業関係者への補償を船主にきちんと負わせないで、関係のない県や(日本)国が費用負担する事に関して、マスコミはどう思っているのだろう?

拉致問題に絡んで、北朝鮮への“経済制裁”を話題にすれば、大衆の興味を惹くと言うのは解る。
でも、マスコミが此処最近言っているように、報道機関であるならば事の本質をしっかりと伝えるのが筋なんじゃないのかなぁ。。。
なんかさ、「カニやカニ製品が品不足で値上がりします」なんて言って、「それじゃ、油濁法を再改正して、北朝鮮の船が入港できるようにしましょう」なんて世論を引っ張りたいの?と思えてしまう。
それより、どっかの番組で、鳥取県選出の議員が言っていた、「境港の加工品が、全て北朝鮮からのモノで出来ていると思われるほうが困る」と言うのが、正しい意見だと思うな。
風評被害と言うのはマスコミが発信源になることが多い。
マスコミ、っていうか今回はテレビなんだけど。。。風評被害の加害者にならぬよう、冷静な報道って出来ないのかしらね。
せめて、誤解を与えるような報道だけは止めてもらいたいものだわ。

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